アイブロウリスト YUKI
Image by: FASHIONSNAP
「垢抜けメイク」や「マスクメイク」の仕上がりを大きく左右する「まゆげ」。しかし、左右非対称や濃さ、長さのばらつきなど、ひとりずつ異なるため、どうやって整えたらいいのかわからない人も多いパーツ...。そんな中、骨格やバランスから似合うまゆげを提案してくれる「まゆげサロン」に注目が集まっています。とはいえ、「なりたい雰囲気と違う形になったらどうしよう...」など初めては何かと不安が伴うもの。そこで、アイブロウサロン「リグナル(Lignal.)」で年間3000人以上の施術を行うアイブロウリストのYUKIさんに、まゆげサロンに行く際に気を付けること、プロ視点でおすすめのアイブロウアイテムを教えてもらいました!そして、SNSでのまゆげメイクに関する発信が人気のYUKIさん自身のこれまでと、これからについても話を聞きました。
気になるアイブロウサロン!行く際の注意点、準備することは?
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ー最近周りでもサロンでまゆげを整える人が増えてきて、気になっているのですが、どんな人におすすめなんでしょうか。
サロンのお客さまの来店理由で一番多いのは、「似合うまゆげの形が分からない」というもの。雑誌やSNSでどういう顔立ちの人にはこんなまゆげが似合いますよ、という特集が組まれたり、情報はたくさんあるものの、自分で判断できないという方が多いです。大まかに「垢抜けしたいです」というリクエストがある方や、こういう雰囲気のまゆげになりたいと希望がある方にもおすすめです。まゆげは形や濃さ、生え方だけではなく、筋肉のつき方でも左右差が出るので、理想の形だけまねしてセルフメイクしてみたら「なんか違う」と感じることが多いんです。そういう時に、理想に寄せるにはどうしたらいいか、相談するという使い方もありますよ。
ー初めてまゆげサロンに行く際は緊張すると思います。実際のサロンでの流れを教えてださい。
サロンごとに違いがあるとは思いますが、今のまゆげの状態をみながらどんな雰囲気にしていくのかカウンセリングし、形を整える上でいらないまゆげをワックスや毛抜きで除去、ベースを整えたらペンシルやパウダーなどでメイクするのが大まかな流れです。日々のメイクがしやすいようにベースの形を整えるとともに、実際にどうやってまゆげのメイクをしたらいいのかお伝えしていきます。
実際のお客さまも、初めての方は緊張されている方が多いです。だからこそ、私はカウンセリングを一番丁寧にしています。
ーカウンセリングではどんなことを話しますか?
まゆげの状態やなりたい印象によって千差万別ですが、大まかに2パターンかなと思います。
1.「とにかく垢抜けしたい」、「まゆげのメイクの方法がわからない」場合
まずは骨格や生え方の癖を見て似合う形をお伝えします。それからその人のファッションだったりどういう系統、雰囲気が好きなのか深堀りしていって、理論上の似合うとお客さま自身の好みをすり合わせて提案していきます。プロの視点で理論上は似合う形でも、まゆげ以外のメイクやファッションの系統によって少しずつフィットするデザインは違ってくるので、トータルでの好みを深掘りするのは満足していただくために妥協できないポイントです。
2.具体的に「平行眉にしたい」「シャープな雰囲気になりたい」など希望がある場合
理想の芸能人の写真を見せていただくことも多いです。その芸能人のほかの写真も見ることで、「この時のまゆげは好きだけど、こっちは好みじゃない」という風に好みの系統を絞っていきます。ただ、理想と理論的に似合うデザインが異なる場合も少なくないので、折衷案を探るようにします。単純に形をマネすることはできますが、そうすると毎日のメイクが大変だったりするんです。なので、ベースの形はこうして、メイクでこうしたら骨格から浮かずに寄せられますよってお伝えしますね。
ー理想の形や雰囲気など、何も決まってなくても大丈夫でしょうか...。
もちろん大丈夫です!サロンにいらっしゃる方々は皆さん、何かまゆげで嫌な思いをされたとか、コンプレックスを抱えていらっしゃる方もたくさんいて、「この自まゆげで、この形になりますか?」ってすごく恐る恐る相談してくださるんです。勇気を出してきてくれたからこそ、期待に答えたいって思います。
ー行く前に準備することはありますか?
サロンには普段通りの服装やメイクの雰囲気で行く方がいいですね。ヘアサロンと同様に、ファッションから普段のスタイルをくみ取ることで、しっくりくるまゆげのデザインに仕上げることができますから。とはいえ、イメージチェンジをしたい場合もありますよね。その場合は、似せたい人の顔写真や理想の雰囲気の画像を出来るだけたくさん用意していただければ、言葉で説明できなくても、完成形のイメージをすり合わせることができます。
そのほか基本的なこととしては、2週間〜1ヶ月くらいはまゆげを剃ったり抜いたりしないで来店していただいた方がいいですね。そうすると生え癖をしっかり見極められますし、余分な毛をワックスできれいに取ることができます。
ーサロンに通う間隔は?
大体1ヶ月くらいです。何回かサロンでベースのまゆげの形を整えると定着してくるので、徐々に間隔をあけて行ってもいいと思います。
最初に興味を持ったのはまつエク なぜアイブロウリストに?
ーここからはYUKIさん自身のお話を聞かせてください。そもそもどうしてアイブロウに特化したスタイリストになったんですか?
実は、キャリアの最初は美容師なんです。辞めた後に、まつげエクステ専門のサロンでまずはアルバイトとして入社して、仕事をしながら勉強をしました。性格的に細かい作業が好きだったこともあり、アイリストの仕事がすごく楽しくて。自分のスキルを高めようと思ってスクールを探していたんですが、最終的にご縁があってまつエクやアイブロウなど目元に特化したサロンで働かせていただくことになりました。
ーはじめはまつげの施術の方に興味があったんですね。どうしてアイブロウの方を極めるようになったんですか?
私が入社したのが2015年くらいで、当時は今よりもまゆげをサロンで整える考えが広まっていなかったので、まつげの施術がほとんどでしたし、自分もまつエクの技術を磨きたいと思っていました。でもインスタグラムで施術について色々と発信するうちに、アイブロウに関する投稿の方がバズって徐々に「アイブロウの人」っていうイメージが定着したんですよね。日々アイブロウの施術をしていると、皆さん悩みを抱えているんだなと実感したので、自分の技術で少しでもそういう悩みを減らしたいと思うようになりました。
ー印象に残っているお客さんはいますか?
ずっと覚えているんですが、施術後に鏡を見て泣き出してしまった方がいました。その方は子どもの時に、化粧品の訪問販売の美容部員の方から「この子のまゆげはキレイにならない」って言われてしまったそうで、コンプレックスだったそうです。施術を受ける前も緊張されていましたが、終わった後は本当に喜んでくれました。自分の技術でこんなに人を笑顔にできるんだと自信につながりましたし、アイブロウの道を極めようと思ったきっかけのひとつにもなりました。
ーカウンセリングや施術でこだわっているポイントはありますか?
カウンセリングの時に絶対1回は笑顔になっていただけるように、少しおどけたりして、和やかなムードになるようにしています。皆さん、少なからず今のまゆげに悩みがあって、仕上がりの不安も抱えています。緊張していたり、コンプレックスを抱えていると素直に相談するのってなかなか難しいですよね。要望を伝えきれないまま終わってしまって、結果的に仕上がりに満足できなかったら元も子もないので、時間がかかっても心を開いて、悩みや要望を話していただくようにしています。
独立し、自身のサロンとしてオープンした「リグナル」
ー少し“笑を取る”って感じでしょうか。リラックスした雰囲気を作っているんですね。
個人的な考えなのですが、ただ理論的に似合わせるだけであれば、サロンの存在意義ってないと思うんです。骨格やまゆげの生え方で理論的にはこの仕上がりが似合うっていうのはありますが、本人の好みやファッションも含めたトータルでの雰囲気がありますよね。まゆげは鏡で顔を見たらほぼ毎日目にするものだから、最大限本人が納得した仕上がりにしたい。だからこそ、カウンセリングの時間はとても大事にしています。
ー例えば、お客さんから骨格やバランス的に似合わない形を希望されることもありますよね?そういう時はどうするんでしょうか。
まずは一通り希望を聞きます。例えば「平行眉にしたい」という方がいらして、でも自まゆげをかんがみるとお手入れとかメイクが大変になってしまうことがあるんです。そういう時は、「(芸能人の)あの人みたいな感がいい」「こっちのメイクの雰囲気の方が好き」とか、画像を探しながら一緒に深堀りしてみると、実は柔らかい印象になりたいっていうのが目的だったと分かることがあります。それが分かれば必ずしも平行眉にしなくても、理想とする柔らかい印象のまゆげに近づけることができます。
もちろん、どうしてもこのまゆげの形になりたいと希望する方もいらっしゃいます。その場合は、理論上は似合わないとしても、施術で土台を作って、メイクで最終的に理想の形に近づけられますよって説明して、メイクも一緒にレクチャーします。
最近のアイブロウのトレンドは?
ーYUKIさんから見てアイブロウのデザインのトレンドは近年どう変化してきましたか?
前職の時代は、完全に太眉ブームでしたね。そこから平行眉のブームがきて、今は少しカーブする自然な形でしょうか。メイク単体のトレンドというよりは、流行りの人に左右される部分は大きいですね。今は韓国の俳優やアイドルの画像を持ってくる方が多いです。ただ、最近は美容業界で全体的に「似合わせ」や「垢抜け」が流行っていることもあり、特定のデザインにして欲しい人よりも「垢抜けたいです」という希望が一気に増えました。
ーコロナでアイブロウを含めた目元のメイクへの関心は急速に高まりましたが、サロンにもその影響はありましたか?
お客さまの関心はものすごく高まったと感じます。リグナルは個人経営で予約枠に限りがあるので来店客が急激に増えるということはないのですが、特にインスタグラムのフォロワーがコロナ禍で一気に増えたのと、DMでも頻繁に質問が来るようになりました。個別に答えるにはキリがないほどの数なので、要望が多いものに沿って整え方やアイブロウの方法を投稿している状態です。
ー客層の変化はいかがでしょうか。
リグナルだけでいうとそれほど大きな変化はありませんが、同業の方と話していると年齢層は広がって10代後半〜20代前半の方が増えたそうで、以前よりも男性を見かけることも多くなったようです。
オリジナルブランドの立ち上げと将来の夢
ー2月にオリジナルブランド「パミュレット(pamulet)」を立ち上げました。これはどんなブランドですか?
サロンでは仕上げに市販のアイテムを使うことも多く、既存製品でお気に入りもたくさんあるのですが、それでもお客さまのアイブロウに対する苦手意識を減らして、眉メイクの幅を広げて楽しんでもらいたいと考え作りました。
ブランド名は「パレット(pallet)」と「お守り(amulet)」を組み合わせた言葉で、パレットの上で色を作るように、なりたい自分になるためのお守りになれるようなアイテムを届けたいと思い名付けたものです。
ーアイテム第1弾はアイブロウペンシル。どんなところにこだわったのでしょうか。
一番は細さと柔らかさにこだわりって試作を重ねました。細くしようと折れてしまうから硬くなってしまうんですが、そうすると描きにくくなるんですよね。日頃からSNSのフォロワーさんにアイブロウ製品の好きなポイントやどんなものが欲しいか質問しているのですが、描きやすいペンシルが欲しいという声は多かったんです。私自身のプロ視点と皆さんの意見を掛け合わせて、強い力を込めずにするすると狙ったところにまゆげを1本ずつ描きたしていくようなアイテムに仕上げることができました。
ー販売先は?
まずは公式オンラインサイトとリグナルで販売します。リグナルの店頭で購入された方には使い方を教えることが出来るのもポイントです。普段からお客さまの手持ちのアイテムを使った眉メイクをレクチャーしますが、力を入れすぎていることがとても多いんです。だからパミュレットの販売を通じて眉メイクの方法も一緒に広めていけたらと思っています。
※リグナルでの購入は店頭は顧客のみ、郵送の場合は新規も可能
ー今後はどんな商品を計画していますか?
作りたいものはたくさんあるのですが、こだわりが強いので納得できるものができるまでなかなか長い道のりになりそうです(笑)。私の基本的な考えとして、既存のブランドにも素晴らしいアイテムはたくさんあるので、パミュレットのアイテムを取り入れることで眉メイクの苦手意識をなくして、バリエーションを楽しんでもらえるようなものを作りたいと考えています。
ー独立やオリジナルブランドの立ち上げと順調に進んでいますが、今後の目標は?
大きな目標として、ひとりでも多くの方のまゆげの悩みを解消したいと思っています。具体的には出張サロンを全国各地で開催して、都内に来れない方にもアイブロウサロンを体験していただきたいです。去年1回開催して反響が良かったのと、普段からリグナルに地方からいらしてくださる方もいるので、需要はあるんじゃないかなと。それから、「ひとりでも多くの方に」と考えると私だけではマンパワーの限界があるので、教育にも力を入れたいです。今まではオンラインサロンのような形でセミナーを実施したのですが、これからはオフラインでも検討していきます。インスタグラムはお店に来れない人にも少しでも眉メイクを楽しんでもらいたいと始めたものですが、お手入れ方法やメイク方法の投稿は反響が高く、困っている方が多いなと実感するので、将来的に過去の投稿をもとに眉メイクの書籍も出したいですね。
■パミュレット:公式サイト
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