テキスタイル会社出身のデザイナーの落合宏理が2007年に設立。型にはまらない東京らしさを表現している姿勢が評価され、2016年のLVMHプライズでは日本人初のファイナリストに選出。2016年の「第34回ファッション大賞」では大賞を受賞した。2020年秋冬シーズンからは新ライン「ライオット ファセッタズム(RIOT FACETASM)」をスタート。
FACETASMのコレクション
1977年東京都生まれ。1999年に文化服装学院を卒業。2007年に自身のブランド「ファセッタズム(FACETASM))」をスタート。2016年度「毎日ファッション大賞」で大賞を受賞。同年にはリオオリンピック・パラリンピック競技大会閉会式「フラッグ ハンドオーバーセレモニー」の衣装制作を手掛け、パリ・メンズ・ファッションウィークにてコレクション発表を続ける。「NIKE」「Coca-Cola」「LEVI'S」などのグローバルブランドとのコラボレーションを行うなど国内だけでなく国外でも活躍中。
ADVERTISING
目次
- BRAND NAME -
ブランド名はフランス語「facet」の造語
「ファセッタズム(FACETASM)」は、デザイナー落合宏理が2007年に設立したブランド。ブランド名のファセッタズムは、宝石の切り子面や物事の様々な面を意味するフランス語「facet」の造語で、「たった1つの物事も正面から見た事実だけが全てではなく、横や後ろから見ることでまるで違った事実になる」という意味が込められている。常に新しい顔を持ち、プライドを持って挑戦し続けながら、"ファッションは楽しい"と感じてもらえるものづくりを目指している。
ちぐはぐのようでいて均等の取れた巧みなミックス感覚で、型にはまらない東京らしさを表現している姿勢が評価され、「第3回 LVMH Young Fashion Designers Prize(LVMHプライズ)」では日本人初のファイナリストに選出。2016年の「第34回ファッション大賞」では大賞に選ばれた。
- HISTORY -
デザイナーの落合はテキスタイル会社出身
デザイナーの落合は国内のモードブランドのテキスタイルを中心に扱うテキスタイル会社に8年間勤務。「単に生地を売るだけではなく、デザイナーのコンセプトに対して一緒に服作りを考えるという仕事を通じ、様々な思いや意見を交換できたことが大きな学びだった」と当時を振り返る。
立ち上げから数年は「展示会に人が来なかったり、取引先が増えなかったりと"暗黒期"が続いていた」と回想するが、クリエイションだけは妥協しないという姿勢が様々な人を魅了することになる。ブランド初期の頃にスタイリストの北村道子にピックアップされたことや、吉井雄一によるショップ「ザ・コンテンポラリー・フィックス(THE CONTEMPORARY FIX)」で取り扱われたことが印象的な出来事だと説明。なかでも吉井がディレクションするファッションイベント「ヴァーサストーキョー」への参加が、ブランドとして飛躍するきっかけとなったのだという。
- CHARACTERISTIC ITEM -
「ファセッタズム」を代表するのはビッグシルエットのアイテム
ブランドを代表するのはビッグシルエットのアイテム。現在では主流となっているが、ブランドでは、デビュー時の2007年頃では珍しかったビッグシルエットやユニセックスのアイテムを積極的に提案してきた。
なかでも2019年春夏シーズンから継続的に打ち出している人気のジップシリーズは、背中から脇にかけてあしらわれたジッパーを開閉することでシルエットを変化させたり、インナーとのレイヤードファッションが楽しむことが可能。シーズンが異なっていていもサイズが同じであれば、別のアイテムをジップで組み合わせることもできる。ありそうでなかったデザインで、ファセッタズムらしさが詰まったシリーズとなっている。
- RECOMMEND SHOP -
オススメの店舗は本店「FACETASM aoyama」
ブランドが推奨する購入店舗は、2021年6月にオープンした本店「FACETASM aoyama」。「0 STORE」をコンセプトにデザインされており、沢山の光が交差する空間となっている。コレクションアイテムを購入できるほか、アート作品の展示も行われており、ブランドの世界観を体感できるストアとなっている。
- Convenience Wear -
コンビニエンス ウェアでファッションの新しい可能性を提案
ファミリーマートと落合がタッグを組んだブランド「コンビニエンス ウェア(Convenience Wear)」は2021年からスタート。ファミリーマートの40周年を記念したプロジェクトの一つとして始まったもので、緊急時の需要がメインだったコンビニエンスストアのウェアの常識を変えるためにコンセプトには「自分を愛そう。 いい素材、 いい技術、 いいデザイン。 」を掲げる。機能素材を使用したTシャツやボクサーパンツ、今治タオル、エコバッグなどを全国のファミリーマート約1万6600店で販売している。
- RIOT FACETASM -
落合の10代の記憶にインスパイアしたライオット ファセッタズム
2020年秋冬シーズンからスタートしたライン「ライオット ファセッタズム(RIOT FACETASM)」。同ラインでは「目まぐるしく変化する日々の喧騒の中でも、自分らしく軽快さを忘れずに、洋服を着ることを純粋に楽しんで欲しい」というメッセージが込められており、自由と軽やかさを象徴する羽根のモチーフをブランドアイコンとして取り入れた。落合が10代の頃に1980年代の東京で体感した衝撃や熱量からインスピレーションを得たアイテムを揃えている。
- COLLABORATION -
コラボレーションにも精力的
ファセッタズムでは様々なブランドとのコラボレーションアイテムを展開。これまでに「コンバース(CONVERSE)」や「ディッキーズ(Dickies)」「イーストパック(EASTPACK)」「キジマタカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)」「Gショック(G-SHOCK)」などとコラボを行ってきた。
デザイナーの落合は「どのコラボも印象に残っているが、『コカ・コーラ(Coca-Cola)』『ナイキ(NIKE)』『リーバイス®(Levi's®)』といったグローバルブランドとの協業は、世界の人々に商品が届けられたといった点で特に嬉しかったです」とコメントしている。
FACETASM × Coca-Cola Image by ©2019 The Coca-Cola Company. All rights reserved.
- NEW COLLECTION -
最新コレクション2022年春夏の特徴
2022年でブランド15周年を迎えるファセッタズム。2022年春夏シーズンは記念すべきその年の最初に出るコレクションであることから、よりファセッタズムらしい様々なカルチャーをミックスしたコレクションに仕上がっている。なかでもデザイナー自身のファッションの根幹となっているパンクの要素が強く出たシーズンとなっており、ボンテージスウェットパンツなどのアイテムが印象的だ。最新コレクションについて落合は「ファンの方がコレクションを見てくれた中で、特に心が動いたアイテムを手に取ってもらえたら」とコメントしている。
主要年表
【2021年】
ファミリーマートと共同開発したブランド「コンビニエンス ウェア(Convenience Wear)」を設立。インナーやソックスなどを全国約1万6700店舗で展開している。<インタビュー記事・レビュー記事>
青山に本店「FACETASM aoyama」をオープン。
アート活動の一環として初のNFT作品「FACETASM #001 - Drip Painting」を制作。約132万円で落札される。
【2020年】
「リーバイス®(Levi's®)」とコラボレーションしたカプセルコレクションを発表。
「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」とのコラボコレクションを発売。
2020年秋冬コレクションで新ライン「ライオット ファセッタズム(RIOT FACETASM)」を発表。
楽天による日本発のファッションブランドを支援するプロジェクト「バイアール(by R)」に抜擢され、東京で5年ぶりにショーを開催。
【2019年】
「コカ・コーラ(Coca-Cola)」とコラボレーションしたカプセルコレクションを発売。
「ナイキ(NIKE)」とのコラボモデルが登場。
【2018年】
「パム(P.A.M.)」と初のコラボ限定店「FACETASM + P.A.M. SHARE STORE」をオープン。
フランスの若手デザイナーを発掘する「アンダム ファッション アワード(ANDAM fashion award)」の2018年度グランドプライズのファイナリストに選出される。
香港で初のショーを開催。
【2017年】
ネクスグループの連結子会社であるバーサタイルと資本提携契約を締結。
「パム(P.A.M.)」とファセッタズムが、国内外の8アーティストが参加するコンセプチュアルブックを発売。
ザ・ウールマーク・カンパニーと2018-19年秋冬と2019年春夏コレクションの2シーズンにわたるパートナーシップ契約を締結。
【2016年】
デザイナーの落合がMASAH&今宿麻美夫妻とのブランド「FMAM」を立ち上げる。
直営店で初のアート展を開催。
ファッションコンテスト「第3回 LVMH Young Fashion Designers Prize(LVMHプライズ)」のファイナリストに、デザイナーの落合が日本人で初めてノミネートされる。
パリメンズコレクションにデビューし、2017年春夏コレクション「and the elephant」を発表。
リオ五輪競技大会閉会式の最後のパート「フラッグハンドオーバーセレモニー」で、落合が衣装のデザインを担当。
2016年度「毎日ファッション大賞」の大賞を受賞。
【2015年】
インスタグラムマガジンを開設。
ランウェイショーのバックステージ ドキュメントフォト集を発売。
「ディガウェル(DIGAWEL)」との合体企画をドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で開催。
ミラノで初の海外ランウェイショーを開催。
ブランド初の直営店を神宮エリアにオープン。
バレエと日本舞踊がコラボレートする舞台「出会い~信長~」の衣装デザインと制作を担当。
コンバースの名作「CONVERSE® WEAPON」とのコラボモデル「FACETASM × CONVERSE WEAPON」を発売。
【2014年】
表参道GYREに、ボックス型のポップアップストアを出店。
デザイナーの落合がファッションアワード 「TOKYO FASHION AWARD」の受賞者に選出。
【2013年】
「相対性理論」の新作アルバム「TOWN AGE」発売を記念して、コラボレーションアイテムを製作。
2013年度「毎日ファッション大賞」でデザイナーの落合が新人賞・資生堂奨励賞を獲得。
【2012年】
2012年春夏シーズンからランウェイデビュー。
【2011年】
東京・北青山のコンセプトショップ「ザ・コンテンポラリー・フィックス(THE CONTEMPORARY FIX)」でリミテッドショップをオープンし、ブランド初となるホームコレクションを受注販売。
【2007年】
デザイナー落合宏理が自身のブランド「ファセッタズム」を設立。
関連する記事
POST
ポスト(3)
STREET STYLE
スナップ(89)
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境