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プラダ、ロエベからメンズの新潮流を考察

左)プラダ2025年春夏、右)ロエベ2025年春夏

IMAGE by: ©Launchmetrics Spotlight /LOEWE

左)プラダ2025年春夏、右)ロエベ2025年春夏

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プラダ、ロエベからメンズの新潮流を考察

左)プラダ2025年春夏、右)ロエベ2025年春夏

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 2010年代後半から現在に至るまで、ファッションデザインの世界では「ヴェトモン(VETEMENTS)」、そして「バレンシアガ(BALENCIAGA)」とデムナ(Demna)が時代の寵児として君臨。同氏が作る肩を起点としたビッグシルエットがトレンドとなったが、先見性の高いデザイナーたちの手によってメンズの2025年春夏シーズンはパラダイムシフトが起きそうだ。肩から腰へ。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)と、ラフ・シモンズ(Raf Simons)による「プラダ(PRADA)」とジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が手掛ける「ロエベ(LOEWE)」の腰を起点にしたデザインアプローチは、メンズファッションのシルエットにおける新潮流を生み出すかもしれない。

 プラダ、特にラフ・シモンズは本当にいつも早い。ダッドスニーカーと言えば、こちらもデムナのバレンシアガというイメージを持つ人が多いと思うが、2013年にアディダスとのコラボコレクション「アディダス バイ ラフシモンズ(Adidas By Raf Simons)」で「OZWEEGO」というシューズを発表しており、実はこれがダッドスニーカーブームの発端とされている。ラフ・シモンズの提案は時代の三歩先を行っている場合が多く、市場に浸透するまで数年の経過が必要となるケースがしばしばだが、今は売上高が伸長し続け絶好調のプラダ(2023年12月期売上高が前期比7.3%増の34億8800万ユーロ)に籍を置き、ミウッチャという強力な後ろ盾もある。ならば、ラフのアイデアが市場を動かすまでの時間も短くなるのではないだろうか。

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 6月にミラノで発表された2025年春夏メンズコレクション「CLOSER」は、真実を疑い、再考し、物事をより近くで見ることを提案したというコレクションで、キッズサイズのようにタイトなニット、ベルナール・ビュフェの絵画がプリントされたTシャツなどが登場。その中でも、コレクションの軸として提案されたのが腰で履いたパンツとベルトのコンビネーションだ。2000年代にエディ・スリマン(Hedi Slimane)が手掛ける「ディオール オム(DIOR HOMME)」により爆発的ヒットとなったスキニーローライズパンツとは異なり股上は深く、裾は余らせてはいるがルーズさはそれほど感じさせない。ウエストバンドの下にベルトがプリントされたスラックスはタックインまたはショート丈のトップスを着ることを強制させるディテールで、トップスとベルトの間にできるスペースはメンズファッションではそう見ることがないデザインだ。同じくミウッチャがスタイリストのロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)と組んで提案した「ミュウミュウ(MIU MIU)」のアンダーウェアをチラ見せするスカートとのレイヤードスタイルに通ずるものがある。ウエストに着目したデザインをメンズで提案するなら、ミウッチャとラフが出した答えはベルト位置を下げトップスの丈を短くし、更にレイヤードさせることだった。

PRADA 2025年春夏メンズコレクション

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PRADA 2025年春夏

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PRADA -Men's- 2025SS Collection

2025 SPRING SUMMERファッションショー

 ジョナサン・アンダーソンもまた、「ファッションはシルエットへ」と声明を出すほどプロポーションを刷新することに目を向け、実践する稀代なデザイナーの一人。ハイウエストで作るIラインを提案したりと、毎シーズン新しいフォルムを生み出そうとしている。ロエベの2025年春夏メンズコレクションでは「A Radical act of Restraint(ラディカルな節度)」をキーワードに、様々なバリエーションを用意する中で、ウエストにスポットを当てたルックを発表。ファッションのコンテクストを読むことができる天才だからこその到達点か、プラダと同じ方向性のアイデアとして、ベルトバンドがへそ下にくる腰履きでベルトを2本スタイリングしたコーデを提案した。2本のベルトはトップスとパンツそれぞれに縫い付けられており、これまたウエストを露出するデザインに仕上げられている。

LOEWE 2025年春夏メンズコレクション

LOEWE 2025年春夏メンズコレクション

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LOEWE 2025年春夏メンズコレクション

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LOEWE 2025年春夏メンズ

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LOEWE -Men's- 2025SS Collection

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 「服は肩で着る」というのが通例ではあるが、ビッグシルエットという一大トレンドの次を模索する中で、同じシーズンに発表された腰に視線を誘導させるメンズ服のデザインは、オーバーサイズとは対極のタイトなトップスをどう現代的に見せるかの解として成立するアイデアである。"ピチTシャツ"とフレアパンツのメンズコーデが流行る東京のストリートで、プラダ、ロエベの提案する腰にアレンジを加えた「Iライン」シルエットは、メンズの新潮流として定着する可能性は高そうだ。

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