「グリーンレーベル リラクシング」のポケット付きセットアップ
Image by: グリーンレーベル リラクシング
ポケットがなくて買うのを諦めたアイテム第1位は?
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また、ビジネス・カジュアルウェアなどを扱うユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)の「グリーンレーベル リラクシング(green label relaxing)」は、公式ツイッターでポケット問題に言及。「ポケットがなくて買うことを諦めたアイテム」を尋ねたアンケートでは、僅差でスカートが1位、ワンピースが2位となった。
この投稿には、ポケットが浅くてスマートフォンをトイレに落としてしまった体験談や、仕事中はポケットにペンやメモ帳を入れたいという声も寄せられている。同レーベルはこれらの視点を参考に、進行中の商品は確認・対応、そして販売中の商品は、ポケットについて分かりやすく表現する準備を進めているという。
公式サイト内ではすでに、ポケットのサイズ感を詳しく説明したブログを公開。「iPhone 13 Proがすっぽり入る」ポケットを配したワイドパンツ(1万2100円)のセットアップや、スマートフォン・名刺入れ・ペン・リップ・イヤフォンなど実際にポケットに入れた際の着用画像などが紹介された。これは同レーベルのチームが早急に撮影したもので、今回の「ポケット問題」の課題を反映した分かりやすい商品紹介となっている。
ワイドパンツのポケットにスマートフォン・名刺入れ・ペン・リップ・イヤフォンをポケットに入れた写真
Image by: グリーンレーベル リラクシング
ファッションに機能性を求めるのは「野暮」だった?
ではなぜ、これまでウィメンズの服のポケットに対して大きなリアクションが見られなかったのだろうか。ミカゲ シンの進は、「モード服について機能性を語ることは、長年『野暮』と思われている気がしています。デザイナーというアーティストが提案したものについては、着づらくてもそれに人が合わせにいくのが鉄則という空気感が強かったと感じます」と考える。
「他には、『シルエットが不恰好になるから、自分の服を一番綺麗に着てもらうのになるべくリスクや手間は取りたくない』という思いや、慣例的に『ウィメンズには無くていいだろう』と思っているケースなどもあると思います。それぞれの理由があり、特にデザインを優先させたい、シルエットを優先させたいという葛藤は私も作り手として毎回悩んでいます」とブランドやメーカー側の立場にも理解を示す。
今回の「ポケット問題」は、そんな暗黙知の遠慮や認識により声を上げづらかった女性たちから「私もずっとそう思ってた!」という強い共感を得て、潜在的な課題を掘り起こした。ファッション界にはジェンダーレスの大きな波が訪れており、すでに機能性を重視するブランドやメーカーも増えてきている。これまで作り手に届きづらかった要望の声は、これからさらに大きくなりそうだ。
■ユニクロ:公式サイト
■ミカゲ シン:公式サイト
■グリーンレーベル リラクシング:公式サイト
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