
noir kei ninomiya 2025年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
「ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)」のショー会場に足を踏み入れると、廃屋はブラックライトに仄暗く照らされ、不可思議な光景が広がっていた。暗闇の中、ファーストルックが奥から歩み出る。モデルの身体に装着された蓄光のレジンは、深海の珊瑚のように幻想的に発光していた。クリアビニールのライダースジャケットやチュール生地は光を反射し、幽玄な海の揺らぎを思わせる。続くルックの、顔を覆う蓄光の装飾はイソギンチャクのようだが、不気味さよりも神秘的な魅力が勝り、観客に未知の領域への好奇心を抱かせた。














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2025年秋冬コレクションのテーマは「FANTASY」。デザイナーの二宮啓は、不思議で非現実的な"なんだかよくわからない感じ"を形にしたという。ヘア&メイクアップアーティスト小西神士が手掛けた発泡スチロールのヘッドギアは、コラボレーションを続ける長谷川白紙の音楽と共鳴し、難解ではなく、心地よい"わからなさ"を演出する。即興的な生演奏のピアノとともに、ポジティブなムードが漂っていた。
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「ノワール(フランス語で"黒"を意味する)」らしい黒のアウターやドレスには、ポリエステルのオーガンジーやナイロンのチュールといった軽やかな素材が用いられ、洗練された仕上がりに。素材の妙が生み出す軽快さが、ポジティブな印象を与えている。足元には、今シーズンもリーボックとのコラボレーションスニーカーが登場。金と黒の2色展開で、ハイカットとローカットの2種類がそろう。











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ショーが進むにつれ、モールのリボンといったキッチュなモチーフが加わり、ゴールドやピンクの色彩が華やかさを添えていく。ウィッグを編んで花のように仕立てたドレスや、モールの玉を連ねたドレスには、素材の表面にレジンで加工が施され、異なるテクスチャーが生まれていた。綿あめを思わせる、グラデーションカラーのふんわりと浮くようなドレスは、コレクションのハイライトとなった。




















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手仕事にこだわり、布だけでは生み出せない新たな表現を模索する二宮。「ファッションはポジティブなものであることに変わりはない」と語る彼は、ノワールという色の概念を超え、服の可能性を拡張し続けている。
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