【インタビュー】「マリーン・セル」が21SSコレクションのフィルムに込めた思いとは?

Image by: MARINE SERRE

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【インタビュー】「マリーン・セル」が21SSコレクションのフィルムに込めた思いとは?

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 三日月柄のプリントで世界を侵略しつつあるパリの若手ブランド「マリーン・セル(MARINE SERRE)」。新型コロナ禍で製作した2021年春夏コレクションは、数シーズン続けていたランウェイショーを止め、デジタルフィルムで発表した。タイトルは「AMOR FATI」。ニーチェが提唱した"運命愛"だ。シーズンをまたいで一本のストーリーを紡いできたマリーン・セルが、約13分の動画に込めたメッセージとは?本人にメールで聞いた。

― コロナ禍での制作期間はいかがでしたか? また、フィジカルショーを決行するブランドもいる中で、なぜデジタルフォーマットでの発表を決めたのでしょうか?

 今シーズンの製作は、ロックダウン期間中に始まりました。当時の状況からショーはできないと考えていたので、変化を受け入れて、違う方法を考えなければいけないと思いました。それに、こういった状況になる前からランウェイショー自体にリミットを感じていたのも事実。ランウェイショーは招待できる人数に限りがあるし、時間も短く、そしてランウェイを歩く人のパーソナリティを掘り下げるのも難しいですから。前シーズンの「Mind Melange Motor」では、人々をグループ化させることで彼らのキャラクターも見せられるように工夫しましたが、今回はさらに一歩踏み込んで彼らのパーソナリティを見せられるようにしたかったのです。その目的から考えると、フィルムでの発表が合っているのではないかと決めました。発表形式が決まってからは、ビデオ通話を通してアイデア交換をして製作を進めましたね。

 フィルムがグローバルで拡散されることも大切でしたが、ローカルのアーティストと一緒に仕事をすることも同じくらい私にとって重要なことでした。距離感が近いからこそ、フィルムでも「深く」表現できる。製作は、監督のサーシャとライアンをはじめ、プロダクションチームやマリーン・セルチームとしっかり意思疎通した状態で行えました。私にとってフィーリングについて語ること、そしてバキュームのようにあらゆる物事を飲み込んでしまった今年の上半期を経た今だからこそ、「深さ」を表現することはとても大切だったんです。

― パンデミックによって、サステナビリティへの意識の変化はありましたか?

 パンデミックになる前から、マリーン・セルではファションシステムの変化を促す努力をしてきました。そして新型コロナウイルスによって「変化の時」が訪れたことで、以前は難しかった扉も開きやすくなったと感じます。ロックダウン期間中は良い振り返りの時間にもなり、これからできることはもっとたくさんあると改めて考えました。例えば、素材を全て100%リサイクルかつ生物分解性のものに切り替えたり、生産を欧州内で完結させたり。こういった選択には、長所もあれば短所もありますが、色々な人が同じ方向を向いて進み始めているのは、勇気づけられる出来事です。多くの人が同じ道を進まない限り、変化は生まれませんからね。

フィルムのスチール画像

― 2021年の春夏コレクションのテーマ「AMOR FATI」について教えてください。

 今私たちが過ごしているこの状況、そして自分自身の感情に対してどう対峙するかを反映しています。「AMOR FATI(=運命愛)」は、相手を評価することなく、全ての結果を受け入れること。私のブランドで提案してきたアプローチは、この概念にとても近いと考えています。今の状況を、生産的かつポジティブな形で乗り越えるためには、強さと、そして受け入れる姿勢が必要ですから。

― フィルムに登場する2人のメインキャラクターは、それぞれ何を象徴しているのでしょうか?

 パワフルな2人の主人公は、イラン系オランダ人のシンガー Sevdalizaと、フランス人アーティスト Juliet Merieです。私の親しい友人でもあり、それぞれフィルムで重要な役割を演じています。2人とも、様々な世界を移行し、行く先々で出会うシチュエーションに服も見た目も順応するカメレオンのような存在を演じています。彼らを取り囲むシチュエーションは、危険、愛情、誘惑、弱さなど様々なフィーリングで溢れています。2人の間に「支配」はありませんが、状況が変わるにつれ、お互いの役割に変化が生まれます。この変化が表しているのは、人間の人生における「可動性」。「何を着るか」には、自分のスタイルや在り方を変えたり、環境に馴染んだり、自分のストーリーを語るパワーがあるのです。

AMOR FATI by Marine Serre
Directed by Sacha Barbin & Ryan Doubiago/Starring Sevdaliza & Juliet Merie/Stylist Benoit Bethume/Music by Pierre Rousseau/Production by AVOIR

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