パリ・メンズ・ファッションウィーク2日目となる1月22日、「ルメール(LEMAIRE)」による2025年秋冬コレクションが発表された。ここ数シーズンに引き続き、4区のヴォージュ広場にあるルメールのヘッドクォーターが会場となった。
今年のショーノートの冒頭にはこう書かれている。「実在する人物の生活 - 彼らの個性、欲望、装いの必要性を讃えることで、ブランドの本質を示す」。まさしく、ショーで最も印象的だったのは、モデルとして歩く人たちのインパクトだった。
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これまでのルメールのショーでも、さまざまな年齢のモデルが登場していたが、今回はさらに多彩なキャラクターを持った人々が起用されていたように思える。施されるヘアとメイクアップは、個性を抑えて全体の均一を図るのではなく、それぞれの存在を尊重しアップグレードさせるかのように、キャラクターごとに異なっていた。
Image by: LEMAIRE
そのコンセプトはモデルのウォーキングにも貫かれていた。冷たく無表情なのではなく、リラックスした自然な態度で、時に観客の目を見つめ、時に微笑む。実に生き生きと、大胆に、自信に満ち溢れていた(ショーのルック画像よりも、映像の方がより伝わるだろう)。
もちろん、キャスティングだけが、今回のショーで語られることではない。服の魅力が、人を際立たせている。丁寧にスタイリングされたルメールの服は、人の個性を存分に引き出しながらも、しっかりと“ルメール色”に染めてもいた。バルーンスカートやスリーブを中心としたシルエットの探求は興味深く、いつもより力強いショルダーラインも目を引く。ストラップやパイピングなど、細かいディテールにも抜かりはなく、スリーブにプリーツが入り、フロントに大きなポケットが配されたシンプルなセットアップも新鮮に映った。
Image by: LEMAIRE
Image by: LEMAIRE
Image by: LEMAIRE
Image by: LEMAIRE
Image by: LEMAIRE
Image by: LEMAIRE
オーストリアの工芸家カール・オーボック(Carl Auböck)の工房とコラボレーションによる拡大鏡がついたネックレスやフェザーのアクセサリーなど、一癖あるアクセサリーがモデルの個性をさらに引き立てている。時折、赤やパープルといった色がアクセントをつけるものの、全体のカラーパレットはダークトーンであり、だからこそ素材感が際立つ。レザーやコーティングコットンといった光沢素材も品良く差し込まれていた。
Image by: LEMAIRE
服や態度を通じて抽象的なムードを見事に具体化し、鮮烈なヴィジュアルコミュニケーションを見せつけたルメール。彼らの服が、現実を生きる人々から支持を得ている理由を、改めて痛感させられた。
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