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【レポート】テロ後初のパリファッションウィーク ビジネスへの影響は?

トラノイ・オム&プレビューの会場(ブルス)

2016.02.14 Sun. - 21:55 JST

トラノイ・オム&プレビューの会場(ブルス)

【レポート】テロ後初のパリファッションウィーク ビジネスへの影響は?

トラノイ・オム&プレビューの会場(ブルス)

2016.02.14 Sun. - 21:55 JST

 パリのメンズ及びウィメンズプレコレクションの合同展が幕を閉じた。各会場とも手荷物検査が実施され、警備が強化された物々しい雰囲気の中での開催となったが、多くの展示会は、平静を保っていた。「フーズネクスト(WHO'S NEXT)・プルミエールクラス(PREMIERRE CLASSE)」と「トラノイ・オム&プレビュー(TRANOI Homme & Preview)」の新会場シテ・ド・ラ・モード・エ・デュ・デザイン(シテ)のみ、ハンディタイプの金属探知機を使った身体検査も実施された。(文・写真:アナログフィルター『Journal Cubocci』編集長 久保雅裕)

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一部の会場では金属探知機の身体検査も(トラノイのシテ会場)

 1月22~24日に開かれたメンズの「カプセル(capsule)」は従来の会場だったオーステルリッツ駅近くのシテ会場から5区のメゾン・ド・ラ・ミュチュアリテという劇場へと会場を移して開かれた。劇場の客席部分のホールと舞台、上層階の小部屋や小ホールにブランドを揃え、日本からは「マスターピース」「バディ」など8ブランド、計196ブランド(前回比9%増)が出展した。前回より出展者が増えたこともあり、コンクリート打ちっ放しの粗野な雰囲気から、洗練された環境へと変わり、前回より活気付いたように見えた。

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カプセルの会場
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カプセルの会場

 同日程の「マン(MAN)」は、日本から「ティーエス(Ts(s))」や「ナナミカ(Nanamica)」など有力ブランドを含め12ブランド、計110ブランド(前回比16%増)が出展した。主催者の一人、アントワーヌ・フロッシュ氏は「テロの影響で日本人が減った点は少し影響が出たが、ニューヨークの展示会でカバーできるだろう。それにトゥモローランドやビームスなど大事なバイヤーは来ているし、パリはモードの中心地だから」とパリの位置付けを強調しつつ、テロの影響についても触れた。

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写真左)マン会場 右)アントワーヌ・フロッシュ氏

 トラノイ・オム&プレビューは23~25日、カルーゼル・デュ・ルーブル会場から、カプセルが従来使用していたシテに会場変更し、パレ・ド・ラ・ブルス会場(ブルス)との2会場で開いた。ブルス会場はメンズアイテムのみの出展者が84%を占めた。シテ会場は41ブランドが出展した香水のコーナーが新たに設けられ、香水を除くとウィメンズアイテムのみの出展者が3分の2を占めた。オムとプレビューの区分けが前回と比べても、はっきりしてきたようだ。全体では303ブランド(前回比2%増)が出展した。

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トラノイ・オム&プレビューの香水コーナー
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 主催者のダビッド・アディダ氏(写真左)は「テロの影響は日本人を中心に出ていると聞いてるが、大切なバイヤーは訪れている。その点では商談への影響は無いと考える」。また、ブランドの配置に関して「コレクションのショーでもメンズとウィメンズの両方を披露するデザイナーも出てきている。これと同じ流れだという事をバイヤーも理解し始めていると思う。ブルス会場はダーク、レザー、ロック、ブラックといった雰囲気で、シテ会場はウィメンズ、カラフル、香水などがキーワードだが、このテーストでシテにも一部メンズを入れ、2会場をスタイルで分けている」とオーガナイズの視点を語った。


 ファーストセッションのファッション総合見本市「フーズネクスト・プルミエールクラス」は22~25日、ポルド・ド・ベルサイユ見本市会場で開かれた。出展者数は約1700で、日本からは三越伊勢丹がPBのシューズをプルミエールクラスに出展したことが話題となっていた。来場者数は前回比18%増の48684人で、イル=ド=フランス地域圏(パリ首都圏)の来場者数は1%増えたが、フランス国内からは2%減った。フランスからの来場は全体の66%、32560人となった。「日本からはトゥモローランドやベイクルーズ、エストネーション、アッシュペーフランスなどのセレクトショップ、三越伊勢丹や高島屋、阪急、そごう・西武のファッション部門など、またアメリカンラグシー、ロンハーマン、バーニーズジャパンなども訪れた」と主催者からはリリースされた。一方で現地メディア「ファッションマグ(FASHION MAG)」によると、恐らく前年同期比と思われるが「来場者数は16%減で、国内12%減、国外22%減、アジア25%減」と顕著に減らした数字が報道された。全体としては、プルミエールクラスとストリートカジュアルの「アーバン(URBAN)」が賑わっていた感があった。

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フーズネクスト・プルミエールクラスの会場

 テロ後初の大型ファッションウィークとなったが、全体としては米国、日本、韓国からの来場に陰りがありつつも、商談が必要なバイヤーは確実に来場していたようだ。そこには「モード発信地としての役割には、いささかも衰えは無い」と粛々とビジネスを続ける気構えとある種の覚悟が感じられた。コレクションや展示会のシステムを含めたプラットフォームを築いてきたパリの矜持を示したともいえる1月のパリだった。

 予定通りであれば、2月26日に非常事態宣言が解かれることになる。その後すぐの3月3日からウィメンズのプレタポルテコレクションが始まり、セカンドセッションの合同展も開かれる。平和であってこそ楽しめるファッションの役割を広く世界に訴えてほしい。

(文・写真:アナログフィルター『Journal Cubocci』編集長 久保雅裕)

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