2024年秋冬シーズンのパリ・ファッション・ウィーク
Image by: ISABEL MARANT、STELLA McCARTNEY、NINA RICCI
2024年秋冬シーズンのパリ・ファッション・ウィークは、各ブランドが打ち出す女性像によってシルエットに大きな違いが見られた。巧みなレイヤードを披露した「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」、官能的な肌見せで視線を集めた「ニナ リッチ(NINA RICCI)」、あえてプロポーションを誇張した「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」の新作コレクションを振り返る。
砂漠の放浪者を思わせるイザベル マラン
ADVERTISING
「イザベル マラン」の2024年秋冬シーズンは、平原や砂漠を放浪するタフな女性像が印象的。招待状としてホットソースが配られ、会場にはヒスパニック調のエネルギッシュなサウンドトラックが響き渡った。特に目を引いたのは、ニットやレザー、シアリングを重ね着したルック。アニマルプリントや袖にあしらわれたカスケード・フリンジ、ブーツを飾るジュエルベルトがガウチョ・スピリットを体現。スエードのスカーフには、パンチングやスタッズの刺繍が施された。
後半には、光沢のあるルレックス生地のイヴニングルックなども登場。ラインストーンで飾られたメタルバングルなどが輝きを放ち、ラフでありながらセクシーなルックを完成させた。
Image by: ISABEL MARANT
60年代の女優の魅力を甦らせたニナ リッチ
ハリス・リード(Harris Reed)の3シーズン目となる「ニナ リッチ」の2024年秋冬コレクション。着想源となったのは、写真家リチャード・アヴェドン(Richard Avedon)が1962年に撮影した女優スージー・パーカー(Suzy Parker)のポートレイト。ニナ・リッチのツイードのテーラードドレスに身を包んだ彼女の自信に満ちた姿に感化され、「このエフォートレスな魅力を探究し、パリの街角で今、女性たちが身に着けている姿を見たいと思った」とハリスは語る。
ポイントになったのは、シャープなテーラリングと構築的なシルエット。メンズの要素を取り入れたワイドラペルのタキシードジャケットやシガレットパンツが、力強さをアピールする。一方でレースのボディスーツやシアーなイヴニングドレスなどがボディラインを露わにし、ドラマティックな官能性を演出。おなじみのクチュールリボンモチーフを彫刻的に取り入れたルックには大胆さを感じさせた。
Image by: NINA RICCI
ステラ マッカートニーは地球の声を代弁
「ステラ マッカートニー」2024年ウィンターコレクションは、母なる地球からのメッセージを伝えるもの。ショーのオープニングには、会場に置かれたスクリーンに女性たちの唇が映し出され、気候変動についてのマニフェストが朗読された。これは女優のオリヴィア・コルマン(Olivia Colman)とヘレン・ミレン(Helen Mirren)が読み上げ、環境活動家たちがリップシンクしたもの。今シーズンもブランドの信念を貫き、コレクションの9割は地球に優しい素材を用いて制作したという。
誇張されたプロポーションが鍵となった今シーズン。トラディショナルなメンズのテーラリングを踏襲しつつも、オーバーサイズやストロングショルダーのシルエット、引きずるようなパンツのレングスが目を引いた。また、母親のリンダ(Linda McCartney)のワードローブからインスパイアされたパディングが、ドレスやトレーンガウンを力強いフォルムに仕立て上げた。モデルたちはそれぞれ「ファラベラ 」バッグの様々なバリエーションを手に登場。リップモチーフをあしらった「ファラベラ 」や限定アイテムは、ショー終了直後に販売を開始した。
Image by: STELLA McCARTNEY
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【注目コレクション】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境