本格的な夏を目前にすでに夏日を記録する日も増える中で、紫外線対策は必須だ。地球温暖化の影響から、紫外線の肌への影響は計り知れず、一方で適切に紫外線対策を行うことで、太陽から多くの恩恵を受けられると考えられている。国内化粧品大手3社は、UVケアを通して紫外線との“付き合い方”を伝える啓発活動を学生や子どもを対象に実施している。資生堂は日やけ止めブランド「アネッサ(ANESSA)」で、花王は日やけ止めブランド「ビオレUV(Biore UV)」で、そしてコーセーはスキンケアブランド「雪肌精」で展開。紫外線から肌を守る大切さや適切な日やけ止めの使用方法を普及し、子どもたちの成長をサポートしている。
世界保健機関(WHO)は「生涯に受ける紫外線量の半分は18歳までに浴びる」と発表。地面からの照り返しは大人より背の低い子どもの方が影響を受けやすく、紫外線は空気中を散乱して届くものも多いため、帽子や日陰で直射日光を避けるだけではケアが不十分とも考えられている。さらに、気象庁が発表している「紫外線量の経年変化」によると、観測開始した1990年から2020年までの間、10年で約4%ずつ紫外線量が増加していることが確認されている。紫外線によるリスクとしては、肌への影響だけでなく、免疫低下や皮膚がんのリスクが高まるなど“健康”にも悪影響を及ばす可能性がある。一方で太陽光に当たることで、骨や歯を作るビタミンDが産生されたり、生活リズムが整うという側面もあり、WHOは5~17歳の子どもおよび青少年に1日60分以上(週7時間以上)の運動を奨励している
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化粧品大手3社傘下のブランドは、単に日やけ止め製品を販売するのではなく、屋外でスポーツや遊びを通して体を動かすことの大切さ、その上で日やけ止めを用いた紫外線対策の重要性を発信するさまざまなプロジェクトを立ち上げた。
アネッサはサッカーキッズイベント
「太陽との共生」を掲げるアネッサは、太陽のもとでの活動を通じて、子どもたちの心と身体の健全な成長を支援する「アネッサ サンシャイン プロジェクト(ANESSA Sunshine Project)」を始動した。アジアの12の国と地域で展開するグローバルプロジェクトで、子ども向け体験イベントほか、紫外線教育活動、色素性乾皮症(XP)患者への支援という3つの活動を軸に展開する。日本では子ども向け体験イベントとして、日本サッカー協会(JFA)と共同で、「JFA | ANESSA キッズイベント for ANESSA Sunshine Project」を開催した。
JFA | ANESSA キッズイベント for ANESSA Sunshine Projectは、適切な紫外線対策のもと、外で体を動かす習慣形成を図ることを目的とし、小学校1~3年生の子どもたち90人が参加し、元サッカー日本代表の岩渕真奈氏と松井大輔氏をゲストに迎えた。当日は、太陽のもとで安全に遊ぶための親子紫外線対策プログラムと、外で心と身体を動かす楽しさを体感するJFAキッズプログラムを用意した。資生堂社員による日やけ止めの塗り方講座を実施。生後1か月の乳児から使える低刺激処方の「アネッサ パーフェクトUV マイルドミルク NA」を使用し、顔と身体に日やけ止めを正しく塗る方法を伝え、塗り残しがないようUVカメラを用いた確認も行った。そのほか、「太陽のひみつクイズ」や「アネッサ体操」で太陽と紫外線について理解を促進。さらに心と身体を全力で動かすJFAキッズプログラムを実施。太陽のもとで心と体を動かす楽しさを体感した。
ビオレUVは高校生テニスプロジェクト
アネッサが小学生、サッカーを対象とした一方で、花王が展開するビオレUVは、「太陽と輝く、高校生テニスプロジェクト」を開始した。“たいせつな肌を紫外線から守りながら、太陽のあたらしい楽しみ方をもっと広げ、笑顔にしたい”というビオレUVの思いに賛同した、公益財団法人日本テニス協会と日本化粧品検定協会と共同での取り組みだ。
テニスにフォーカスしたのは、テニスが子どもから高齢者まで競技年齢層が厚く人気の高い競技でありながら、主に屋外で競技することが多く競技時間も長いことから、暑さ・日やけ対策が必須であるという点。さらに高校生にターゲットを絞ったのは、部活動や体育の事業などで特に屋外にいる時間が長いということから。日本テニス協会が主催する各種大会やスクール、サンプリングなどのイベントを通じて、日やけ対策の啓発活動を実施する。
第1弾として、全国高等学校体育連盟テニス専門部に加盟の全国高校2780校のテニス部に所属する総勢7万4395人の部員に、「ビオレUV アクアリッチ ライトアップエッセンス」のサンプルを送付。紫外線対策の重要性や日やけ止めの適切な使い方を記載したリーフレットを同封した。また第2弾として、日本化粧品検定協会の監修による、日やけ対策の大切さをわかりやすくまとめた特設WEBサイト「UV検定ライト」を期間限定で公開。第1弾のリーフレットを学んだ後に検定を受けることで、日やけ対策のさらなる習慣化を目指している。
雪肌精は野球チームと共に
コーセーが手掛ける雪肌精は、ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手とグローバル広告契約を締結していることから、昨年から野球チームに所属する子どもたちを中心に日やけ止めの重要性を発信するプロジェクトを開始した。広告に起用された大谷選手は、「カリフォルニアは、だいたいいつも晴れていて紫外線も強烈です。なので、紫外線が肌や身体に与える影響を意識するようになりました。いいパフォーマンスをするためにも、ダメージを防ぐことはとても大切だと思っています。日やけ止めを幅広い世代へ広めていくコーセーの活動を、僕も応援しています」と発信し、子どもたちのみならず、幅広い人々に共感を呼んだ。また、子どもたちにスポーツシーンでの日やけ止めの重要性を啓発する活動「雪肌精 SUN BLOCKERS」を始動。全国の野外で活動するスポーツチームを対象にメンバーを募り、選抜したチームメンバーに日やけ止めを提供するなど、啓発活動を行なっている。
「雪肌精 SUN BLOCKERS」でを始動。選抜したチームメンバーには日やけ止め「雪肌精 スキンケアUV エッセンスジェル」と「雪肌精 クリアウェルネス UVマイルドミルク」のサンプルを提供した。今年もメンバーを募集(応募は終了)し一過性で終わらせず活動を継続している。
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