Image by: YKK株式会社
学生を対象とした日本最大級のファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」の授賞式が、11月8日に開催されました。第23回となる今回の授賞式では、過去最多となった約1万点におよぶ応募の中から学生デザイナー2人がグランプリを受賞。入選作品30点によるファッションショーも行われました。「例年と比べて特にハイレベル」と審査員に言わしめた今年のアワード。果たしてグランプリは誰の手に?
YKKファスニングアワードとは?
YKKファスニングアワードは、才能ある若いクリエイターたちが世界に向けて「ジャパンオリジナル」を発信し、グローバルに活躍することを願って創設されたファスナーメーカー YKK主催のファッションコンテスト。ファスナーやカラビナ、バックルなどの「ファスニング商品」を対象に、「アパレル」「ファッショングッズ」の2部門に分けて審査が行われます。2001年に始まり23回目のアワードとなった今年は過去最多となる約1万点の応募が集まるなど、日本最大級の学生を対象としたファッションコンテストとして広く知られています。
今回のアワードには、審査員として「ソマルタ(SOMARTA)」デザイナーの廣川玉枝やアーティストの舘鼻則孝、アーバンリサーチ バイヤーズセレクト ブランドマネージャーの村手謙介など様々な分野のスペシャリスト計6人が参加。各審査員による授賞式後の作品講評は、参加者の士気を高める恒例企画となっています。
趣向を凝らした入選作品をファッションショー形式で発表
授賞式では、事前にノミネートされた入選作品30点をファッションショー形式で発表。イースターエッグから着想を得たデザインで、ファスナーを開けて中の詰め物を抜くことで見え方や用途を変えられるアウターや、ファスナーを開け閉めすることで月食を表現できるバッグなど、学生たちが趣向を凝らしファスニング商品の可能性を追求したアイテムが会場を盛り上げました。
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そのほか、第18回・19回のアワードでアパレル部門審査員特別賞、アパレル部門YKK特別賞をそれぞれ受賞した「ユウタセトガワ(YUTASETOGAWA)」デザイナーの瀬戸川裕太も登場。同アワードからプロへの道を踏み出した先輩としてゲストファッションショーを開催し、2024年春夏コレクションを披露しました。
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「学生とは思えない」審査員を唸らせたグランプリ受賞作品は?
アパレル部門のグランプリに輝いたのは、ファスナーのスライダーをアウターに固定して歩くたびに服が回転する仕掛けの、大阪文化服装学院 敷矢大輔が作り上げたウェア「回転する服」。ファッショングッズ部門では、文化服装学院 西野陽光が制作した、ファスナーを開くことで卵型のブロンズの中から新たなジュエリーが登場するリング「誕生」が受賞しました。審査員常連の舘鼻曰く、今回のアワードは例年と比べても非常にハイレベルだったそうで、特にグランプリの2作品は「学生とは思えない」と審査員たちを唸らせました。
大阪文化服装学院 敷矢大輔「回転する服」
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ーグランプリを受賞して、今の率直な気持ちを教えてください。
敷矢:シンプルに嬉しいです。作品制作にたくさんの時間と情熱を注いできて「グランプリを獲れる」という確信はあったのですが、思い通りになってほっとしています。去年こちらのアワードに挑戦して落選してしまったので、リベンジができて良かったです。
ー作品制作でこだわったポイントは?
敷矢:素材ですね。3年生になってから素材の勉強をし始めて、全国津々浦々を回って様々な生地を収集しているので、自分で集めた生地を使うというところにこだわりました。
ー大変だったところは?
敷矢:柄の部分は全て自分で縫っているのですが、パーツが何千個もあったのでものすごく時間がかかって大変でした。
ー今後の目標を教えてください。
敷矢:自分のファッションブランドを立ち上げて、続けていくというのが近い目標ですね。将来の夢は焼肉屋です(笑)。
文化服装学院 西野陽光「誕生」
Image by: YKK株式会社
ーグランプリを受賞して、今の率直な気持ちを教えてください。
西野:1年生の時から毎年このアワードには応募していましたが、落選し続けていたので、最後の年にこんな賞をいただけるとは...と信じられない気持ちが大きいです。
ー作品制作でこだわったポイントは?
西野:装飾部分のパーツを付け替えて色々なバリエーションで楽しめるようにしたところです。もともと1つのバリエーションで作っていたのですが、なんとなく物足りなさを感じたので欲張って方向転換しました。
ー大変だったところは?
西野:リングの装飾部分は銅で作っているのですが、金属とファスナーをマッチさせる部分が一番苦労しました。かなり悩んだ時期もありましたが、友人などに相談を重ねてなんとか完成させることができました。
ー今後の目標を教えてください。
西野:既にジュエリー関係の会社に就職が決まっているのですが、そこで修行を積んで、将来的には自分のブランドを持てたらいいなと思います。
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