デザイナーのヴィヴィアーノ・スー(VIVIANO SUE)が2016年に立ち上げたブランド。チュールやラッフルなどデコラティブなエッセンスを取り入れたコレクションを展開している。
Viviano Sue
中国で生まれアメリカにて育つ。2014年に文化ファッション大学院大学を修了後、 自身の名前を冠したブランドである「ヴィヴィアーノ・スー(VIVIANO・SUE)」を開始。2020年AWコレクション発表に際し、ブランド名を「ヴィヴィアーノ(VIVIANO)」に変更。2025年SSコレクションよりメンズラインを始動した。
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- BRAND CONCEPT -
秩序のうえに成り立つカオスなアイテムを提案
“秩序の花々の間からほのかにゆらめくカオス”をコンセプトに掲げ、コレクションを展開。デザイナーが敬愛するピアニストであるアルフレッド・ブレンデル(Alfred Brendel)が好んだという詩人ノヴァーリス(Novalis)の言葉をヒントにコンセプトを設定。このようなコンセプトを掲げた理由について「一見すると派手なことをしているブランドと思われがちだが、洋服として成立させることを特に意識している。一着の洋服としてデザインやパターンが成り立っていることを前提に、その上で輝くものを表現したいという思いから、このコンセプトにした」と説明。デザイナー自ら全てのアイテムのパターンを描き、製図に落とし込み、工場に依頼する。アバンギャルドでカオスに見える洋服の裏側には、地道でありながら秩序に基づいた工程が存在しており、「ファッションはアートではない」という川久保玲の思想にも由来しているという。
- BRAND NAME -
デザイナーの名前を冠したブランド名
ブランド名はデザイナーの名前に由来する。立ち上げ時には「ヴィヴィアーノ・スー」とフルネームで表現していたが、2020AWコレクションより「ヴィヴィアーノ」に改名。ブランド立ち上げ当初はデザイナーが一人で運営していたのに対し、ディレクターやPRなどがチームに参加したことで改名することを決めたという。「改名直前のシーズンまでブランドとして存続できるか危うい状況だったが、改名を発表した2020AWシーズンの評判がとても良くて。終わってもいいという気持ちで自分たちの作りたいものを存分に表現した結果だと思うのだが、当時出会ったスタイリストや業界の方との関係が今でも続いていて、ブランドとして大きな転機になった」とコメントした。
- CHARACTERISITIC ITEM -
ブランドを代表するアイテムはチュールやラッフルを使ったアイテム
ブランドを代表するアイテムとして、チュールやラッフルを用いたアイテムを挙げた。“特別な日だけではなく毎日着られる日常着”を目指し、デザイン性とウェアラブルを両立させることを意識しているという。「アジア人の身体にフィットするサイズやパターンを採用するのはもちろん、チュールであれば洗濯機で洗える素材を選ぶなど気軽に着用できるという点を意識している。買ってもらった方には長く着てもらいたいので、デザインだけではなく素材選びや縫製までこだわっている」と説明した。
学生の頃からドレスが好きだったというデザイナーは、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)やアレクサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のクリエイションから影響を受け、チュールという素材に魅了されたという。「ヴィヴィアーノでは、チュールの持つ透け感を最大限活かすようなデザインを採用している。異なる色味のものを重ねたり、あえて近似の色味を選んで奥行きを演出するなど組み合わせは無限であり、表現方法の幅が広いのがチュールの最大の魅力」と解説。チュールを用いたアイテムには裏地が付かないのも透け感を活かしてインナーとのレイヤードを楽しんで欲しいというデザイナーの考えからだ。一方、ラッフルも毎シーズン欠かさず取り入れている象徴的なディテールである。アイコニックなチュールに負けない分量感や独創的なフォルムを作り出し、ブランドのモチーフである花を表現する際に役立つという。シーズンごとに作り方を変え、多彩な方法で活用しているそうだ。
- HISTORY -
メンズコレクションの立ち上げがブランドの転換点
ブランドの転換点として挙げるのは、2025SSコレクションより始動したメンズコレクションの立ち上げだ。2024SSシーズンからランウェイショーでメンズモデルを起用したことで多くの反響があり、実際に男性からの購買も多数あったため立ち上げに至ったという。既存のコレクションと分けて展開を始めた理由について「ジェンダーレスを謳うブランドは数多くあるが、性別に左右されず着用できるとなるとオーバーサイズという選択肢に限られてしまう。別コレクションとしてそれぞれの体型に合ったサイズやパターンのアイテムを提供することがベストだと考えた」と説明した。今後についてデザイナーは「ウィメンズと比較するとアイテムが限られてしまうが、それがメンズの醍醐味だと思う。ヴィヴィアーノらしいプレイフルさを表現しながら男性にも気兼ねなく着てもらえる、ギリギリのラインを追求したい」と意気込みを語った。
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- WHO TO WEAR -
こんな人に着て欲しい
「着た時に気分が高揚するなような洋服を作ることを大切にしているので、特定の人物像を設けていません。自分自身、固定概念に縛られるのが苦手なので、ブランドの世界観に共感して自分らしく着こなしてくれる人に手に取ってもらえたら嬉しい」とコメント。実際に購買層も10~70代と幅広く、世代を超えて支持されている。特定の人物像やミューズを設定していないことが寄与しているのではないだろうか。
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