「1017 アリクス 9SM(1017 ALYX 9SM)」は、カニエ・ウェスト(Kanye West)やレディー・ガガ(Lady Gaga)との協業で知られる、マシュー・ウィリアムズが2015年にスタートしたブランド。「ナイキ(NIKE)」や「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」などのビッグブランドともコラボレーションする。"モード色の強いストリートラグジュアリー"なテイストで、唯一無二の世界観を築き上げている。マシュー・ウィリアムズは、2021年春夏から「ジバンシィ(GIVENCHY)」のクリエイティブディレクターも手掛ける。
1017 ALYX 9SMのコレクション
マシュー・ウィリアムズ
Matthew M. Williams
マシュー・ウィリアムズは、1985年アメリカ・シカゴ生まれで、カリフォルニアで育つ。カニエ・ウェスト(Kanye West)やレディー・ガガ(Lady GAGA)のクリエイティブディレクターとして、スタイリングや衣装デザインを担当。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やヘロン・プレストン(Heron Preston)らと、DJ集団ビーン・トリル(Been Trill)を結成し、自身のブランドをスタートする前から、その名は知られている。2015年に、ウィメンズブランド「アリクス」(現「1017 アリクス 9SM」)を立ち上げる。2016年にLVMHプライズのファイナリストに選出。2017年にメンズコレクションを始動する。2018年に初のランウェイショーをパリで発表し、同年「ナイキ」とのトレーニングウェア「NIKE×MMW」をローンチ。2020年秋冬から「モンクレール ジーニアス」の協業クリエイターの一人として参加する。2021年春夏、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)の後任として、「ジバンシィ(GIVENCHY)」のクリエイティブディレクターに、34歳の若さで就任した。
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目次
- BRAND CONCEPT -
強みは、モード色の強い"ストリートラグジュアリー"
「1017 アリクス 9SM」のコレクションは、DJ集団ビーン・トリルの同志でもあった、ヴァージル・アブローやヘロン・プレストンと共に"ストリートラグジュアリー"と称されることが多い。しかし、そのクリエイションは、工学的でインダストリアルな雰囲気を持ち、ブランドの公式サイトでは、「職人技と技術、持続可能な製造に焦点を当てたブランド……」と紹介。"ストリートラグジュアリー"に定義されないコンセプトであることを打ち出している。
- CHARACTERISTIC ITEM -
アイコンアイテムは、通称"ガチャベルト"
ブランドの人気の火付け役となったのが、日本では通称"ガチャベルト"と呼ばれる工学的なバックルだ。ローラーコースターで用いられるシートベルトのようなモチーフをアクセサリーやバッグなどに採用。ブランドのアイコニックなディテールとして確立している。
- FEATURE -
デザインだけじゃない、品質管理のためにイタリア移住
「1017 ALYX 9SM」2021年春夏コレクション
Image by: 1017 ALYX 9SM
マシュー・ウィリアムズの実力は、音楽業界の世界的なスターからの信頼や、着実にカテゴリーを増やすコレクション、さらに名立たるビッグブランドとのコラボレーションで実証されている。「1017 アリクス 9SM」のコレクションは、そのデザイン性が注目されがちだが「生産工程の前段階にもこだわる」ために、工場スタッフやビジネスパートナーが暮らすイタリア・ミラノに移住。サプライヤーとの意思疎通にも重きを置き、コレクションの概念から職人たちと共有することで、自身のイメージに近いプロダクトを生産している。デザイン性と品質を兼ね備えた"強い"クリエイションが支持されている。
- PERSON -
ブランドと関係が深いのは、キム・ジョーンズ
マシュー・ウィリアムズは、「アリクス」を始動する以前から、ファッションやエンターテイメント業界では知られる存在だ。旧友の一人であるキム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛けた2019年春夏「ディオール(DIOR)」のメンズコレクションでは、キャップやバッグのバックルデザインを担当したことが大きな話題となる。日本のブランドでは、「ブラックミーンズ(BLACKMEANS)」などとも協業している。
- MAIN SHOP -
日本での主な取扱店は、伊勢丹新宿店
日本での主な取扱店は、伊勢丹新宿メンズ館。その他、海外ファッションEC「ファーフェッチ(FARFETCH)」「ユークス(YOOX)」「エッセンス(SSENSE)」などでも取り扱う。
- NEW COLLECTION -
最新コレクションの2021年秋冬の特徴
ルックブックで発表した2021年秋冬コレクションは、巨大なテディコートやボディコンシャスなドレスなどのブランドコードを新たな素材やシルエットでアップデート。アリクス流のコンフォートウェアを提案した。スーツやチェスターコートなど、2021年春夏から強化しているテーラードのアイテムも豊富だ。得意の"バックル"ディテールは、バックパックのベルトなどに落とし込んだ。
主要年表
【2020年】
「バング&オルフセン(Bang & Olufsen)」とコラボレーションしたワイヤレスイヤホン「BEOPLAY E8 MOTION 1017 ALYX 9SM EDITION BLACK」を発売。
「モンクレール ジーニアス」の協業クリエイターの一人として参加。
21年春夏から、マシュー・ウィリアムズとして「ジバンシィ」のクリエイティブディレクターに就任。
【2018年】
ブランド名を「1017 アリクス 9SM」に変更。読み方は「アリクス」のままで、変更の理由を「ブランドの価値を高めて、アイデンティティーを確立するため」としている。
【2017年】
メンズコレクションを始動。
「ナイキ」とのトレーニングウェア「NIKE×MMW」をローンチ。
【2016年】
「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のファイナリストに選出。
【2015年】
ウィメンズブランド「アリクス」をスタート。ブランド名は娘の名前に由来。
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