
Ref:6263
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ロレックス(ROLEX)の最人気モデル「デイトナ」。誕生以来、多くの時計愛好家を魅了してきたデイトナですが「資産性」にも注目を浴び、日を追うごとに二次流通価格が高騰するなど話題が尽きません。そんな人気モデルデイトナの第3世代から第6世代までのステンレスモデルを借りることができたので、編集部の2人がディテールから資産性まで語り合いました。第1回は、手巻き式最終世代で、最も人気な第3世代のRef:6263について。
【デイトナマラソン日記】ロレックスの正規店でデイトナは買えるのか?毎日通ってみました。
6263が歴代デイトナで最も人気のワケ

記者A:デイトナコレクターさんに第3世代から第6世代までのSS(ステンレススチール)デイトナを借りたので、個別と世代ごとに深掘りしていきたいと思います。まずは第3世代の「6263」。1970年から1988年の約18年間に製造されたとされるモデルです。
編集B:製造されたとされる、っていう表現がアレだね(笑)。
記者A:ロレックスは他の時計ブランドに比べて色々と解明されているんですが、イレギュラーなものや曖昧な部分も多いので(笑)。
編集B:ですよね(笑)。6263は、歴代のデイトナの中でも最も人気があると言われているよね。ポイントは、手巻き最終型、文字盤とベゼルのデザイン完成度、修理部品がギリギリ手に入る事が挙げられるかもね。
記者A:なるほど。では一つずつ見ていきましょう。まずは手巻き。この6263の後継機となる16520からは自動巻きになり、6263は手巻きデイトナの最終世代と位置づけられてます。正直、手巻きは少しめんどくさいイメージですが人気なんですか?
編集B:うーん、やっぱり時計の原点というべき仕様だから手巻きじゃないと嫌だって人もいるしね。あとは竜頭で巻いた時の音が好きっていう人も多いかな。各時計ブランドによって巻いている音と感触が違うのも特徴かも。
記者A:たしかに、自動巻のものと比べると巻き上げの音がはっきりとしていて、巻いているという感覚が伝わってきますね。
編集B:6263の音と感触も良いよね。デイト機能がないデイトナは、しばらく着けていなくても時間合わせが楽だし手巻きとの相性は良い気もする。

記者A:現行のロレックスはロレックスでいうパーペチュアル、つまり自動巻きがデフォルトのモデルしかないですよね?そう考えるとロレックスで手巻きというのはそもそもレアなんですかね。
編集B:いや、チェリーニなんかも手巻きだったよ。やっぱりシャツに収まることを考えるドレスウォッチは手巻きの薄さが必要だったんだろうね。でも1931年に全回転式ローター自動巻を初めて開発したロレックスとしては全モデルに自動巻きを搭載させるのは当然の流れなのかも。特にスポーツウォッチなら。
記者A:パーペチュアルとオイスター(ロレックスで言う防水ケース)は、そうなんでしょうね。
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ベゼルと風防はプラスチック
記者A:それでは、文字盤とベゼルですね。正直、カッコいいです。完成されているというか、現行のデイトナ116500LNが6263を参考にデザインされたという噂もありますが、納得な感じもしますね。
編集B:そういう噂あったね。特に白文字盤のほうは、インダイヤルとベゼルのコントラストでメリハリがついたからそういう話が出たんだよね。
記者A:計測してみたんですが、ベゼルの太さは0.3cmでした。第4世代以降は0.5cmでしたので、0.2cm細く作られています。タキメーターの数字は50から200まで。

編集B:かなり細めに作られているよね。これは3時位置にある「UNITS PER HOUR」の「S」が「Zが反転したようなS」なので反転Zベゼル。交換ベゼルになると普通のSになるんだよね。ぶっちゃけ細かすぎてパッと見はわからないよね。
記者A:かなり細かく見ないとですね。素材はプラスチックで、手巻き同様にプラスチックベゼルも6263以降使われていません。
編集B:耐久性はそこまで高くなくて、ベゼルは特に割れやすい。雰囲気は抜群なんだけど、割れやすいからコレクターの人達は予備のベゼルを持っている事が多いんだよね。
記者A:6263は風防もプラスチックですよね。

編集B:そうだね。当時は強度を上げるために厚みをもたせてドーム型にしているんだけど、このドームが文字盤の奥行きを強調してグッとヴィンテージ感を出すんだよね。5桁リファレンスをドーム風防に変えてアレンジする人も多いけど、14060(サブマリーナデイト機能なし)をドーム風防に変えたら5513のフチありと見分けつかない(笑)。
記者A:ですね。あと気になったんですが、6263はかなり軽いですよね。重さを計ってみると95gでした。
編集B:そんな軽いんだ。個人的にはブレスが軽いイメージ。初期は巻きブレスと呼ばれる金属板を巻いたもので、後期はハードブレスが使われいて。現行は堅牢性がかなり増したけど、このハードブレスは中空になっているからとっても軽いんだよね。

記者A:バックルは留め金がシンプルなシングルロックですね。これ以降のモデルではダブル、オイスタークラプスと変わっていきます。ここらへんも重量増の理由になりそうですね。
編集B:ケースとブレスを繋ぐ部分のフラッシュフィット。1999年頃くらいからフラッシュフィットとブレスが一体型になるんだけど、当時は分離型だったんだよね。裏側を見ればわかるんだけど6263のフラッシュフィットは「571」、ブレスは「78350」がオリジナルの仕様。ここでもモデルと部品の整合性を確認されることが多いよね。

記者A:なるほど。次に竜頭部分ですが、6263は竜頭ガードがないですね。
編集B:竜頭ガードがつくのは次の世代の16520からだからね。竜頭ガードがないからすっきりした印象だよね。
記者A:そうですね。あと、ストップウォッチのプッシャーは6263からスクリューロック式になっています。
編集B:クロノグラフを使う人ほとんどいないから、プッシャーは飾りって言われているよね(笑)。
記者A:デイトナマラソン日記のランナー2人も使わないと言っていましたが歴代共通なんですね。
編集B:普段生活してて、秒数を測りたいときってほとんどないからね。6263はプッシャーの円柱部分に溝がないのがオリジナル。これはグリップ部分のギザギザが深くて、円柱部分に溝がある「溝あり」で交換用部品だね。どちらもロレックスの正規部品だけど、オリジナルと交換用だと価値が全然違うんだよね。

記者A:パッと見では全然わからないですね(笑)。やっぱりオリジナルのほうが貴重なんですか?
編集B:全然違う。ただベゼルやブレス、竜頭やプッシャーとかって消耗品扱いになるからオーバーホールに出すと当然のように交換されちゃうんだよね。なので、そういうところがオリジナルだったりするとすごく価値が上がる。
記者A:使われなかった個体のほうが価値が高いっていうのもなんか複雑ですね(笑)。
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オーバーホールは危険?オリジナル部品が変えられちゃう
記者A:続いて文字盤へ。直径を計ってみると3cmで第4世代以降のモデルと大きさが変わりませんが、6263はベゼルが細いので少し大きめに見えますね。
編集B:まさにそこなんだよね。実はデイトナの文字盤ってほとんどサイズが変わらないのに、現行が全体的に大きく見えるのってベゼルの肥大化なんだよね。6263はベゼルが細いので文字盤が大きく見えるけど、ケース径のサイズは37ミリ。次のモデルの16520が40ミリだから小さいはずなんだけど不思議と小さく見えないんだよね。

記者A:この37ミリというのがポイントなんですね。写真で見ると全然小さそうに感じがないんですけど、実物見ると軽さと相まって気持ち小さめに感じます。でもそこまで小さいかっていうとそうでもなくて絶妙なバランスです。この凝縮感が人気の理由なんでしょうね。
編集B:こう持つと日本人はこのサイズがベストな気もするけどね。エク1も36ミリの頃のほうが日本人にフィットするって言われてるし。
記者A:このサイズは魅力ですよね。文字盤のインダイヤルは、右がストップウォッチの30分積算計、真ん中がストップウォッチの12時間積算計、左が通常の秒針で、インデックスは立体的なバーとなっています。
編集B:真ん中のインダイヤルの上の「DAYTONA」の文字が、インダイヤルの「12」の左右のバーをはみ出しているのが"ビッグデイトナ"といってオリジナル。当時ロレックスにオーバーホールを出すと"スモールデイトナ"と呼ばれる文字が左右のバー内に収まるものに変えられちゃうんだよね。もちろんオリジナルのビッグデイトナ文字盤のほうが人気もあって、二次流通価格も高い。

記者A:ちなみにビッグデイトナの文字盤だけでいくら位なんですか?
編集B:状態によるけど、120〜150万円くらいで取引されてる。
記者A:結構しますね。スモールデイトナ文字盤は?
編集B:50〜70万くらいかな。反転Zベゼルも100万円くらい。針一式で50万くらいで、プッシャーに至っては溝ナシ初期になると200万くらいする。
記者A:じゃあ、交換とか絶対したくないですよね。
編集B:当時は、「スモールデイトナの文字盤になります」とか言われなくてオーバーホールに出して返ってきた時計を見ると「なんかどこか変だなぁ」ってなっていたらしいよ(笑)。もともとのオリジナル文字盤も一緒に返却されたから、それを見比べて判明したみたい。今、二次流通に流れてるのは交換したときに「スモールでいいや」って思った人たちが売ったんだろうね。
記者A:真ん中のインダイヤルの下の3時の位置に「T SWISS T」とトリチウム夜光を表す「T」の文字が入っていますね。

編集B:諸説あるけど次の世代の16520のU品番あたりまではトリチウムが使われるんだよね。ラジウム→トリチウム→ルミノバ→クロマライトとロレックスの夜光は移っていくんだけど、危険性が問題になったラジウムから移行してトリチウムはかなり長い間使われていたんだよね。ちなみにルミノバは日本の会社の根本特殊化学株式会社が開発したってのは意外に知られてない事実。機能的には最新のほうがいいけどいわゆる"焼け"と呼ばれる経年変化はトリチウムまでとされてるね。
記者A:焼けに関しては、好みが分かれそうですね。トリチウムは全部が焼けるんですか?
編集B:焼けがあったほうがヴィンテージ感が増すからね。ちなみに全部が焼けるわけではない。焼けないトリチウムも多くて、こればっかりは個体差があるみたい。でも少し前はオールドニューっていって、ヴィンテージの個体をロレックスにオーバーホールしてもらった際に針や文字盤などを新しいものにするっていうのが流行ったんだよね。個体はヴィンテージだけど新品っぽいのも多いのはその時の個体っていう感じ。
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超えられない壁・・・300万円を超えると買い手が激減
記者A:細かく見るべきポイントがいっぱいありますね。
編集B:この次の第4世代の16520はもっと細かい変更があって、正直コレクターでもよくわからなくなることがあるらしい(笑)。
記者A:色々マイナーチェンジがありましたからね。ちなみに第3世代はプラスチックベゼルの6263とメタルベゼルの6265がありますが、6263のほうが市場評価は高いです。現在の6263は1,000万円〜1,300万円あたりで取引されていますが、これからもどんどん上がっていくんですかね?
編集B:うーん、上がることはあっても下がることはないような気もするよね。実際、5年前くらい前は「6263なんてタマ数がすごく多いから500万円くらいがテッペンだ」とか言われてたけど着実に値上がりしてるし。ここ数年でかなり上がった印象。

記者A:2017年10月にポール・ニューマン本人が所有していたステンレスベゼル「6239」のエキゾチックダイヤル(ポールニューマンダイヤルと呼ばれ、エキゾチックダイヤルの時計はポールニューマンモデルと親しまれている)が、当時の時計史上最高額の約20億円で落札されたことでもヴィンテージロレックスが再注目されましたし、どんどん状態の良いものが減っていきそうですね。
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編集B:ポールニューマンモデルはもう3,000万円とかになって、コレクターの中でも買えない時計になったよね。なので、6263に目を向ける人が多くなって高騰したイメージ。でも値段が上がれば上がるほど買える人はどんどん減っていくよね。ヴィンテージも含めてロレックスに出せる金額の壁がいくつかあると言われていて、まずは100万円。その次が300万円でほとんどの買い手はここが限界。
記者A:100万円だと、5桁サブとかですね。300万円だと現行デイトナ116500LNのプレ値ですね。
編集B:300万円の壁を超えると次が500万円、その次が800万円。ここらへんまで来ると買い手が激減してモノが全然動かないって言われてる。難しいのが500万円〜800万円で売られているものって、300万円で売られているモデルのコンディション最高&付属品完品パターンか1,000万円レンジのモデルで状態微妙&付属品なしパターンが多いんだよね。なので一番「自分はどんな物が欲しいのか」をわかってないととにかく迷ってしまうらしいよ。
記者A:確かに。資産性云々よりも趣味性が強くないとそんなに出せないですもんね。
編集B:正直、資産性を考えるんだったら300万円くらいまでのモデルじゃないかな。それ以上になると買い手が減って流動性がなくなるから、売る時大変なんだよね。買取業者も、買取じゃなくて委託販売を勧めるし。
記者A:じゃあ6263は、人気はあるけど資産としては微妙ってことですか?

編集B:うーん、ギリギリのところじゃないかな。6263と116506A(デイトナプラチナバケットダイヤ)が近い値段なんだけど、どちらを選ぶ?って言われたら資産性としては116506Aだよね。定価が860万円でプラチナ+ダイヤ、人気もあって正規で入手困難、修理も正規で可、相場も定価よりも高くて安定しているのでこちらのほうが資産としての根拠がしっかりしているよね。反面、6263は貴重&好きな人にとっては代えがたい魅力、以外にコレといって根拠がないから購入動機をくすぐられる対象者はかなり絞られると思う。まぁ、ルックスが好きな人が多いからコレクターやマニアに支えられてるって感じ。お金持ってるコレクターは、欲しい物にはどんなに高くても買うしね。
記者A:そう考えると、次に取り上げるデイトナ16520なんかは探せば300万円代で手に入るのでファーストヴィンテージデイトナとしては丁度いいのかもしれませんね。
編集B:たしかにね。でも16520は、6263よりも製造数が多いからここまで上がらなそうな気もするけど。
記者A:と言いつつ、着実に値上がりしてますよね?(笑)。
編集B:デイトナの定番のやりとりだよね(笑)。古いデイトナはなんだかんだで上がる。これは歴史が証明してきたね。
記者A:では、次回は自動巻になった第4世代の16520を見ていきましょう。
6263
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6263の計測
文字盤直径:3cm
ベゼル太さ:0.3mm
ボディ厚さ:0.9cm
ボディ縦:4.5cm
ベルト厚さ:0.3cm
ベルト横幅:最長1.8cm〜最短1.3cm
インダイヤル直径:0.8cm
重さ:95g(ブレスの数:上7、下5)
【ロレックス デイトナ短期連載】
1-手巻きデイトナ「6263」は価値爆上げ中 でも資産としてみたら微妙?
2-初の自動巻デイトナ「16520」はマニアに人気 1000万円以上のモデルも
3-初の自社製ムーブメント搭載の「116520」 今一番買いのモデル?
4-史上最高の完成度と言われる現行「116500LN」 異例のプレ値モデル
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