「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」2024年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Photo by Koji Hirano)
「過呼吸です」「ボクも戦う すぐ死ぬんだから」といったように、「ヨウジヤマモト プールオム(Yohji Yamamoto POUR HOMME)」に近年よくみられる服にあしらったメッセージは山本耀司なりの茶目っ気なのだろうが(山本自身の顔のプリントも)、それを成立させてしまうのはドレーピングを突き詰めた先に生まれた服の強度があるからこそ。2024年春夏コレクションにおいても不易流行を地でいくその様は、同氏自身のアティチュードが多分に反映されているのである。
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50周年を迎え、尚勢い増す
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同氏が、株式会社ワイズを設立したのは1972年。実は2022年に50周年という記念年を迎えていたのだが、強く打ち出すことがなかったため気づかなかった人も多いだろう。過去を振り返ることを嫌う同氏の性分もあるのか、アニバーサリーらしい動きとしては「ワイズ(Y's)」が50周年記念のカプセルコレクションを出したくらいだった。常に新しいものをという、モードの世界のセオリーに対し、ブランドは前を向き続けた。「日本発の世界的ブランド」を目指すヨウジヤマモトは、2022年に新プロジェクト「ワイルドサイド ヨウジヤマモト(WILDSIDE YOHJI YAMAMOTO)」を始動してコラボレーション企画を増やし、新ラインと位置づけ「ワイズ フォー メン(Y's for men)」を再ローンチするなど、半世紀を経ても尚勢いを増すばかりだ。
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モノトーンと赤、青で作るレイヤードスタイル
コレクション全体では、外周が丸みがかったバナナパンツのように見えるシルエットが軸としてあり、その中で膝丈のウールコートやシャツ、ベストなどを重ね、ノマドを連想させるスタイリングに仕上げている。コートやシャツの袖を結んだディテールは腰部分にボリュームを持たせ、パンツのシルエットを自然な流れのまま馴染ませるフォルムの作り方は流石の一言。代名詞でもあるモノトーンをベースに、差し色として赤、青を、切り替え線に挟み込んだフリルや安全ピンなどに用いてコントラストを強めている。
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また足裏や便器といったグラフィックは、シュルレアリスム的表現を連想させるが、「美」と「醜」という相反する概念の同居を意図してだろう。それはアウトローとして、社会への反抗として服作りを続けてきたヨウジヤマモトによる価値観の揺さぶりと受け取ることもできるように思う。
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足元はボロ加工
使い古したように加工が縁に施されたシューズは、今シーズンの注目アイテム。トゥ部分に穴がいたものなどが披露された。
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