デンマーク発の「ガニー（Ganni）」は、カラフルなコレクションとサステナブルな背景、手に取りやすい価格帯で注目される北欧ブランドのひとつとして、人気を集めている。代表アイテムは、フェミニン&エレガントなドレスやカラフルなニット、ラバーソールのブーツなどだ。夫婦デュオのニコライ&ディッテ・レフストラップ（Nicolaj ＆ Ditte Reffstrup）がブランドを手掛ける。

ディッテ・レフストラップ

Ditte Reffstrup

クリエイティブディレクターのディッテ・レフストラップ（左）

「ガニ―」は2000年にカシミア製品を扱うブランドとしてデンマークで創業。2009年に、夫婦デュオのニコライ&ディッテ・レフストラップが買収し、ディッテがクリエイティブディレクターに就任する。
ディッテは高校業後、デンマークのファッションブランド「ブルーンズバザール（Bruuns Bazaar）」の研修生として、デザインや小売りなどを学ぶ。後に、コペンハーゲンにある数店舗のセレクトショップのバイヤーとして働いた後、「ガニ―」でのキャリアをスタートする。
夫のニコライは、コペンハーゲンビジネススクールで経営学と哲学を学び、IT系の大学で情報技術の修士号を取得。卒業後は、ITの技術職を歴任し、さまざまな企業の共同設立に携わる。2009年から「ガニ―」の最高経営責任者を務める。
2017年に、株式の51％をLVMHグループを株主とするLキャタルトン（L Catterton）に売却。2018年にCEOが、イタリアのバッグブランド「コクシネル（Coccinelle）」のアンドレ・バルドに交代した。

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- BRAND CONCEPT -

「サステナブル」は強調しない、フェミニンなデザインと持続可能な生産背景

GANNI 2022年春夏コレクション

Image by: GANNI

　遊び心のあるデザイン性、手に取りやすい価格帯で日本でも人気上昇中の北欧ブランド。なかでも、注目を集めるのが「ガニー」だ。フェミニンなディテールとポップな色味で構成されるバリエーション豊富なドレスなどが、徐々にインフルエンサーから火が付き、世界的な知名度上昇に貢献した。

　サステナビリティにも力を入れているが、公式サイトでは「NOT A SUSTAINABLE BRAND」を掲げている。ここには「持続可能な社会的責任は、私たちの道徳的義務である（当たり前のことなので、声を大にして謳うものではない）」という想いが込められている。2020年4月には、自社における最新のサステナビリティレポートを発表した。

- CHARACTERISTIC ITEM -

アイコンは、フェミニン&エレガントなドレス

　ガニーの人気アイテムは、フェミニン＆エレガントなバリエーション豊富なドレス。カットレースやパフスリーブ、シャーリング、花柄など女性らしいディテールのドレスに、スニーカーを合わせるアクティブなスタイルは、ドレスで自転車を漕ぐリアルな"コペンハーゲン ガール"を象徴しているという。

　サステナブルなデニムパンツにも力を入れている。生産工程で出る排水の90％をカットし、CO2を50％カットしたというデニムを打ち出しており、2021年2月には「リーバイス（Levi's®）」とのコラボコレクションも発売した。

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リーバイスがデンマーク発「ガニー」とコラボ、デニムドレスなど発売

FASHION

- TURNING POINT -

ブランドの転機は、影響力のあるインフルエンサーの着用

　ガニーは2009年のリブランディング当初から、SNSマーケティングに力を入れている。「ポップなデザインと、実はサステナブル」というユニークな背景から、ブランドは口コミで広がっていく。中でも転機となったのは、「ヘレナ・クリステンセン（Helena Christensen）が友人のケイト・ボスワース（Kate Bosworth）と共にガニーを着用した写真に#GanniGrilsのハッシュタグを付けて投稿した写真だった」とニコライ・レフストラップはBOF（ビジネス・オブ・ファッション）のインタビューで語っている。これをきっかけに、さらに卸先が広がった。

- MAIN SHOP -

豊富なラインナップを揃えるのは、伊勢丹新宿店

　ガニーの商品を揃えるのは、伊勢丹新宿店本館3階リ・スタイル。ベイクルーズ グループ（BAYCREW'S GROUP）やゾゾ（ZOZO）などのオンラインストアでも豊富なバリエーションで揃う。

- NEW COLLECTION -

2022年春夏の最新コレクション

GANNI 2022年春夏コレクション

Image by: GANNI

　コペンハーゲンのファッションウィークで発表された、ガニーの2022年春夏コレクションのテーマは「Higher Love」。新型コロナ禍で、人々がより自分自身のために服を楽しむようになったことから、好きなものを自由に組み合わせたようなミックススタイリングやアイテムを提案した。フィット感のあるシャツドレスやニット素材のジャケットなどのカジュアルなアイテムは、シャーリングやフィット＆フレアのシルエットなどでメリハリを付けることでエレガントに調整。ガニーでは今シーズンから、さらにサイズバリエーションを豊富に展開。ショーにも、さまざまなボディサイズのモデルが登場した。