新生「ラコステ」デビューショー
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
場所はパリ16区、ブローニュの森にあるテニス競技場「ローラン・ギャロス・スタジアム」。赤土のクレーコートで知られ、数々の名試合が繰り広げられてきた地だ。このテニス界の聖地を舞台に、「ラコステ(LACOSTE)」が新クリエイティブ・ディレクターのペラジア・コロトロス(Pelagia Kolotouros)によるデビューコレクションを発表。ラコステの新章のスタートを、日本から招かれた鈴鹿央士、石井杏奈、アオイヤマダ、新たにアンバサダーに就任したワン・イーボー(王一博)など、国際色豊かなゲストが観客席から見守った。
ペラジア・コロトロスとは?
ギリシャ系アメリカ人デザイナー。アメリカ・ニューヨークのParsons School of Designを卒業。「セオリー(Theory)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「アディダス(adidas)」などを経て、2023年1月にラコステのクリエイティブ・ディレクターに就任。ルイーズ・トロッターの後任としてクリエイティブスタジオを統括し、メンズ・ウィメンズの全コレクションを手掛ける。コラボレーションやラコステに関わるクリエイティブコミュニティも監督する。
舞台はテニスの聖地 ローラン・ギャロス
9日間にわたって開催されるパリ・ファッションウィークの最終日。数日ぶりの晴れ間がのぞいた3月5日、ラコステにとって2年半ぶりとなるランウェイショーに注目が集まった。
新生ラコステのデビューを見届けるため、招待客が向かったローラン・ギャロス・スタジアムは、ブランドにとってゆかりのある場所。創業者のルネ・ラコステは、プロテニス選手として1927年にアメリカのデビスカップで優勝した最初のフランス人であり、その歴史的な勝利がスタジアムの建設に至ったのだという。その中でも最大規模のセンターコート「コート・フィリップ・シャトリエ」が今回の舞台となった。
スポーツとファッションのエレガントな掛け合わせ
2024年秋冬コレクションのタイトルは、ルネの偉業をなぞる「Victory of 1927(1927年の勝利)」。ショーがスタートすると、コートの中央に設けられた赤土の山をモデルがぐるりと登っていく。
ブラックに鮮やかなグリーンを効かせたメンズとウィメンズのコートやジャケットは、上質でオーセンティックなアイテム。インナーにトラックジャケットを合わせるなど、ファッションとスポーツの融合をいち早く取り入れたラコステならではのスタイルを継承しつつ、エレガントでマチュアな装いに仕上げている。ケーブルニットやスカーフ柄など、フレンチシックなムードも添えられた。
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
テニスのコードを再考 ワニをモダナイズ
ルネの発明品のひとつであるポロシャツや、スコートを連想させるプリーツスカートなど、テニスに関する様々なコードやアーカイヴを再考。大胆に配置されたグラフィックプリントにはルネがスマッシュする姿、ポップアートのようなジャカードはルネのデビスカップ優勝から着想を得ている。
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
ラコステのアイコンであるワニのモチーフを、ルネとアーティストのロベール・ジョルジュによってデザインされたイラストに基づきモダナイズ。ルネが「ワニ」の異名を持つようになった所以であるワニ革のスーツケースは、時代を越えてクロコ模様のバケットバッグとなって登場した。
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
Image by: LACOSTE
最後は全モデルがコート上に立ち、圧巻のフィナーレに。グリーンやホワイト、テラコッタブラウン、スパンコールの輝きなど、モダンなカラーと様々なテクスチャーが赤土を彩った。
多彩なゲストが新生ラコステを祝福
ゲストとして日本から訪れた俳優の鈴鹿央士、女優・ダンサーの石井杏奈、ダンサーのアオイヤマダは、それぞれファッションとスポーツに個性を掛け合わせたスタイルで来場。臨場感のあるショーを、音楽や壮大な演出とともに体験し、刺激を受けたという。
鈴鹿央士
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
鈴鹿央士
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
「ファーストルックのコートにやられました。今すぐ着てみたい」(鈴鹿央士)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
「ヒール付きのスニーカーなど、特に靴が全部かわいくて気になりました」(石井杏奈)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
「スポーツとファッションの歴史を作ったのがラコステなんだということを肌で感じて、一人の人生を見ているようでした」(アオイヤマダ)
ワン・イーボー(王一博)
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
チョン・ソミ
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
アン・ヒョソプ
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
ルネ・ラコステが世界一のテニスプレイヤーに輝いてから、間もなく100年。ペラジア・コロトロスの指揮によるラコステの新たな歴史のスタートが、大きな拍手によって祝福された。
Photo: LACOSTE , Koji Hirano
Composition & Text: Chiemi Kominato (FASHIONSNAP)
Realization: Shiori Nagaoka (FASHIONSNAP)
PAST ARTICLES
【注目コレクション】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境