マニアが「ニューバランス(New Balance)」の魅力を深掘りする「マニアが深堀り! ニューバランス編」。1年365日ニューバランスを着用しているナナビット(nanabit)が、基本情報からうんちくまで様々解説します。前回まではニューバランスの歴史や魅力をザックリと振り返ってきましたが、短期連載のラストとなる第4回は私個人のニューバランスの楽しみ方や思い入れのある品番を紹介します。
ADVERTISING
私の原点 「M998」
「スニーカーに求めるものは何か?」と問われれば若かりし頃の自分は「ファッション」と答えていました。しかし、時とともにその考えに変化があり、今はファッションに加え「機能性」も大事になってきました。身体や環境の変化によって靴の本質を求めるようになったのだと思います。もちろんデザイン性も大事ですが、毎日身体を支える物であり、体を守るものという事が私にとっての靴の本質です。そう考えるようになって出会ったのが「M998」というスニーカーでした。
ニューバランスを履いて「足が包み込まれる」という感想をよく耳にしますが、私も、USA産のM998を初めて履いた時に全く同じ言葉を発しました。アッパー素材のしなやかさと、じんわりと程良いソールのクッション性。初めて履いたときの今まで味わった事のない感動は、今でも鮮明に覚えています。その後、他の品番も試してみたいという探究心から靴箱はニューバランス一色になりました。今現在、色々な品番のテクノロジーを感じながら思うのは、よくM998からニューバランスにハマったなと。1993年誕生のミッドソールは傾斜のクセもあり、爪先はシャープで細いです。ニューバランスの中で万人に好まれるモデルではないと思いますが、私の足に合った奇跡を運命の様に感じています。皆さんも初めて履いて感動した品番、感触は忘れられないのではないでしょうか。
誇るべき品番 「M1300JPV」
昨今のスニーカーに付いて回る「希少性」「プレミアム」という価値観。私が運良く購入出来た物の中で、二度と手に入らないだろうと思うのが「M1300JPV」です。
アッパーに日本のタンナーである「栃木レザー」のベジタブルタンニングレザーを使用し、ニューバランスとグローバル・パートナーシップを結んでいる「ミムラボ(M.lab)」でフルハンドメイドで作られています。全ての工程で手袋を着用し、レザーの風合いを損なわないように徹底された製造工程には胸を打たれました。2020年に300足限定で発売され、made in japanの魂が詰まった世界に誇れる一足。履きながらレザーの経年変化を楽しんでいます。
5年に一度販売されるM1300JPも特別なモデルです。ニューバランスを語る上では避けては通れないモデルなので、2025年に発売される様であれば必ず購入したいと思っています。
近年NBの流れを作った品番 「MS327」と「M992」
上記2つのM1300は2020年に発売されていますが、この年にニューバランスブームが起きました。ブームを牽引したモデルは「MS327」と「M992」だと思っています。
327に関しては「カサブランカ(CASABLANCA)」とのコラボでも知られていますが、ファーストモデルの発売時から勢いが凄かったです。それまでのニューバランスとは異なるアプローチのデザインで、新たな客層を獲得。入荷しては即完売を繰り返していました。
2006年にニューバランス100周年の節目で誕生したM992は2020年に復刻を果たし、「キス(Kith)」や「ダブルタップス®(WTAPS®)」とのコラボモデルでも話題を集めました。ポテっとしたフォルムのデザインが特徴で、それまでニューバランスに興味が無かった層からも人気を博しました。近年のニューバランスについて語るには欠かせない一足だと思います。
復刻を望む品番 「M2040v3」
「復刻」というのはありがたいものです。望んでいないマイナーチェンジがある事も多々ありますが、昔履けなかったモデルを楽しめるのは嬉しいことです。ちなみに私が復刻を望むのは「M2040v3」というモデルです。
ニューバランス110周年の2016年に発売され今も現役で履けているのですが、この最上級と言える履き心地を多くの人と共有して語り合いたいと思っています!もちろん復刻したら間違いなく私も購入します。
履くにこだわりながら楽しむ 「MO990」と「MS574TDT」
私は「履く」という事を重要視してニューバランスを購入しています。SNS等で繋がりのある人の多くは、比較的に価格が高いことから「雨の日にニューバランスは履けない」と言いますが、私は天候に関わらず履きます。それは、汚れても手入れをする楽しさがあるからです。愛情を注ぎ育てるという感じでしょうか。
SNSの問い合わせでも多いのですが、雨の日に私が愛用している一つにちょっと変わり種ですが「MO990」という品番があります。990シリーズ唯一のミッドカットで、M990v4をベースに作られています。v4譲りのミッドソールの機能性とトレッキングシューズとしての耐久性を備えた一足で、山でも川でも場所を選ばずガンガン使用しています。
マニアとして、発売のリーク情報を眺めながら履き心地を想像するという楽しみはやめられません。その中でも、たまにどうしても履き心地が想像出来ないモデルに遭遇することがあります。そうなってしまうともう履くしかありません。
昨年どうしても気になったモデルが「MS574TDT」というモデルです。ドレスシューズに用いられるコバのディテールやシャークソールには心を打たれました。履き心地に関しては正直期待をしていなかったのですが、いざ履いてみるとミッドソールと言うよりアウトソールからの程良いクッション性を感じる事が出来て、慣れるとこのじんわりクッションがクセになります。「東京デザインスタジオ ニューバランス(TOKYO DESIGN STUDIO New Balance)」が提案する新たな574は満足感のある一足でした。
履いてみたいモデル 「MR1906」
過去を遡る事になりますが、履いてみたいモデルの1つに「MR1906」というモデルがあります。
2001年にN-ERGYいうテクノロジーを初搭載したのが「M2000」なのですが、そこからN-ERGYは進化し2009年一新されます。「MR1906」は、その一新されたN-ERGYをフルレングスで搭載したランニングシューズです。メッシュを多用したアッパーとフルレングスN-ERGYの共存は素晴らしい履き心地なんだと思います。
買いたいモデル「M990v6」と「M990TD2」
一足目は「M990v6」です。リーク情報が出回り、2022年に発売が期待されている990シリーズの最新モデルです。詳細が細かく出ている訳では無いのですが、ミッドソールにFuelCell、ENCAPが採用されているという噂があり、これまで長い間揺るがなかったABZORBシリーズからの変化とも言える進化が今から楽しみです。
2足目は「M990TD2」。990シリーズの中で私の足型に最もしっくりきているのが実はv2なんです。M990TD2は、ニューバランス史上初の役職(ニューバランス115年の歴史にこの役職は無い)であるクリエイティブディレクターに就任したテディ・サンティス(Teddy Santis=Aime Leon Dore創設者)が手掛けるコレクションのアイテムです。v2の履き心地に加え、デザイン、素材感、カラー全てにおいて私を虜にしています。M990TD2の別のカラーや、他のモデルも楽しみにしています。
おすすめモデルは?
ニューバランスを楽しむ上で履き心地を他人と共有するというのが私の一番の楽しみかもしれません。今までニューバランスを履いた事が無い人にオススメしたいのは「M990シリーズ」です。
2021年半ばまではずっと「990v5」をオススメしてきました。なぜなら手に入れにくいモデルを勧める事が出来ず、現行モデルであるv5は履き心地も良く簡単に入手出来たからです。他モデルは売っていませんし......。しかし嬉しい事に2021年にv1からv4まで復刻を果たし、990の選択肢が増えました。990v2、990v3、990v4、990v5は全く履き心地が違うのですが、それぞれにファンが多く甲乙付け難いです。2022年以降もコラボレーションなど再販があるかもしれませんので手に取るチャンスがあると思います。ただ、もし迷ったら最新である990v5から試してみてください!
まだまだ紹介したいモデルが沢山あるのですが、今回この様な場で発信出来たのはニューバランスが好きで、色々な方とのご縁があったからだと感謝しております。今後もまだ手にしていない品番を履きながら他のユーザーと議論し、情報を共有して長く楽しんでいければと思っています。そしてSNSやYouTubeでは更に細かい部分について発信しているので、興味がある人は覗いてみてください。「履き心地」というテーマで人と人とが繋がれるスニーカーはニューバランスの他に無いと私は思っています。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【マニアですがなにか】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境