ショップに足を運んでもらうための取り組みが厚みを増してきた。「Desigual(デシグアル)」は水着で来店すれば、店内商品を着て帰れる企画で来店を半裸パーティー化した。学割サービスで大学生を囲い込むキャンペーンも相次ぐ。試着を便利にしたり、スマートフォンをフックにするO2Oを導入したりと、先端的テクノロジーを生かす動きも広がり、ネット通販に流れる消費を引き戻そうとする取り組みが熱を帯びている。(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江)
スペイン発ブランド「Desigual」は6月21日、「デシグアル ストア 原宿」で「Seminaked Party」を開催した。半裸で来店すれば、好きなアイテム2点を無料でもらえるというイベント(先着100人)。土曜日の正午開始だというのに、前夜の金曜日の夜から参加者がショップ前に並び始めた。楽天的でカラフルなデザインが持ち味の同ブランドにふさわしいハッピー感の高い盛り上がりを見せた。
単に商品をプレゼントするのでは、ブランド側は割に合わないとも見えそうだが、世界各国の「Desigual」直営店でセール初日に開催されるので、各地で大きな話題となり、結果的にセールスタートの告知と集客につながるという仕組みだ。2商品がもらえる先着100人に漏れても、半額の割引チケットがもらえる。

来店を待ち構えるだけではなく、人が集まる場所に店を持ち出す試みを、「OLD NAVY(オールドネイビー)」が始めた。神奈川県の江ノ島片瀬西浜海岸に7月5日、海の家「オールドネイビー ビーチハウス パワードバイ オウカフェ湘南(OLD NAVY BEACH HOUSE powered by EAU CAFE Shonan)」を開いた。米国西海岸ムードを持つ同ブランドらしい青と白がベースの内装に彩り、ブランドイメージの浸透にも役立てている。
ネット通販での買い物に慣れた若い層をリアルショップに誘い出す学割キャンペーンも相次ぐ。H&M(ヘネス・アンド・ マウリッツ)傘下のファッションブランド「MONKI(モンキ)」は6月下旬から学割サービスを始めた。学生証明書を提示すれば、すべてのファッションアイテムとアクセサリーが1割引になる。ラフォーレ原宿は7月24〜28日の「LAFORET GRAND BAZAR」で、学生証を提示するとセール価格からさらに1割引になる学割を実施。開館前に並ぶとセール価格からさらに1割引とする「朝チケ」も用意した。
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