【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.7 シュプリーム ゴンズジャケット編
シュプリーム「ゴンズジャケット」ディティール
Image by: FASHIONSNAP
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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.7 シュプリーム ゴンズジャケット編
シュプリーム「ゴンズジャケット」ディティール
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とどまることを知らない未曾有の古着ブーム。歴史的背景を持つヴィンテージの価値も高騰を続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか・・・」と諦める声も聞こえてきそうです。
でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式でご紹介。第7回は「シュプリーム(Supreme)」の「ゴンズジャケット」編。
ストリートブランドの王様 シュプリーム初期の名作
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シュプリームと言えば、誰もが知るストリートブランドの王様ですが、その代名詞とも言えるのが、有名ブランドとのコラボレーションです。最近はラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドとのコラボも増えており、2017年の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とのコラボアイテム発売の際は数千人の行列ができ、大きな話題になりました。その後も、「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)」や、イタリアのバイクブランド「ドゥカティ(DUCATI)」など、幅広いブランドと協業しています。
ただ、今回紹介するのはそういったキャッチーなものではなく、一見するとシュプリームと分からないくらいのシンプルなアイテム。しかし、それとは裏腹に熱烈なコレクターも多い玄人好みの1990年代の名作、通称「ゴンズジャケット」です。
目立つロゴは付いておらず、すっきりとしたデザイン
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「ゴンズジャケット」という名前は、スケーターのマーク・ゴンザレス(Mark Gonzales)が着用していたことから名付けられました。マーク・ゴンザレスは現在のスケートシーンの礎を築いた人物で、「史上最も影響力のあるスケートボーダー」と称されるだけでなく、アーティストとしても高い評価を受ける、ストリートカルチャーの旗手です。そんなマーク・ゴンザレスは、アメリカ軍のミリタリーウェアなどを製造しているメーカー「スピワック(SPIEWAK)」の「ウェップジャケット(WEP JACKET)」というアウターを愛用していました。ウェップジャケットは「G-8ジャケット」とも呼ばれ、1950年代から1970年代のアメリカ海軍で採用されていた防寒着の総称です。
リブ襟にはチンストラップ(通称チンスト)がつけられている
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そんなスピワックにシュプリームが別注して作ったウェップジャケットが、この「ゴンズジャケット」。僕がこのアイテムを好きな理由は、本格的なミリタリーウェアメーカーに発注してモノづくりをするという、シュプリームの本気っぷりが感じられるからです。ヴィンテージマニアには初期シュプリーム好きの人が少なくないんですが、彼らはブランドのモノづくりに対する真摯な姿勢に惹かれているんだと思います。
今後相場は更に高騰?初期シュプリームのストリートスピリットが詰まった一着
1994年に創業したシュプリームですが、「ゴンズジャケット」を発売したのは1996年。当時、シュプリームはニューヨークにしかショップを開いておらず、今と比べてアイテムの製造数も相当少なかったと推測されます。そして、その頃シュプリームを着ていたのは、主に地元のスケーター達。この「ゴンズジャケット」は、シュプリームがまだニューヨークのローカルブランドだった頃の、ストリートスピリットが詰まった一着だ、と言えると思います。
「ゴンズジャケット」はブラック、ネイビー、カーキの3色展開で、一番人気はブラック。僕はコレクターの方から譲っていただきました。僕が主催するイベント「VCM VINTAGE MARKET」でも、争奪戦になるほどの人気アイテムでした。
左右の裾に設けられたハンドウォーマーポケットはスピワックのオリジナルアイテムにはないディティール。
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現在「ゴンズジャケット」の相場は、色やサイズによって異なりますが、大体20〜40万円ほど。「もう十分高いじゃないか!」と思われるかもしれませんが、僕が今このアイテムを紹介するのは、今後「ゴンズジャケット」の価値が更に高騰するだろうと考えているからです。1990年代のシュプリームは「オールドシュプリーム」として近年価値が高まっていますし、シュプリームはストリートとラグジュアリーを繋ぐという、革新的な挑戦をしたブランド。連載第1回で紹介した「ステューシー(STÜSSY)」と「カーハート(Carhartt)」のコラボアイテムと同じように、こういったパイオニア的なブランドを象徴するアイテムは、時が経つにつれてより評価が高まることが多いです。気になる方は今のうちに手に入れておくことをオススメします。
■「令和のマストバイヴィンテージ」バックナンバー
vol.1 Carhartt × STÜSSY編
vol.2 キース・ヘリング Tシャツ編
vol.3 HERMÈS ヘラクレス編
vol.4 リーバイス ギャラクティックウォッシュデニムジャケット編
vol.5 ポロ ラルフ ローレン オープンカラーシャツ編
vol.6 セックス・ピストルズ ポスター編
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