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欧州メンズ・トレードショー2017-18年秋冬の皮切りとなる第91回「ピッティ・イマージネ・ウォモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」が1月10~13日、イタリア・フィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソ(FORTEZZA DA BASSO)で開催された。一般的にクラシコ・イタリアとおしゃれメンズのスナップ写真撮影のイメージが強い同展だが、デニムカジュアルからスポーツファッションブランド、一部アバンギャルドなモードまで、トラディショナルだけではない幅広いブランドが出展している。
また、市内各所の別会場でスペシャルイベントとしてポールスミスのコンテンポラリーライン「ピーエス・バイ・ポールスミス(PS by Paul Smith)」がインスタレーション形式で披露され、「ティム・コッペンズ(Tim Coppens)」や一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構の協力のもと「サルバム(sulvam)」がショーを行った。イタリアの行政機構とも強く結びつきながら、数々の施策を長年に渡って行ってきたピッティ・イマージネ社のラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)CEOに話を聞いた。(聞き手:アナログフィルター「Journal Cubocci」編集長・久保雅裕)

ラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)CEO
―ピッティウォモの強みとは?
ピッティ・イマージネ社はもともとイタリアのファッションをプロモートすることを目的とした非営利団体ですから、他のトレードショー・オーガナイザーと違い、市場に合わせた価格に、つまり出展料を安くできるのです。そして、そこからエネルギーが生まれ、結果としてお金の動きもダイナミックになります。バイヤーが23,000~24,000人、うち海外が53.5%。それ以外のビジターが11,000~12,000人で36,000人が来場します。海外540ブランドを含む1,220ブランドの出展者も合わせると42,000人規模の壮大なイベントなのです。
―一般論としてトレードショーがマンネリ化していると言われています。
私たちは25年前から主要なアイデアは継続させながら、全てを変えていくようにしています。毎シーズン、リニューアルし、ブースも新しくします。良いトレードショーの定義は、バイヤーが新しいサジェスチョンを受け取ることができ、ビジネスを発展させるアイデアやヒントを得られることだと思います。

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今回から「ハイビューティー(HI BEAUTY)」という香水とコスメのコーナーを新設しました。当社は「ピッティ・フラグランツェ(Pitti Fragranze)」という香水の展示会も開催しており、そこから派生させた全く新しいセクションです。インターナショナルブランドの香水やアンビエント・フレグランス、更にメンズ・コスメ、ボディーケア商品も紹介しています。3年前から始めた「メイク(MAKE)」エリアもリニューアルしました。
スポーツ分野でもストリートとカジュアルをミックスした「アイプレイ(I Play)」のカテゴリーがあります。
―小さなブランドに対する施策は?
毎シーズン、200ブランドが新規で出展して新陳代謝を図っていますし、ショーや関連イベントも充実させています。「これから」というデザイナーがショーを行って、すでにビジネス的な影響が出ており、商業ベースに乗ってきています。
今回のティム・コッペンズ、サルバムをはじめ、16年に「フー・イズ・オン・ネクスト?ウォモ(Who is on next? Uomo)」で優勝した新世代「カルロ・ヴォルピ(Calro Volpi)」が革新的なニットウェアのコレクションを披露しました。

SULVAM / CARLO VOLPI ©Giovanni Giannoni
また5~6年前からいくつものパビリオンに設置している「ポップアップストアーズ(POP UP STORES)」というコーナーには、眼鏡やバッグ、トラベル・アクセサリーなどハイデザインで小さなブランドが出展しています。
昨年1月からは「ピッティ・チューターシップ(Pitti Tutorship)」というファッションデザイナーを支援する仕組みを始めています。生産工場の紹介や契約などの面での弁護士による法的支援、委託する卸や提携先探しのサポートなど様々な面から日常的に支援しています。
展示会後のフォローについても前回から「イー・ピッティ(e-PITT)」というデジタルプラットフォームを用意し、「レディー・トゥ・オーダー(READY-to-ORDER)」というiPad上で発注を行なうことを目的としたアプリを全出展者が活用できるようにしています。
こうした総合的な施策でピッティウォモは、メンズ市場で欠かせないイベントとなっていると自負しています。

PAUL SMITH©Proj3ct Studio
(聞き手:アナログフィルター「Journal Cubocci」編集長・久保雅裕)
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