「ニナ リッチ(NINA RICCI)」は1932年に、アトリエと試着サロンを併設したオートクチュールメゾンをパリで創設。デザインの特徴は、均整が取れたデザイン、カット、素材やリボン使いなどだ。創業当時より、香水を手掛け、名品「レールデュタン」は、メゾンの名を世間に知らしめるきっかけとなった。
NINA RICCIのコレクション
目次
ADVERTISING
ルシェミー・ボッター & リジー・ヘレブラー
Rushemy Botter & Lisi Herrebrugh
ルシェミー・ボッターはオランダ・キュラソー島生まれ、アムステルダム育ち。アーネムファッションスタジオを経て、ベルギーのアントワープ王立芸術学院(Antwerp Royal Academy of Fine Arts)で学ぶ。ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)とダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk Van SAENE)に師事する。
リジー・ヘレブラーは、オランダ・アムステルダム出身で、オランダとドミニカ共和国を行き来して育つ。アムステルダム・ファッション・インスティテュート(Amsterdam Fashion Institute)を卒業。
2人は、アントワープ王立芸術学院の卒業コレクションで、メンズウェアブランド「ボッター(Botter)」を立ち上げる。このコレクションは、ドリス・ヴァン・ノッテン・アワードやBVBA32 アン・ドゥムルメステール・アワード、第33回イエール国際フェスティバルにおけるグランプリなど、数々の賞を受賞した。
- BRAND CONCEPT -
特徴は、均整の取れたデザイン、カット、素材使い
「NINA RICCI 」2019-20秋冬コレクション
1883年、イタリア・トリノに生まれたマリア・ニエリ(Maria Nielli)は、夫の姓とニックネームを組み合わせ、ニナ・リッチ(Nina Ricci)を名乗る。1932年、フランス・パリ カプシーヌ通り20番地にアトリエと試着サロンを併設したオートクチュールメゾンを創設した。彼女が確立したデザイン、カット、均整、素材使いは、メゾンのスピリットとして、今もなおデザインなどに息づいている。
- CHARACTERISTIC ITEM -
「ニナリッチ」を世に知らしめた「香水」の存在
1941年、ニナ・リッチの一人息子ロベルト・リッチ(Roberto Ricci)がメゾンのフレグランス部門を設立する。1946年に初のフレグランス「クール ジョア(Coeur Joie)」を発売し、ルネ・ラリックが創業したガラスブランド「ラリック (Lalique)」がボトルデザインを手掛ける。1948年には名品「レールデュタン(l’Air du Temps)」を発表。愛と自由を象徴するクリスタルのハトを配したアイコニックなフレグランスによって、「ニナ リッチ」に世界中で知られるようになる。
その後、りんごモチーフの「フィルド イブ(Fille d'Eve)」や「カプリッチ(Capricci)」 「ファルーシュ(Farouche)」の3つのフレグランスを導入。日本では、2000年代初頭に「レベル ドゥ リッチ(Les Belles de Ricci)」が大流行した。ビジネス戦略としてフレグランスやコスメティックを始動するブランドがある中、「ニナ リッチ」はメゾン設立間もない頃より、ファッションとフレグランスの相互のインスピレーションが強いクリエイションを行っている。
- JAPANESE SHOP -
日本では「ニナ リッチ」の傘&財布も販売
日本では、傘の製造販売を行うオーロラ(AURORA)が、「ニナ リッチ」のライセンス傘を手掛ける。上品でエレガントな世界観をデザインに落とし込んだ傘が、百貨店などで販売されている。
また、バッグメーカーのマルショウ エンドウがライセンスで財布を展開。ベルトやリボンをアクセントにしたデザインと手に取りやすい価格帯で、ブランドの認知度アップに貢献している。
- SHOP -
「ニナ リッチ」を販売するのは、セレクトショップの「イザ」
日本で「ニナ リッチ」のファッションアイテムをバリエーション豊富に揃えるのは、セレクトショップの「イザ(IZA)」。現在(2021年11月時点)、「ニナ リッチ」の直営店はパリに3店舗を構えるのみとなっている。
- NEW COLLECTION -
2022年スプリングは、夫婦デュオのルーツ「海とダイビング」が着想源
「ニナ リッチ」の2022年SPRINGコレクションは、ルシェミー・ボッターとリジー・ヘレブラーのルーツを最も反映したクリエイションを打ち出した。夫のボッターはカリブ海にルーツを持ち、夫婦デュオは共にダイビングを愛する。
ダイビングカルチャーと海への賛美を、ウェットスーツから着想を得たトップスやユニークなカッティングのジャケット、スイムキャップのようなヘッドアクセサリーなどのデザインに落とし込んだ。キュラソー島でサンゴの保全にも取り組む夫婦デュオは、ロマンチックでエレガントな「ニナ リッチ」のイメージを進化させ、メゾンの持続可能な道への第一歩を提示した。
主要年表
【2021年】
新作フレグランス「ニナ ローズ ガーデン オーデトワレ(Nina Rose Garden)」を発売。
【2019年】
3月にルシェミー・ボッターとリジー・ヘレブラーによる初のランウェイショーをパリで開催。
【2018年】
ルシェミー・ボッターとリジー・ヘレブラーを新クリエイティブディレクターに起用。
【2017年】
2017年春夏シーズンに、「ニナ リッチ」の妹ブランド「ニナ・ニナ リッチ(NINA NINA RICCI)」がデビュー。
【2015年】
2015年秋冬から、ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がクリエイティブディレクターに就任。
【2014年】
「ラデュレ(LADURÉE)」とコラボしたフレグランス「ニナ リッチ ラ テンテーション ドゥ ニナ オーデトワレ」を発売。
【2012年】
フレグランス「マドモアゼル リッチー」を発売。
【2009年】
ピーター・コッピング(Peter Copping)がクリエイティブディレクターに就任。
【2007年】
2007年秋冬からオリヴィエ・ティスケンスがクリエイティブディレクターを務める。
【1998年】
スペイン・バルセロナの同族企業プーチ(PUIG)の傘下になる。
【1964年】
ジェラール・ピパール(Gérard Pipart)がジュール=フランソワ・クラエの後継者となる。
【1954年】
「ニナ リッチ」のアシスタントを務めていたジュール=フランソワ・クラエがデザイン部門を引き継ぐ。
【1948年】
名品フレグランス「レールデュタン」を発表し、「ニナ リッチ」が世界的に知られるきっかけとなる。
【1946年】
初のフレグランス「クール ジョア」を発表
【1941年】
ロベルト・リッチがフレグランス部門を設立。
【1932年】
オートクチュールメゾン「ニナ リッチ」が創設。
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