ファッションブランド「ボディソング(BODYSONG.)」は2012年にスタート。2017年に「TOKYO FASHION AWARD 2018」を受賞、2018年には「2019年度Tokyo新人デザイナーファッション大賞」プロ部門入賞を果たす。「IMPROVISATION」「HI-TECH」「CLASSIC」「WORLD」「HUMANBEING」をキーワードに掲げ、コレクションを展開している。
BODYSONG.のコレクション
デザイナー
デザイン事務所に入社後、独立。2012年より「ボディソング(BODYSONG.)」をスタートさせる。服だけでなくアートやデザインのプロジェクトにも参加。
ADVERTISING
- BRAND CONCEPT -
ブランドコンセプトは「インプロヴァイゼーション(即興性)」
ブランド当初から「インプロヴァイゼーション(即興性)」をコンセプトに掲げ、ミュージシャンへの衣装提供や様々なアーティストとのコラボレーションワークの発表、またアートプロジェクトへ参加するなど、独特の立ち位置を築いているボディソング(BODYSONG.)。SNSの盛り上がりと比例するように、デザイナー自身がアイコニックな存在として表にでるケースが増えてきた中、顔出しNG、名前非公開を貫いている稀有なブランドのひとつだ。
「即興性」というキーワードの通り、様々な工場と連携を取りながら、毎シーズン約100着にも及ぶサンプルをほぼ1人で管理しながら製作を進めている。「立ち上げ当初は即興的に一点物のアイテムを作っていたが、現在は型がある中で古着を使ったりランダムにパーツを付けるといった"即興"になりうる要素を入れながら服を作っている」とデザイナーは話す。
- technique -
ボディソングが得意とする手法は、ヴィンテージ素材や古着の再構築
ヴィンテージ素材や古着を分解し新たなプロダクトへと再構築する手法は、立ち上げ当初から続けているブランドを代表する手法のひとつ。デザイナーは「同じ形の古着だったとしても、再構築した際の仕上がりに多少の個体差が出てくることが面白い」と話す。ブランドを立ち上げた当初に一点物を製作していた時の精神性が、この手法を通して今の服作りにも反映されている。
また、「余ってしまっているものはなるべく使っていきたい」という想いから、工場で残っている糸のみで仕上げたニットや、端切れをデザインに取り入れたアイテムも展開している。普段使わないものに焦点を当てた服作りが、ボディソングの魅力に繋がっている。
- SIZE -
ボディソングを象徴するディテール、パターン
ボディソングのアイテムの多くは、XXXXLサイズに匹敵するビッグシルエットで作られている。このサイズ感に至った背景には、「性別、年齢、体型を問わず着られる服を作りたい」という想いがあるという。通常細かくサイズが分かれているパンツアイテムも、ボディソングではユニセックスでフリーサイズ展開のものも多い。サイズの大きなウエストをベルトで締めるスタイリングからも、着用する側への自由度を感じ取ることができる。
- COLLABORATION -
印象深いコラボレーションは、ショーでの生演奏
ボディソングは、これまでに2度ランウェイショーを発表しており、それぞれバンドの生演奏による演出が話題となった。初のランウェイショーとなった2018年秋冬コレクションでは、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音が率いる「ichikoro」がライブパフォーマンスを披露。また2020年春夏コレクションでは、「ずっと真夜中でいいのに。」による生演奏をバックにショーが開催された。
この演出は、ブランドのスタイリングを長年手掛けている市野沢祐大、小山田孝司が軸となり企画されたという。良き理解者でもある2人がブランドの意図を汲み取り、生演奏を通して"即興性"を見事に表現したショーとなった。
- HISTORY -
2つの受賞がブランドの重要歴史
ボディソングは2017年に「TOKYO FASHION AWARD 2018」を受賞し、その翌年には「2019年度Tokyo新人デザイナーファッション大賞」プロ部門入賞を果たしている。この2つの賞を受賞したことで、パリで開催される展示会の参加や、ファッションショー開催の機会を得ることができた。デザイナーも「ブランドの認知が一気に拡がった」と振り返る。
特にパリでの展示会を経験したことは、ブランドの方向性を見つめ直すきっかけになったという。以前はスカートやウィメンズサイズのトップスなども展開していたが、展示会での反応を元に、すべてユニセックスアイテムへと舵を切った。大きな決断ではあったが、これまでと変わらず女性ファンも多く、以前に増してブランドの打ち出すスタイルが明確になったという。
主要年表
【2022年】
2022年秋冬コレクションで、アーティストのKOUSUKE SHIMIZUにオリジナルジャカードの柄を依頼。ポップな一面とダークな一面が共存する総柄を“悪夢”と捉えた。
【2021年】
2021年秋冬コレクションを発表。
【2020年】
パブリックドメインの美術作品をオリジナル作品に昇華するアーティスト「エートゥージー(A2Z™)」の初個展で、コラボレーションアイテムを発売。
【2019年】
2019年度Tokyo新人デザイナーファッション大賞を受賞。また「ネクストエイジパルコ(NEXT AGE PARCO)」の支援を受け、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S」でランウィショーを開催。「ずっと真夜中でいいのに。」がショー会場でライブパフォーマンスを行なう他、デサントとのコラボレーションスニーカーも発表された。
【2018年】
「TOKYO FASHION AWARD 2018」の受賞したことから、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」にて初のランウェイショーを開催。「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音が率いるバンド「ichikoro」の生演奏が話題となった。
【2017年】
「TOKYO FASHION AWARD 2018」を受賞し、2018年秋冬コレクションでイタリアで行われたメンズ合同展示会「ピッティ イマージネ ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」へ出展。また、3シーズンに渡りパリ・メンズ期間中に現地で開催される合同展示会へ参加。
また、上海ファッションウィークで開催されている見本市「オンタイムショー」に参加し、アジア圏の販路を開拓していく。
【2013年】
グリッチアーティスト・ucnvとタッグを組み、文字化けのようなアクシデントを意図的に引き起こし製作されたジャカード織りのテキスタイルを使用したジャケットやパンツを発表。
【2012年】
「ボディソング」を立ち上げる。
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