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ファッション業界をはじめ、さまざまなクリエイティブな業界に携わる人々の"オフの瞬間"にフォーカスした連載「業界人が本気で遊んだら」。仕事も趣味も全力で取り組む大人たちにスポットを当て、FASHIONSNAPのエディターがさまざまな部活・チームの活動現場へ潜入します。第5回は、ファッション・メディア関係者で構成されたサバゲー(サバイバルゲーム ※海外では「エアソフト(Airsoft)」と呼称)チームのメディアレンジャーズ(MEDIARANGERS)。月1回の活動日に密着しました。
■メディアレンジャーズ
「サバイバルゲームが好き」の一言を旗印に、メディア関係者(編集・スタイリスト・カメラマン・デザイナー)、ファッション業界人(バイヤー・プレス・MD・セールス)、自衛官などで構成されたサバゲーチーム。さまざまなスペシャリストが集い、ただエアソフトを楽しむことを目的に活動を行っています。メンバーの平均年齢は39歳。
目次
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活動は単なるサバゲーから雑誌の企画立案まで
エディターやPRなど、ファッションやメディアに関わる人々が集まるメディアレンジャーズ。現在のメンバーは総勢24人で、来年で結成から10年を迎えます。サバゲーをするために集まる頻度は月に1度ですが、その他にも、ファッション誌やギア、アウトドアなどのカルチャー誌の企画立案やディレクションを行ったり、サバゲー好きが高じてエアソフトのインフラメディア「エアソフトギーク」を立ち上げたメンバーも在籍。フィールドの外でもエアソフト業界を盛り上げるべく、活動しています。ちなみに、メンバーの選定基準は、なし。職業に囚われることなく、来る者拒まずで追加メンバーを随時募集しています。
サバゲーは紳士のスポーツ? ルールをおさらい
メディアレンジャーズの詳しい活動内容に触れる前に、押さえておきたいのがサバゲーのルール。メディアレンジャーズの皆さんが口を揃えて言うのが、「サバゲーは紳士のスポーツである」ということ。
メンバーの田形遼さん
サバゲーは野蛮なイメージを持たれがちですが、実際は全くそんなことはありません。ヒット(敵に撃たれること)判定も自己申告制ですし、各々がルールを守りつつ協力し合わないと成立しないチームスポーツなんです。
サバゲーには一般的に定例会と貸切の2種類があります。初心者から愛好家まで、幅広い人々に親しまれているのが、定例会。各フィールドが主催し、各地からさまざまな人たちが集まって行うものを指します。貸切は、その名の通り、一つのフィールドを一団体のみで貸し切ってゲームをすること。
田形さん
一般的に“サバゲー”と呼ばれるもののほとんどが定例会です。一緒に行った仲間とは同じチームになりますが、チーム内にはもちろん、初対面の方も沢山います。
定例会の場合には、集まった人数を2チームに分けるので、定員オーバーなども基本的にはないのだとか。例えば、100人集まったら50人対50人のチームに分けて試合が行われます。
サバゲーのルール🔫
ゲーム時間は1回につき約10分。ゲームルールはさまざまなものがありますが、代表的なのが「フラッグ戦」。各チームの自陣にフラッグ(大抵は大きな音が鳴るブザーのようなもの)が置かれ、制限時間内に相手チームのフラッグを鳴らすことを目的にプレイします。
ゲームが始まったら、メンバーはフィールドに散らばり、フラッグを守る役や敵陣へと攻める役、またはそれを援護する役など、それぞれのスタイルで持ち場につきます。敵チームから撃たれてしまったら、そこでアウト。「ヒット!」と叫んで撃たれたことを表明し、セーフティエリア(フィールド外に設置された荷物などを置いている休憩場所)に移動します。
ゲームスタートの合図とともに、各自持ち場へと走り出します。
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ちなみに、サバゲーには一つだけ絶対に守らなくてはいけない鉄の掟があります。それは、何があってもゴーグルは外してはならないということ。エアソフトガンの飛距離は種類によって異なりますが、最大で50mほど。目に当たってしまうと失明する危険もあるため、フィールドの中では絶対に外してはいけません。
試合の1日に密着!
ここからは、メディアレンジャーズの活動の様子に密着。この日は、メディアレンジャーズのメンバーのうち12人が参加。FASHIONSNAPチームも仲間に入れてもらい、試合に挑みました。
今回のフィールドは、千葉県八街市にある「サバゲーパラダイス」。自他共に認めるサバゲーマニアであるメンバーの田形さん曰く、「日本一と言っても良いほど、設備が充実したサバゲーフィールド」とのこと。
サバゲーパラダイス
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フィールド主催でおこなわれる定例会では、1日に何度もゲームを実施。昼休憩を挟みながら、約10~15回程度のゲームが開催されます。
敵がどこにいるか分からない緊張感の中、開始早々に撃たれてしまうメンバーも。エアソフトガンの弾はどこからともなく飛んできます。完全に隠れられていると思っても、隙を突いて遠くから狙われるので、フィールドには常に緊迫した空気感が漂います。初戦は、両チーム共にフラッグを勝ち取ることなく、タイムアップとなりました。
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敵の姿を見つけたら、無線を使って味方のチームメンバーに遠隔で伝えたり、周囲にいるメンバーに動き方を指示する場面も。単独行動が吉と出ることもありますが、サバゲーは個人戦ではなくチームで勝利を目指すゲーム。コミュニケーションが最も肝心なのだそうです。
後半戦は、相手の隙を狙いながらじりじりとフィールドを攻める耐久戦に。最後には、フラッグを取って見事、メディアレンジャーズの属する赤チームが勝利! じっと息を潜めながら隙を狙って一気に攻め入る姿に、メンバー一同大興奮。サバゲーの醍醐味が感じられる瞬間を目の当たりにして、ゲームは幕を閉じました。
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私服を取り入れたカジュアルなサバゲースタイル
サバゲーと言えば、本物の軍隊さながらのファッションやギアも魅力の一つ。こだわることにロマンがあります。
メディアレンジャーズのメンバーのファッションは、私服を取り入れたカジュアルなスタイルで、フィールド内でも一際目立っていました。サバゲーといえば緑の迷彩柄を纏うイメージが強いですが、そんな定型的なスタイルとは一線を画すメディアレンジャーズのファッションについて、田形さんに話を聞くと「メンバー全員で同じようなスタイルに統一するチームが多い中、僕たちは個性を尊重してそれぞれが好きな格好をするようにしています」とのこと。
田形さんによると、その背景にあるのは、世界中の戦闘地域における私服装備の多様化、そして米国における民間人向けの「タクティカルトレーニング」の需要拡大とのこと。
田形さん
カジュアルウェアの上にプレートキャリア(装備を付けた防弾ベストのようなもの)を纏うラフなスタイルは、米国を中心に非常に流行しています。元米軍特殊部隊員のSNSインフルエンサーがそういったスタイルを日々発信していたり、彼らが退役後に始めたスケートブランドなどもあったりするので、それらから着想を得て各々装備をつくっているんです。「ヴァンズ(VANS)」や「コンバース(CONVERSE)」を履いているメンバーが多いのはそういった理由ですね。
メンバーのスタイルをファッションスナップ
個人の好みに合わせてバラバラのスタイルを楽しむメディアレンジャーズ。ということで、メンバーの皆さんの十人十色のスタイルをスナップ!
メディアレンジャーズの発起人である吉州正行さん。ジャケットは、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」×「ハイク(HYKE)」のもの。
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「バズリクソンズ(BUZZ RICKSON'S)」の企画を担当する佐々木洋佑さんは、自身のブランドのアロハシャツを着用。
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デザイナーの清野和音さんのエアソフトガンには、これまでに行ったサバゲーフィールドのステッカーがびっしり。
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ちなみに、気になるサバゲーグッズの購入場所は秋葉原がメイン。上野〜秋葉原間にサバゲーショップが多く出店しているとのことで、メンバーみんなで買い物に出かけることもあるのだそうです。
雑誌とコラボしたオリジナルグッズも
ミリタリー雑誌「MFL」とセレクトショップ「MFC STORE」とのコラボTシャツ
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また、メディアレンジャーズでは、ファッションやメディア関係者という強みを活かして、オリジナルグッズも製作。サバゲーの必需品とも言えるバッジやパッチにオリジナルロゴを施したものをはじめ、ミリタリー系ライフスタイル&ファッション誌「MFL」とのコラボレーションによるTシャツやマグカップなどを展開しています。デザインは主にリーダーの吉州さんやスタイリストの中島さんが手掛けています。取材当日の皆さんのスタイルの中にも、随所にオリジナルグッズが見られました。
エディターの川村しよりさんは、チームのパッチや、パロディ性の高いミニパッチでキャップをアレンジ。
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来年で結成から10周年を迎えるメディアレンジャーズ。最近はメンバーの忙しさに比例して活動頻度が落ちてしまっているとのことですが、ゲームを全力で楽しむ姿勢は健在。ファッション業界を飛び越えてサバゲーそのものの魅力を広めるべく奮闘する皆さんの今後の活動に期待が膨らみます。
🌱BEHIND THE SCENES
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🏹MEDIARANGERS MEMBER
MASAYUKI KISHU(MEDIARANGERS LEADER、EDITOR・PRIEST)
TAKAHIRO NAKAJIMA(STYLIST)
NAOTO KOBAYASHI(Hummingbirds'hill shop/PR)
NORITATSU NAKAZAWA(EDITOR)
KAZUNE SEINO(ROPEWORKS inc./DESIGNER)
COVO TAGATA(AirsoftGEEK/OWNER・COVO DESIGN/EDITOR)
SUGURU NISHIGAKI(PLAINS inc./DESIGNER)
MASAHIDE HATAKENAKA(OVERRIVER/SALES)
SHIYORI KAWAMURA(EDITOR)
SHAQ(HYPE DROP/BUYER)
SIHO TAIRA(Mono Master/EDITOR)
YOSUKE SASAKI(BUZZ RICKSON’S/PLANNING)
FASHIONSNAPでは連載「業界人が本気で遊んだら」企画に参加いただけるチーム・団体を募集中!ファッション業界をはじめ、さまざまなクリエイティブな業界に携わる皆さま、ぜひ press@fashionsnap.com までご連絡ください。お待ちしています!
(企画・編集:張替美希)
(撮影:太田柚香)
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