Image by: Johann Rashid
ルイ・ヴィトンの現メンズ アーティスティック・ディレクターを務めるヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)、ジバンシィの新クリエイティブディレクターに就任したマシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M Williams)、カルバン・クラインとのコラボレーションが話題沸騰中のヘロン・プレストン(Heron Preston)、フィア オブ ゴッドのジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)、リーボック(Reebok)等とのコラボが毎回即完売するジョウンド(JJJJound)を率いるジャスティン・サンダース(Justin Saunders)。
ハイプビーストたちを沸かせる彼らには一つの共通点がある。カニエ・ウェスト(Kanye West)が率いるクリエイティブエージェンシー「DONDA」出身ということだ。そして今年4月28日、DONDA出身のクリエイターによる新ブランド「シーキングス(SEEKINGS)」がデビューした。ネクストブレイクが期待されるクリエイター マーク・シーキングス(Mark Seekings)とは一体何者か?
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― ファッション業界に足を踏み入れる前は、プロスノーボーダーとして活動していたそうですね。
田舎で育ったのですが、高校卒業後にカリフォルニアに引っ越してプロスノーボーダーになりました。ファッションの世界に足を踏み入れたのは、怪我をきっかけにスノーボードを辞めた後。ファッションの学校に通って、ニューヨークの「ディオール オム(DIOR HOMME)」のショップで働き始めたんです。学校の知り合いからは「何で小売店?」と聞かれることもありましたが、ニューヨークのような大都市で直接お客さんと接することができる仕事は素晴らしいものでした。それに、カニエと知り合ったのもその仕事を通してなんです。
―ディオールに来店したカニエと知り合って仕事をするまでになったんですね。DONDAではどのような仕事を?
音楽プロジェクトのアートディレクターをやっていました。在籍中の仕事では「The Life of Pablo」が一番知られていると思います。アーティストのカリ・ソーンヒル・デウィット(Cali Thornhill DeWitt)と一緒に「The Life of Pablo」のマーチを制作したり、アルバムのアートワークの仕事をしたり。YEEZYでは、ブランドメッセージからウェブサイトのフォントまでブランドランゲージの設計をカニエと共に担当しました。
― ヴァージル・アブローやマシュー・M・ウィリアムズがトップメゾンのディレクターに抜擢されるなど、DONDA出身のクリエイターがファッション業界の第一線で活躍しています。
カニエは業界のベテランだけに頼るのではなく、若い新しい才能を見つける天才なんですよ。その人自身が特技に気づく前に、カニエが気づいたり。若手にも信頼を置いて、腕を磨かせるのが上手なんです。僕に対してもキャリアの初期から信頼して、仕事を任せてくれたりして。
あと、カニエ自身がすごく努力家で好奇心旺盛。そのため彼の仕事場では、自分のリミットを超えることを求められるんです。カニエがその人の可能性を最大化してくれるというか...。当時は大変でしたが、後々ほかの仕事をしていく中でDONDAでの経験がいかに価値のあるものだったかを実感するようになりました。
― 新たに立ち上げたブランド「シーキングス(SEEKINGS)」のコンセプトは?
シーキングスは、「自分にとってパーフェクトなジーンズを作りたい」という考えから始まりました。これまで履いてきたジーンズは、ジッパーが壊れやすかったり、ポケットが浅かったり、フィットが微妙だったり、必ず一つは何か不満があって。シーキングスのジーンズは、1年半かけて新しいフィットを数素材で開発したもので、メイドインジャパンのものです。
シーキングスのファーストコレクション
Image by: SEEKINGS
シーキングスのアイテムに使用されたグラフィックは全てアーティストのB. Thom Stevensonとのコラボレーションによるもの
― デニム以外にTシャツやキャップなどもありますね。
自分のジーンズ問題を解決しようと始めたプロジェクトでしたが、解決策がどんどん大きくなっていった感じですね。ファーストコレクションでは、ワードローブの定番品を自分が愛する生地を使って最上級のクオリティで作りました。ジーンズの他には、メイドインジャパンのジャケットやTシャツ、フーディなど。お気に入りのヴィンテージアイテムを参考にして、生地選びはもちろん、ウォッシュやソフトニングのテクニックにもこだわり、理想的な仕上がりになりました。今後生産の経験が増えていったら、フレグランスやアンダーウェアなど興味のあるカテゴリーの商品は提案していきたいと考えています。
― 最近はプレオーダー形式のみで始めるブランドも多いですが、シーキングスは「No Pre Order」とのこと。
受注生産はやりたくなかったんです。若い子たちにサンプルを見せて先にお金を払ってもらって、到着するまでに何ヶ月も待ってもらうのが個人的にあまりフェアに感じなくて。だから、シーキングスでは僕の貯金を生産に注ぎ込んで、ローンチの時点で全てのアイテムが発送準備オーケーなんです。
Image by: Johann Rashid
Image by: Johann Rashid
― ローンチと併せて公開されたヴィジュアルでは、カニエに加えて、The Strokesのジュリアン・カサブランカスがモデルに起用されています。
カニエはシーキングスに関してすごく協力的でいてくれるんです。2人のロックスターがシーキングスを着て撮影できたのは夢のよう。カニエをはじめ才能溢れる人々にローンチから関わってもらえて、すごくラッキーだなと感じています。
SEEKINGS:公式サイト
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