「サルバム」4年ぶりの東京ショー、「前を向くことの重要さを若い世代に伝えたい」
「sulvam」2021年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Look:Mika Inoue、Atmosphere:Ippei Saito)
「sulvam」2021年秋冬コレクション
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「サルバム」4年ぶりの東京ショー、「前を向くことの重要さを若い世代に伝えたい」
「sulvam」2021年秋冬コレクション
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「サルバム(sulvam)」が3月20日、2021-22年秋冬コレクションを渋谷ヒカリエで発表した。1月のパリ・メンズ・ファッション・ウィーク期間中に、デジタルで発表したコレクションのスタイリングを組みなおし、東京では4年ぶりとなるランウェイショーを行った。
デザイナーの藤田哲平が「新たな時代でも、下を向かずに歩いてほしい」という想いを込めたコレクションは、前秋冬に比べて鋭さや装飾的なディテールは控えめだ。
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「salvam」2021年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP.COM(Look:Mika Inoue、Atmosphere:Ippei Saito)
ヒップホップユニット「クリーピーナッツ(Creepy nuts)」のラップが流れる中、ファーストルックで登場したのは、ドレープをゆったりと取ったシャツにデニムスカート、エンジニアブーツを履いた女性と、デニムのセットアップを着た男性のペア。会場の演出とは相反して、コレクションにはカジュアルでリラックス感のあるムードが漂う。
軽やかさのある、秋冬の「黒」
「sulvam」2021年秋冬コレクション
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"重い"印象を持つ黒を基調にした秋冬のアイテムも、パターンや素材によって軽やかな印象に仕上げている。ウィメンズのコートやスカートは、円を描くポケットや裾のカッティングを施すことで、有機的なデザインに落とし込んだ。シグニチャーであるメンズスーツは、ジャケットの前裾にかけて長くなるデザインや、パネルのような裾のカッティングで動きを出した。どのアイテムも、モデルが歩くたびにさりげなく揺れて、グラフィカルなディテールがさらに際立つ。
デニムやレザー風の光沢をもったアイテムも、特にメンズでバリエーション豊富に登場。デニムとキルティングをドッキングしたアウターや、レザーを幾重にも貼り付けたようなジャケットなどは、手の込んだディテールがユニークだ。
「sulvam」2021年秋冬コレクション
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ウィメンズでは、ニットアイテムが多く登場した。ほどよく身体のシルエットを拾う膝丈のニットワンピースや、チェーンのような模様を編み目で表現したクルーネックのトップスなど、温かみのある素材をモチーフやシルエットで、スマートな印象に仕上げている。
今季のカラーパレットは、ブラックやホワイト、デニムを軸に、赤を差し色として提案。赤のオールインワンとメンズスーツの2体は、東京でのショーのために追加で製作したものだ。
東京でフィジカルなショーを行った唯一の理由
ショーの最後には、藤田が会場中央に登場し、東京でのショーを遂行した理由を、自らの言葉で丁寧に説明。特に「開催を決めた唯一の理由は、次の時代を担う学生や子どもたちに見て欲しかったため。こんな時代でも、前を向いて進むことの重要さを伝えたかった」と語った。(文責:村上杏理)
大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。WWDジャパンやFashion Newsの編集・記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、ファッションビル、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションを軸にライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。
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