2001年、デザイナーのトム・ブラウンがアメリカ・ニューヨークで設立。ビスポークのテーラード服の制作からスタートし、04年にメンズ、10年にはウィメンズコレクションを始動。1950年代後半から1960年代前半にかけてのアメリカントラッドなスタイルに、ユーモアと前衛的な解釈を加えたコレクションを発表している。男女合同ショーに切り替えてからは、いっそうジェンダーフルイドなムードを強めている。グレーのスーツとトリコロールストライプのタグがアイコン。キッズやドッグウェア、ネクタイやメガネといった小物も幅広く展開している。
THOM BROWNEのコレクション











「トム ブラウン(THOM BROWNE)」2022年リゾートウィメンズコレクション
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トム・ブラウン
Thom Browne

1965年、米ペンシルバニア州生まれ。インディアナ州ノートルダム大学で経営学を学ぶ。競泳の選手として活躍後、ロサンゼルスで俳優として活動。ファッション業界にキャリアの場を移し、「クラブ モナコ(Club Monaco)」でデザイナーの研鑽を積む。2001年に自身の名を冠したブランドをスタート。06年、CFDA ファッション アワードでメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。08年には雑誌「GQ」のデザイナー・オブ・ザ・イヤー、ファッション業界のトレンド予測や市場調査を行う「WGSN(Worth Global Style Networks)」の最も影響力あるデザイナーにも選ばれた。「モンクレール(MONCLER)」のメンズライン「ガム・ブルー(GAMME BLEU)」、ブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)のコレクションライン「ブラック フリース(Black Fleece)」を手掛けていたことでも知られる(どちらも現在は終了)。2018年からゼニアグループと資本提携している。
目次
- CHARACTERISTIC ITEM -
ブランドを象徴するアイテムは、グレーのスーツ
「トム ブラウン(THOM BROWNE)」を代表するアイテムは、ブランドの原点でもあるクラシックなグレースーツ。肩パットなどの芯地をなるべく排した、縦長シルエットが特徴のアメリカントラッドなスタイル。レッドとブルーとホワイトのトリコロール色のタグやグログランテープ、クロップド丈のパンツもブランドを象徴するディテールの一つ。

- ICON -
デザイナーの愛犬もコレクションに登場
バッグやアクセサリーのモチーフでたびたび登場するのが、愛犬であるミニチュア・ダックスフントの"ヘクター"。トム・ブラウンは、ドッグウェアのラインを「ヘクター ブラウン(Hector Browne)」と名づけるほどの愛犬家として知られている。

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」2022年リゾートウィメンズコレクション
- MOOD -
男女の垣根をなくし、自由に行き来する"ジェンダーフルイド"なコレクションが特徴
コレクションラインでは、テーラリングをベースにしつつアヴァンギャルドな要素を色濃く反映している。シルエットを大胆にデフォルメしたり、相反する要素をミックスしたりと、実験的な要素が強いコレクションをたびたび発表。特にウィメンズとメンズを合同で発表するようになってからは、性差の垣根を超えたアプローチが加速。メンズウェアとウィメンズウェアを融合した新たなスタイルを、皮肉やユーモアを交えながら打ち出している。2018年春夏パリ・メンズ・コレクションでは、男性モデルの全員がハイヒールを履いて登場し、スカートスタイルも話題となった。

「トム・ブラウン(THOM BROWNE)」2018年メンズ春夏コレクション THOM BROWNE
- SHOP -
フルラインナップ店舗の青山旗艦店に加え、世界初のチョコレートストアが大阪に
国内では、直営店と百貨店を含め13店舗を展開(2022年2月現在)。ブランドの世界観を堪能できるのは、青山旗艦店。阪急うめだ本店には、世界初のチョコレートストア「トム ブラウン チルドレンズウェア&チョコレート(THOM BROWNE CHILDRENSWEAR & CHOCOLATE)」がオープン。ニューヨークの老舗チョコレートブランド「ルイス・シェリーニューヨーク(Louis Sherry NY)」とコラボレーションしたフレーバーチョコレートをオリジナルパッケージで展開しているほか、子供服も揃えている。





- COLLECTION -
2021-22年秋冬コレクションの特徴
2010年バンクーバーオリンピック金メダリストのアルペンスキー元プロ選手、リンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)を起用したショートフィルムからコレクションはスタート。これまで数々のスポーツを題材にしてきたトム・ブラウンが今季、着目したのはスキーだった。ベースは、イブニングドレスやタキシードといったフォーマルウェア。そこにパファー素材のドレスをドッキングさせ、エレガンスとスポーティーを融合。モデルは顔を黒く覆われ、ジェンダーレスなムードも漂う。シルエットを大胆に誇張させながら、ドローコードなどスキーウェア由来のスポーティーなディテールをアクセントにプラス。ウエストはコルセットでタイトに絞り、肩周りやボトムはたっぷりボリュームをもたせたプリーツを幾重にもあしらうなど、フェティッシュな雰囲気を織り込みながらシルエットにコントラストを効かせた。











THOM BROWNE 2021AWコレクション
主要年表
【2022年】
渋谷でデジタルインスタレーション発表。
【2021年】
子供服コレクション第二弾 ヴィジュアルにアラン・キムを起用。
阪急うめだ本店のチョコレートストアがリニューアル。
初の子供服コレクション。
【2020年】
サムスン×トム ブラウン新作。
フレグランスコレクションが初上陸。
サムスンの折りたたみスマホで限定コレクション。
マイアミ発「アンノウン」とコラボレーション。
【2019年】
完全予約制オーダースーツ受注会を丸の内で開催。
世界初のチョコレートストアが本格始動。
名古屋三越栄店に東海初のウィメンズ&メンズの複合店。
伊勢丹新宿店に関東初のウィメンズ専門店。
【2018年】
エルメネジルド ゼニア グループが株式85%取得。
FCバルセロナとパートナーシップ締結。
【2017年】
トム・ブラウンがデザインを手がけた「モンレール ガム・ブルー」が終了。
仏コレット2階をジャック、女性向けオーダーサービスを初展開。
テニスウェアの限定コレクション。
【2016年】
定番のニットカーディガンをドッグウェアに。
新CEOに前アレキサンダー・ワン社長のロドリゴ・バザン。
ストライプインターナショナルが米国投資ファンドと提携、トム ブラウン ジャパン設立。
【2015年】
ブルックス ブラザーズがトム・ブラウン手がける「ブラック フリース」を販売休止。
【2014年】
クラシックに立ち返った新スーツライン。
CFDA功労賞を受賞。
【2013年】
CFDAメンズ受賞。
世界2店舗目の旗艦店オープン。
【2012年】
トム・ブラウンがナショナル・デザイン・アワードを受賞。
国内向けの公式ECサイトをオープン。
【2010年】
初のショップが阪急メンズに期間限定オープン。
【2009年】
クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)が株式取得。
【2001年】
トム・ブラウンが自身の名を冠したブランドをスタート。