デザイナーの長見佳祐が2010年に設立したファッションブランド「ハトラ(HATRA)」。ブランドコンセプトには「リミナル・ウェア」を掲げる。近年はホームウェアレーベル「トワイ ハトラ」やアイウェアレーベル「ハトラ オプティカル」なども手掛けている。
HATRAのコレクション
1987年広島県生まれ。フランスでクチュール技術を学び、2010年に「ハトラ(HATRA)」を設立。東京ブランドの中でいち早くファッションとテクノロジーの関係性に着目してきたユニセックスブランドとして知られており、近年は3Dクロスシミュレーションの応用を通し、新しい身体感覚の在り方を模索している。主な出展に「Future Beauty -日本ファッションの未来性-」「JAPANORAMA」「Making FASHION Sense」など。2018年度 JFLF AWARD受賞。2019年度 Tokyo新人ファッションデザイナー大賞選出。
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- BRAND CONCEPT -
コンセプトは「LIMINAL WEAR」
ハトラではデビュー時から「居心地の良い服」をキーワードに、柔らかな素材を用いて、パーカをはじめとする居心地の良い服作りを行ってきた。2021年秋冬シーズンからはブランドコンセプトを刷新し、分解人類学の領域で境界性という意味で用いられている"リミナリティ"に由来する「リミナル・ウェア(LIMINAL WEAR)」を提案している。同コンセプトはこれまで10年の活動を総括するものであり、今後の指標でもあるという。
また、近年はホームウェアレーベル「トワイ ハトラ(TWI HATRA)」やアイウェアレーベル「ハトラ オプティカル(HATRA Optical)」を立ち上げるなど、アイテムのカテゴリーを拡充している。
- CHARACTERISTIC ITEM -
「ハトラ」を代表するアイテムはスウェットパーカ
Y Parka LP
Image by: FASHIONSNAP.COM
ブランドを代表するアイテムは、吊編み裏毛のスウェットパーカ「Y Parka LP」。カジュアルウェアとして定着したパーカのイメージをリセットし、「裏毛本来のポテンシャルを引き出すことで、新たなベーシックを形作っている」のだという。吊編み裏毛の抱擁感や、芯を据えたフードのシルエット、立体的なステッチワーク、曲線による機能と仕様の一体化などが特徴。ファスナーはフードの上部まで閉じられる仕様となっている。
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- WHO TO WEAR -
こんな人に着て欲しい
ブランドコンセプトとしてリミナル・ウェア(境界的な服)を掲げていることから、ブランドは「何らかの境界上に暮らす人」に着て欲しいと語る。「親指1本でなんでも表明できてしまう現代に、すべてに白黒をつけることに戸惑ってしまったり、揺れ動く人間関係の中にいることが不安になったり、誰にでもあるそうした(境界的な)状況に寄り添うための服を作っています」。
- PERSON -
TOKIが6シーズンにわたってヴィジュアルを撮影
ブランドと関係が深い人物としてデザイナーの長見が挙げたのは、6シーズンにわたってコレクションのルック制作を担当しているフォトグラファーユニットのトキ(TOKI)。トキは東京を拠点に活動する男女2人のユニットで、幻想的かつ透明感のある作風が特徴。アートやファッションシーンでもファンが多く国内から高評価を受けている。
TOKIが撮影したルック
HATRA 2019-20AW
- COLLABORATION -
コラボレーションで印象深いのはSynflux
ファッションとテクノロジーの関係性に着目し、3DやAI(人工知能)などの技術を服作りに取り入れることでも知られているハトラ。ブランドは印象深かったコラボレーションとして、生地の廃棄ロスを削減するためのパターンメイキングシステム「アルゴリズミッククチュール(Algorithmic Couture)」を擁するシンフラックス(Synflux)の共同プロジェクト「AUBIK」を挙げる。プロジェクトでは機械学習を応用してデザインする新しい衣服を製作しており、第1弾ではパーカを開発した。
- MAIN SHOP -
主な取り扱い店舗
主な取扱店舗は、「ハウス@ミキリハッシン」「デルタ(DELTA)」「ステュディオス(STUDIOUS)」原宿店、「ウォール(WALL)」など。国内デザイナーズブランドのバイイングにも注力するセレクトショップを中心に展開している。また、伊勢丹新宿店メンズ館などでも取り扱われている。
主要年表
【2022年】
菊地成孔が主宰するバンド「ラディカルな意志のスタイルズ」の衣装を制作。
【2021年】
アイウェアレーベル「ハトラ オプティカル」を立ち上げ。
【2020年】
展覧会「Making FASHION Sense」でシンフラックスとの共同プロジェクト「AUBIK」によるパーカを公開。
ホームウェアレーベル「トワイ ハトラ」を始動。「居心地のいい服」というコンセプトから派生したホームウェアを展開している。
【2019年】
「JFLF AWARD 2018」のファイナリストに選出。
「2019年度 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」の最終審査に進出。
日本橋馬喰町のホテル「ディーディーディーホテル(DDD HOTEL)」のルームウェアのデザインを担当。
【2018年】
2018年春夏シーズンからウィメンズラインを始動。
VRを用いた発想支援ツール 「コモル(COMOLU)」のデザインを長見が担当。
【2016年】
長見とファッションデザイナー/アーティストのヌケメ(nukeme)によるブランド「オーケイ(Okay)」を始動。
【2015年】
山口壮大ディレクションによる企画展「雨護展」に参加。
【2014年】
パーカーを用いたこたつカバー「kotatsu parka」を制作し、"ネオこたつ"としてSNSで話題に。
【2010年】
長見が自身のブランド「ハトラ」を始動。
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