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マニアが深掘り!「ニューバランス」990シリーズの見分け方

ニューバランス 900 見分け方
ニューバランス 900 見分け方

マニアが深掘り!「ニューバランス」990シリーズの見分け方

ニューバランス 900 見分け方

 マニアが「ニューバランス(New Balance)」の魅力を深掘りする「マニアが深堀り! ニューバランス編」。1年365日ニューバランスを着用しているナナビット(nanabit)が、基本情報からうんちくまで様々紹介します。全4回連載の第3回は、人気の900番台について深掘り。履き心地はもちろんですが、ニューバランスの進化を感じる事が出来て知れば知るほど魅了されるはずです!

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 まずは第1回と第2回に続いて、ニューバランスの歴史について少し振り返っていきます。

 世界的な販路とより優れたテキスタイルの調達を求めたニューバランスは、ヨーロッパに工場を設立します。あまり知られていないのですが、始まりは1978年、アイルランド工場でした。その後1982年にイングランドのワーキントンに工場を移転し、1991年に現在のフリンビー工場をオープンさせています。それまでアメリカで「ランニングシューズ」を作り続けてきたのですが、英国の「革靴」と融合を果たす事により、様々な層に支持され注目を集めるようになります。そして1988年にニューバランスジャパンを設立し、アジアでの販路と生産能力の拡大も進み、世界で認知され愛されるメーカーへとなっていくのでした。

 さて、今回は個人的にも大好きな900番台について。履き心地はもちろんですが、ここぞとばかりにニューバランスの進化を感じる事が出来るシリーズだと思います。まずは発売順に、その進化の流れを見ていきましょう。

900番台の代表モデル

ニューバランス 900番台 マニア

900番台:発売当時の最新テクノロジーを搭載している可能性が非常に高い。常に進化し、バージョンアップを続けています。

M990(1982年)

ニューバランス マニア 990v1

M990VS1

 傑作揃いの900番台は990から始まりました。「1000点中990点」というキャッチコピーは40年経った今でも親しまれています。当時100ドル(一般的なランニングシューズが3~4足は購入出来る)という驚きの価格で発売。そのクッション性と安定性、耐久性は、業界はもちろん一般層からも高い評価を得ました。

 900番台の中でも常に最先端技術を取り入れ開発される「990シリーズ」の元祖が、1982年に登場したM990(当時はシリーズとして展開を予定していなかったのかバージョンはついていません)。1998年に今でいうバージョン2(v2)にアップデートされ、2022年3月現在はバージョン5(v5)まで展開しています。この記事の後半では990シリーズのv1からv5までを比較し、見分け方を解説するので是非最後まで読んでください!

M995(1986年)

ニューバランス グレー 995 シューズ 靴

M995DNN

 ポリウレタン素材のソールを搭載したM990のクッション性と安定性をさらに高めるために、ポリウレタンとEVAの2層のミッドソールを採用したM995。安全性向上のために、Nロゴをリフレクター素材にするなどM990からの進化を感じる事が出来ます。過去にはアルゼンチン製モデルが並行輸入されていたこともあったり。個人的にはとても好きなデザインで、また復刻してもらいたいモデルの1つです。

M996(1988年)

ニューバランス マニア 996

M996CHG

 900番台の顔と言っても過言では無いほどの高い知名度を誇るモデルです。細身でスタイリッシュなフォルムとクラシックな見た目は履き手を選ばず、カジュアルシーンでも大人気で今もなお多くの人に愛されています。またENCAPとC-CAPを採用したミッドソールで、高いクッション性を実現。アジア産のCM996も手に取りやすく人気のモデルです。

M997(1990年)

M997ALL ニューバランス マニア

M997ALL

 これまで複数の層で形成されていたミッドソールと踵周りのサポート機能が一体化されたミッドソールを採用し、衝撃吸収性が大幅にアップしました。Nロゴが996より小さめという所や、シュータンの素材などを見てもファッション性が向上した点が感じられます。

M998(1993年)

ニューバランス M998KT 900

M998KT

 衝撃吸収性と反発弾性を兼ね揃えたテクノロジーであるABZORBを初搭載したモデルです。以降990シリーズに欠かせないABZORBの歴史を作ったと言ってもいいでしょう。前作の997同様に、Nロゴは小さめでアッパーにクラシックさを残しつつ、厚みのあるソールはハイテク感が溢れておりバランス感が秀逸です。

M999(1996年)

ニューバランス M999NJ 900

M999NJ

 踵周りのサポート機能を一体化し、997と998の良い所を融合させたモデル。メッシュの面積を広くし屈曲率を高め、走行がより快適になるよう工夫されています。アジア製の999も製造されており、様々なバリエーションが展開されています。

M990v2(1998年)

ニューバランス 990 v2

M990NB2

 900番台が999まで終わり、どうなるかと思っていた所で990に逆戻り。バージョン2(v2)としてリリースされました。ABZORBは外から見える様に可視化しており、「ナイキ(NIKE)」のエア マックスシリーズや、「リーボック(Reebok)」のインスタポンプ フューリーなど、この時代のトレンドとしてハイテク機能の可視化は必要不可欠な要素だったのかもしれません。外からNロゴを縫い付けるのではなく、型取られた革に埋め込む様に配置されており、細かい部分にも手が行き届いたモデルです。

M991(2001年)

ニューバランス M991NGN 2001年

M991NGN

 踵部分だけではなく、前足部にもABZORBを搭載。そして前作の990v2と同様にABZORBは可視化されています。オリジナルはUSA産ですが、現在はUK産の代表的品番として知られています。アウトソールに無数のNが散りばめてあるなど遊び心も感じられる面白いモデルです。

M992(2006年)

ニューバランス 992 100周年

M992GR

 ニューバランス創業100周年の節目に発売されたモデル。進化したABZORB SBSを採用し、高いクッション性と衝撃吸収性を備えています。またTS2(Transitional Support System)が内側への体重の沈み込みを防ぐため、快適に走行できます。そんな992は2020年に復刻を果たしますが、シューレースホールが少なくなってしまうアップデートがなされ個人的にはそのままにしていて欲しかったなと少し残念に思っています。そうした理由から、マニアの間では謎の残るモデルと言われています。

MR993(2008年)

ニューバランス 2008年 MR993GL

MR993GL

 その見た目からよく992と比較されるモデルです。前作992と比べると、前足部ABZORBは2分割され人間工学に基づいた構造のABZORB DTSを採用しています。さらにミッドソールにACTIVAを採用し、軽量化を実現。屈曲率も向上しており、全体的なバランスが良くライフスタイルでもランニングでも対応するオールラウンダーで、頭に付いている「MR」を象徴しているようなモデルと言えます。

M990v3(2012年)

ニューバランス 2012年 M990v3

M990BD3

 990シリーズの第3弾。v3のソールといえばオリジナル発売時から魅了されている愛好家も多いのではないでしょうか。そのクッション性は他モデルでは味わえない随一の物と称賛の声が多く、ハイブリッドモデル(他モデルのアッパーを組み合わせたモデル)を多く生み出しています。

M990v4(2016年)

ニューバランス 990v4

M990AG4

 時代と共に軽量化は進んでいき、v4ではENCAP構造のACTEVA LITE(ACTEVAの上位版)を採用しています。ランニングシューズという概念とファッション的な要素、さらには安定性とクッション性を両立させたモデルだと言えるでしょう。ヘリテージカラーのグレーは、過去の品番よりも白みが強くなっています。

M990v5(2019年)

ニューバランス M990EGN5 990v5

M990EGN5

 2022年3月現在の現行モデルであり、最新の990です。発売当時の最新テクノロジーはもちろん、v4からの進化という点では足首周りや踵部分の安定感が向上したイメージです。近年次作v6が発売されるという情報もあります。990の進化を実感する為にも現在手に入りやすいこのv5は、是非体験していただきたいモデルです。

M920(2020年)

M920PTA ニューバランス 2020年

M920PTA

 2020年に発売された900番台という事で920という品番が付いています。そして、これまで紹介したモデルとはちょっと毛色が違います。というのもソールユニットは990v3と同様のシステムを使用しており、一見「ハイブリッドモデルなのでは?」と思ってしまうからです。しかしアッパー部分はメッシュを多用しており、その伸縮性やフィット感はこれまでに900番台で経験した事の無い履き心地です。この新たな感覚をUKで生み出しているというのもまた新しい時代の流れを感じる事が出来るのではないでしょうか。

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