「カイダン エディションズ(KWAIDAN EDITIONS)」の由来は「怪談」。2017年に、フランス人デザイナーのレア・ディッキリー(Lea Dickely)とベトナム系アメリカ人デザイナーのフン・ラ(Hung La)が設立し、ロンドンを拠点にコレクションを制作する。2018年には、LVMHプライズのファイナリストに選出。
KWAIDAN EDITIONSのコレクション
レア・ディッキリー & フン・ラ
Lea Dickely & Hung La
レア・ディッキリーとフン・ラの2人は、アントワープ王立芸術アカデミーで出会い、2008年から2009年にかけて卒業。その後、レア・ディッキリーはプリントスペシャリストとして「リック・オウエンス(Rick Owens)」や「アレキサンダー マックイーン(Alexander McQueen)」、フン・ラはウィメンズデザイナーとしてニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)率いる「バレンシアガ(BALENCIAGA)」やフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)率いる「セリーヌ(CELINE)」でそれぞれ経験を積んだ。パリに4年滞在したのち、ロンドンを拠点に活動をスタート。2018年に、LVMHプライズのファイナリストに選出。2019年秋冬に、ブランド初のランウェイショーをパリで発表した。
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目次
- BRAND NAME -
ブランド名の由来は、小林正樹の映画「怪談」
ロンドンを拠点としながら、日本人にも聞き覚えのあるブランド名を配したカイダン エディションズ。そのルーツは、1965年に映画監督の小林正樹が発表した「Kwaidan(怪談)」にある。
4つの無関係なストーリーで構成された同作は、ギリシャ生まれの日本民俗学者、ラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn、小泉八雲の名でも知られる)が1904年に出版した"怪談話の民話集"をベースにしたもの。ブランド名には、様々な文化を参照し、珍しい素材を融合することで「この映画のように、不思議で超自然的なムードを呼び起こしたい」という願いが込められている。デザイナーの2人は「子どもの名前を決めるくらいの気持ちで、命名するまでに半年かかった」と、ブランド名への思い入れの深さを過去のインタビューで語っている。
- DETAIL -
強みは「意外性を楽しむ」ディテール
「カイダン エディションズ」を表現する形容詞は、「Unexpected(意外性があること)」「Integrity(誠実さ)」「Intriguing(好奇心をそそる)」――彼らのコレクションは、意外性を楽しむディテールが"らしさ"のひとつになっている。
例えば、ウエストをシェイプしたコートやテイラードスーツは、張りのある光沢素材、ネオンカラーを合わせるなど、どこか違和感やミスマッチ感のあるディテールが特徴。固定概念に縛られない自由な女性像をミックスマッチのアイテムやスタイリングで、エレガントに表現する。
- CHARACTERISTIC ITEM -
アイコンは、レトロなプリントアイテム
KWAIDAN EDITIONS 2021年秋冬コレクション
Image by: KWAIDAN EDITIONS
妻のレア・ディッキリーがリック・オウエンスやアレキサンダー マックイーンのプリントスペシャリストとして働いた経験があることから、カイダン エディションズのコレクションには初期の頃から、レトロなプリントがたびたび登場。女性の身体のラインを拾うタイトなシャツドレスやカットソーなどに施されている。
- BRAND CONCEPT -
着想源は、映画の「奥行きとレイヤリング」
過去のインタビューで、レア・ディッキリーが大好きな映画として語ったのは、ヴィム・ヴェンダース監督の「パリ、テキサス」と、スタンリー・キューブリック監督の全作品。さらにフン・ラは、アン・リー監督の「アイス・ストーム」と、コーエン兄弟の作品を挙げている。2人が映画に惹かれる理由は「その奥行きとレイヤリングにある」という。
- MAIN SHOP -
取り扱い店舗は「アディッション アデライデ」
カイダン エディションズを日本で取り扱うのは、セレクトショップの「アディッション アデライデ(ADDITION ADELAIDE)」や「グレイト(GR8)」など。ファッションECサイトの「エッセンス(SSENSE)」や「ファーフェッチ(FARFETCH)」などでも購入することができる。
- NEW COLLECTION -
2021年秋冬の最新コレクション
KWAIDAN EDITIONS 2021年秋冬コレクション
Image by: KWAIDAN EDITIONS
コロナ禍で家にいる機会が多かったというデザイナーの2人は今季、趣味=フェチの世界に没頭する生活を想像。ブランドのコアにある"フェティッシュ"な要素を取り入れたコレクションを制作した。このムードを助長するのは、光沢のあるラテックス素材を使ったペンシルスカートやタイトなトップス、トレンチコートなど。カジュアルなTシャツやテーラードスーツと合わせることで、カイダン エディションズ流の現代生活にも馴染む"フェティッシュ"の表現を試みた。
主要年表
【2019年】
2019年秋冬コレクションをブランド初となるショー形式発表。場所はパリ市内の地下駐車場。
「アディッション アデライデ(ADDITION ADELAIDE)」にポップアップストアをオープン。
「アンダム ファッション アワード(ANDAM fashion award)」2019年グランプリのファイナリスト4ブランドに選出。
2020年春夏のランウェイショーを、ブランド初となるパリファッションウィーク公式スケジュールで発表。
【2018年】
第5回「LVMHプライズ」のファイナリストに選出。
【2017年】
夫婦デュオのレア・ディッキリーとフン・ラが「カイダン エディションズ」をスタート。
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