ロエベ 2022年秋冬メンズコレクション
Image by: LOEWE
「ロエベ(LOEWE)」が、パリで2022年秋冬メンズコレクションのランウェイショーを開催した。クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は今シーズン、変容された現実世界を表現したという。
ショー会場となったパリ テニスクラブには、アーティストのジョー・マクシャとエドガー・モサによるインスタレーションを設置。約4000本のリボンで作られた87本の旗は、"意味を剥ぎ取られた旗"という意味合いを持ち、入り組んだ迷宮のように演出した。
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■身体の露出と変容
今日のリアルとは?
完全性は作りあげられ、不完全性は消去され、幻想と転置は等価です。
コレクションノートは、デジタル時代におけるひずみを示唆するような言葉から始まっていた。ジョナサンの「見かけ通りのものは何もない」という視点が反映された今回のコレクションは、"別の現実世界"のヴィジョンを提示したという。
身体を出発点に、肌に張り付くようなベースウェアや、トロンプルイユの裸のプリント、乳首や臍といった身体の一部を露出するディテールなど、自己を表出するような表現が目立つ。またLEDライトが肌と衣服の間に仕込まれ、身体が光を帯びたような見せ方も、今シーズンの特徴だ。
フープが施されたTシャツとショーツのフォルムは、まるでバグを起こしたコンピュータ上の画像のよう。短丈のモヘアのニットは、一時停止したかのようにワイヤーによって躍動感のある形を作っている。
■人の顔、猫、牡蠣...ユニークなプリント
モデルの顔が逆転してプリントされていたり、Tシャツの裏に施された顔のプリントをマスクのように被ったユニークなスタイルも。パーカとドッキングしたニットドレスにはインコと猫、タンクトップやブリーフには牡蠣の絵柄があしらわれている。
■典型的なスタイルに捻り
男性の典型的なスタイルには捻りが加わり、テーラードスーツは肌着のようにタイトなシルエットに転換。コートにスラックスのパーツがドッキングしていたり、LEDでトレンチコートのアウトラインが光るアレンジも。
カットソーやコートに無数に施された"無の空間を表す"というシルバーの装飾は、排水溝のパーツを連想させる。レザーのコートは、特殊な加工によって半透明に。ニットはグローブと一体化し、極端に長い指がフリンジのように垂れ下がっている。
■変容するバッグやシューズ
バッグは、穴のあいたパーツが施された「キュービィ」、高さのある長方形の 「アマソナ」、そして底が貝殻と合体した「フラメンコクラッチ」といったスカルプチュアルなフォルムを提案。ミニサイズの「パズル」には、ウェアと連動してLEDがデザインされた。
シューズで目立つのは半透明のラバーブーツ。また、"バッグを履く"という新感覚のフラメンコをモチーフとしたブーツなど、足元にも固定観念の脱却や変容するアプローチが反映された。
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