今年のハロウィンは、映画を見ながらのホームパーティはいかが?ハロウィンらしいモチーフといえば、かぼちゃにおばけ、そして魔女。魔女のコスチュームに身を包んだことのある人も多いのでは。そこで今回はそんなハロウィンムードを盛り上げるホラーはもちろん、恋愛ものからコメディまで「魔女」にフォーカスした映画10選をご紹介します。
媚薬(1958)
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1958年、ジェームズ・ステュアート&キム・ノヴァク共演の作品。かの有名なアルフレッド・ヒッチコック監督の名作、『めまい』の主演コンビですね。なんだか不気味なサムネイルですが、内容は古典ロマンチックコメディなのでご心配なく。オーソドックスなストーリーラインで安心して楽しめます。舞台はニューヨーク。グリニッチ・ヴィレッジのアパートメントに住む美しい女性ギリアンは、実は魔女。ある日2階に出版業を営むシェップが引っ越してきたからというもの、次第に彼に恋心を抱くように。しかし、シェップはなんとギリアンの学生時代のライバル・マールとの婚約を控えているというのです。ある時、ギリアンは彼に恋の魔法をかけてしまい...。心惑わされそうなキム・ノヴァクのクールビューティさと、 実直さが魅力のジェームズ・ステュアートのクラシックな美貌にもうっとり。また、魔女といえば、相棒の猫がお約束。本作でもキュートなシャム猫・パイワケットが登場します。
奥さまは魔女(2005)
「...奥さまは魔女だったのです!」かの有名なナレーションは日本でも馴染みのある方も多いのでは。1960年代後半から放映され、爆発的な人気を誇った同名シットコムの映画化作品です。しかし、本作にはあるポイントが。それは、『奥様は魔女』のリメイクドラマに出演する男女の恋愛模様を描いており、劇中劇の構造をとっているところ。ウィル・フェレル&ニコール・キッドマン主演。『恋人たちの予感』『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』などのラブコメの名作を多数輩出し、2012年に惜しまれながらこの世を去った女性映画監督ノーラ・エフロンの作品はどれも都会的かつ軽妙なセリフ運びでセンスが光ります。
プラクティカル・マジック(1998)
サンドラ・ブロックとニコール・キッドマンの二大スター女優が魔女姉妹を演じるロマコメ。マサーチュセッツの海を望む屋敷に住むオーウェンズ家の姉妹、サリーとジリアン。彼女たちは魔法を使える代償か、愛した男性が次々と早逝してしまうのだった。夫を亡くし、シングルマザーとなっているサリーが恋に臆病になっている一方、奔放なジリアンは恋人とともに家を飛び出してしまい...。見かけも性格も対照的だけれど、強い絆で結ばれたサリーとジリアンの関係性に憧れてしまいます。恋愛要素ももちろんですが、なんといってもこの映画の持ち味はシスターフッド・ムービーでもある点。夜中にマルゲリータを乾杯しながら女子会トークが炸裂するシーンには憧れます。
マレフィセント(2014)
あの『眠れる森の美女』を、悪役・マレフィセントの視点で描いたら?誰もが知るおとぎ話のスピンオフ作品と言えますが、ストーリーラインはオリジナル版とは全く異なっているので、別物として楽しんでしまいましょう。マレフィセントというよりも、もはや演じるアンジェリーナ・ジョリーのペルソナを随所に踏襲したかのようなキャラクターとなっており、アンジーのノリにノった演技は見もの。『アナと雪の女王』でも描かれたように、従来の女性像へのアンチテーゼ的なメッセージが込められており、近年のディズニー映画らしい仕上がりです。透き通るような白い肌に、ドールフェイスのエル・ファニング演じるオーロラ姫のピュアな魅力はもちろん、大作映画らしい美麗なVFXで作り込まれたファンタジーな世界観をたっぷり味わえます。
ザ・クラフト (1996)
JK4人の青春ドロドロ黒魔術バトルが炸裂!今なおカルト的な人気を誇る「ザ・クラフト」。『パラノーマル・アクティビティ』から『ゲット・アウト』まで、数々のヒット作を手掛けてきたジェイソン・ブラムよるリブート版が、アメリカで今秋配信予定です。日本での配信はまだ未定だけれど、この機会に是非オリジナル版をチェックしてみて。L.A.に引っ越してきた主人公サラは、転校先のカトリック系プレップスクールで、“魔女三人組”と呼ばれる風変わりな女子たちに出会う。彼女たちは、皆それぞれ苦しい境遇から脱するため、黒魔術に傾倒していた。霊感の強いサラは4人と友情を育んでいくが、事態は思わぬ方向へ。90年代ゴスファッションも見どころのひとつ。主役のサラを演じるのは、「エンパイア・レコード」でのスキンヘッド姿が鮮烈だったロビン・タニー。4人組のうちひとり、ネーヴ・キャンベルは「スクリーム」でもおなじみ。
注目のリブート版のトレーラーはこちら。
ローズマリーの赤ちゃん(1968)
ポーランド出身の名匠、ロマン・ポランスキー監督のハリウッドデビュー作。オカルトホラーのオールタイム・ベストの一本です。凝ったSFXなどの仰々しい描写は無いものの、確かな演出力でぞっとするような恐怖を訴えかけてきます。 ニューヨーク・マンハッタンの古いアパートに引っ越してきたガイとローズマリーの若い夫婦。ローズマリーは子どもを身ごもるが、次々と起こる不審な出来事に、ローズマリーの精神は追い詰められていってしまう。果たしてローズマリーの疑念は事実なのか、妊娠ゆえのノイローゼなのか。衝撃のラストは必見です。おせっかいな隣の老婆を演じたルース・ゴードンは、本作でアカデミー助演女優賞を獲得したのも納得の不気味さ。なお、ミア・ファローのアイコニックなベリーショートヘアを手掛けたのは、あの伝説のヴィダル・サスーン!
サスペリア(1977)
「アンダーカバー(UNDERCOVER)」が2019-20年秋冬ウィメンズコレクションでフィーチャーするなどリブート版の記憶も新しい『サスペリア』。『君の名前で僕を呼んで』で、全世界を切なさで悶絶させたルカ・グァダニーノが手掛けて話題になりました。まだ鑑賞していないなら、こちらのオリジナル版も合わせて是非観比べてみては。バレリーナを目指し、アメリカからやってきたスージー。留学先のドイツのバレエ学校では、次々と奇妙な出来事が起こります。それは、実は魔女の仕業であることが明らかに。容赦のない殺人描写もありつつ、原色を多様した鮮烈な色彩感覚や画面構成など、今観ても色褪せないスタイリッシュさが魅力。ドイツのプログレバンド、ゴブリンの不気味なサウンドも、より一層雰囲気を盛り立てます。主演のジェシカ・ハーパーは、くりくりとした大きな瞳で、迫真の怯え演技を披露。イタリアン・ホラーといえばはずせない、ダリオ・アルジェント監督の古典的名作です。
ホーカスポーカス(1993)
1993年公開のこちらの映画。なんと25年以上経った2020年10月、再上映作品にも関わらずアメリカの週間興行収入ランキングで第2位にランクインするという偉業を成し遂げるほど、長い年月を超えて愛されるファミリー向けファンタジー・コメディです。舞台は魔女狩りの歴史で知られるマサチューセッツ州・セーラム。それはちょうどハロウィンの日。主人公の高校生・マックスは、ひょんなことから、子供の精気を吸い取る悪い魔女・サンダーソン姉妹を蘇らせてしまう。彼女たちは300年前に処刑されていた。魔法の秘薬のレシピが書かれた本を持って逃げるマックスたちを、魔女たちが追いかける。名エンターテイナー、ベット・ミドラー率いるド派手な魔女三姉妹が、歌って踊ってのドタバタ大騒ぎ!ちなみに、ベット・ミドラー演じる魔女の妹二人は、『バフィー』シリーズのサラ・ジェシカ・パーカー(何故か役名もサラ)と『天使にラブソングを…』のキャシー・ナジミー。
主演3人はリユニオンに向けて準備バッチリの模様。
イーストウィックの魔女たち(1987)
手に汗握る『マッドマックス』シリーズ三部作を撮り終えたばかりのジョージ・ミラーによる秀逸なファンタジー・コメディ。ニュー・イングランド州の小さな町イーストウィック。アレックス(シェール)、ジェーン(スーザン・サランドン)そしてスーキー(ミシェル・ファイファー)の3人は、全員バツイチで親友同士。妙齢の彼女たちは、いつも町に「いい男」がいないことを嘆いていた。ある日、ダリルと名乗るひとりの怪しい男が町にやってくる。3人はすっかり彼に魅了され、さながら一夫多妻のようなありさまに。次第に町ではそんな3人とダリルが噂になって...。豪華なキャストが見もので、特に名優ジャック・ニコルソンは本作でも怪演を披露。演じるデイルはお世辞にもハンサムとは言えないし、お下品な言動も目立って胡散臭さ満点。それでも魅力的なキャラクター造形に説得力があるのも、ニコルソンならでは。後半での変貌ぶりも必見です。最後、デイルに立ち向かう主人公たちの姿も含め、女性同士の連帯が明るく描かれており、元気をもらえる作品でもあります。
オズの魔法使(1939)
もはや説明不要。映画史に燦然と輝く名作中の名作。何回観返したか数知れず、その魅力を語り出すときりがないのですが...。やはり、テクニカラーが描きだす美しい画づくりでしょうか。カンザスの荒涼としたセピア色の風景から一転、色彩豊かなマンチキン人の国の光景が広がる様は、いつ観てもため息もの。まるで80年前の作品とは思えません。かかし、ブリキの木こり、ライオンの3人(ドロシーの飼い犬トトを合わせて+1匹)の仲間たちが繰り広げる楽しい掛け合いも出色です。眠りを誘う危険なケシ畑や西の悪い魔女との対峙、いよいよ終盤訪れるエメラルドの国など、心躍る冒険の数々もお見事。主演・ジュディ・ガーランドが歌う主題歌「虹の彼方に(Over the Rainbow)」のエヴァーグリーンなメロディと合わせて、傑作の魅力を再確認してみては。
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