アメリカ・カリフォルニア出身のリック・オウエンス（Rick Owens）が立ち上げたブランド。ミニマリズムや建築、グラフィックアートを彷彿とさせる独自の美学を落とし込んだ、アヴァンギャルドなコレクションを提案している。洗練されたエレガンスとグランジなどのアンダーグラウンドの2面性を持つ、しなやかで力強いデザインが特徴。顧客はマドンナやケイト・モス、コートニー・ラブといった海外セレブも多く、全身「リック・オウエンス」でコーディネートする熱狂的なファンも抱える。ジャージー素材のアイテムで構成された「リック・オウエンス・リリーズ（RICK OWENS LILIES）」や家具のライン、デニムを中心とする低価格帯のディフュージョンライン「リック・オウエンス・ダークシャドウ（RICK OWENS DRKSHDW)」も手掛けている。

- CHARACTERISTIC ITEM -

「リック・オウエンス」を代表するアイテムは、レザージャケット

　タイトなライダースジャケットなどレザーアイテムに定評がある。軽いソフトレザーを使用した、体に沿うフィットで着心地の良いデザインが魅力。「リック・オウエンス」が得意とするヴィンテージ調の加工を施した独特の風合いのブラックが定番。

- COLLABORATION -

アディダスをはじめ、人気ブランドとの協業スニーカーが人気

　「アディダス（adidas）」とのコラボレーションライン「アディダス バイ リック・オウエンス（adidas by Rick Owens)」を2013年に始動。ブランドのコレクションに通じる、モノトーンベースのコンセプチュアルなフットウェアが人気。ちなみにアディダス以外でも、「コンバース（CONVERSE)」や「ドクターマーチン（ Dr.Martens)」「ヴェジャ（VEJA)」「ビルケンシュトック（BIRKENSTOCK)」など、数々のシューズブランドと協業している。

- SHOP -

「リック・オウエンス」の世界観を堪能できるのは、青山旗艦店

　パリのパレ・ロワイヤル、ニューヨーク、ロンドンに続く世界4店舗目の路面店として2009年8月、東京・青山に旗艦店舗をオープン。2014年にリニューアルした。グレーを基調とした店内には、デザイナーのリック・オウエンスを模した蝋人形が設置されている。このほか、伊勢丹新宿店とドーバー・ストリート・マーケット・ギンザで取り扱っている。

- COLLECTION -

最新の2022年春夏コレクションの特徴

　「FOGACHINE」をテーマに、霧のようにうつろう軽やかな動きのあるフォルムを提案。シアー素材をマントやドレスなどでたっぷり使い、印象的に揺れを表現した。とはいえ霧本来の曖昧さはなく、レザーの力強い質感をベースにした「リック」らしい破壊的で挑発的なスタイルは健在。ゆるやかにたわむ独特のプロポーションに、足元はフェティッシュなムードを強める厚底でタイトなサイハイブーツやグラディエーターサンダル。パワーショルダーの構築的なジャケットの中には、シアーなマキシドレス。フォルムやテクスチャーを自在に織りまぜ、絶妙なバランスで柔剛を同居させた。

2022年春夏ウィメンズコレクション

Image by: OWENSCORP