【マイスタンダード】NTNのフィロソフィーを体現したクルーネックニット

　流行やトレンドの潮流に左右されるファッション業界の中で定番と称され、多くの人に愛されているアイテムには底知れない魅力が詰まっています。そんなマイスタンダードに相応しい、オーセンティックかつエッセンシャルなアイテムをF/STOREの中から厳選して紹介します。

NTNのフィロソフィーを体現したクルーネックニット

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　「サカイ（sacai）」のメンズ部門でチーフパタンナー兼ブランドマネージャーとして経験を積んだ髙橋伸明が2023年に立ち上げた「NTN」。デザイナーのイニシャルであるNTに再びNを付け加えることで、プロダクトの永続性を表現したというブランド名からも紐解けるように、時代やトレンドに左右されない普遍的なコレクションで業界内外から注目を集め、ネクストブレイクとして名高いブランドの一つです。機能美を感じさせるジャケットがブランドの代名詞として注目を集めていますが、昨シーズンから継続的に展開しているクルーネックニットも並々ならぬこだわりが詰まったアイテムです。　

　まず目を惹くのは、その鮮やかな色味。2024秋冬コレクションでは未開拓地を意味する「BACK COUNTRY」をテーマに掲げ、自然由来の造形や質感、色彩に対する身体の動きや思想から着想を得たイメージを素材やパターンに落とし込んだアイテムを展開。自然界に身を置き対峙した時に見えるカラーラインナップで構成し、このクルーネックニットは晩秋からインスピレーションを受けた深い赤色を採用しています。ブラックやベージュ、カーキなどが多い同ブランドの中でも一際存在感を放っていたアイコニックな色合いでありながら、落ち着いたトーンなので合わせやすく、重たくなりがちな秋冬のスタイリングの差し色として重宝する優秀なカラーリングです。素材にはフランス産のメリノウールを用いたブランドオリジナルのモールヤーンを採用。ローゲージでざっくりと編みあげることで、ふんわりとした肌触りとアウトドアフリースを想起させるもこもことした独創的な表情を作り出し、鮮やかな色味に負けないような存在感を演出しています。“素材と色のベストな関係性を探る”というデザイナーの哲学を体現したような相性抜群のコンビネーションで、高い完成度の仕上がりを誇ります。

　素材とカラーのマッチングだけではなく、シルエットの追求にも抜かりはありません。「シルエットとバランスを突き詰めた」とデザイナーも説明する一着は、布帛のように各パーツで前後差を設けたパターンで構成することで立体的なシルエットを演出。平面的になりがちなニットもこのパターン設計のおかげで構築的なフォルムへと昇華し、ふんわりとした見た目にマッチした、空気を含んだような軽やかな着用感を叶えています。素材と色、シルエットの三要素が調和した一着は、タイムレスな価値を放ち、スタイリングの要として重宝すること間違いなし。ワードローブの差し色アイテムとして迎えてみてはいかがでしょう。