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謎多きブランド「コッキ」とは? 識者が語る、過渡期を迎えたブランドの現在地

Image by: KHOKI

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謎多きブランド「コッキ」とは? 識者が語る、過渡期を迎えたブランドの現在地

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 謎多きブランド「コッキ(KHOKI)」が、2月12日に、2023年3月ぶりとなるランウェイショーを開催する。今回FASHIONSNAPでは、2章に分けてコッキを取材。今回は識者の言葉を通じて、ブランドの現在地を探る。

 コッキは東京を拠点に活動するデザインチームが2019年に立ち上げたブランド。アメリカンキルトや、インドの刺繍(カンタやスザニ)、伝統技法を取り入れながら、新しさとノスタルジアが共存するものづくりが特徴だ。また、コッキのアイテムだけでなく、チームメンバーの私物などを購入できるユニークなオンラインショップ「EYE」も展開。2023年の日本のファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD」を受賞し、2024年には「LVMHプライズ」のセミファイナリストにも選出され、いま勢いに乗っている。

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 ディレクターのKokiはメディアに顔出しをせず、インタビューにもほとんど応じないため、ミステリアスなブランドとして知られてきた。個人の露出を控えるのは、セールスやPR、生産管理、パタンナーまで、顧客の元に商品が届くまでのすべてのプロセスがデザインの一部であり、ディレクターもその歯車の一つにすぎないという考えによるものだ。

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 これまでは積極的なPRを避けてきており、前回のショーもクローズドで開催した。しかし、Kokiは「もっと多くの人に自分たちのものづくりを知ってほしいと思うようになりました」と、考え方に変化があることを語った。今回ショーを開催する理由のひとつについて、「ブランドは少しずつ大きくなり、社内のメンバーも増え、コッキは変わりつつあります。その中で、ショーとものづくりを通して、自分達の指針を改めて確立したいと考えました」と説明。コレクション制作に着手する前からショーでの発表を決めており、コッキの個性をより可視化したものになるそうだ。

 「同世代のものづくりのワールドカップ」とKokiが例えるLVMHプライズへの参加は、コッキとしても大きな転機になったようだ。「どのブランドもイメージ作りが上手で、驚くほどしっかりしたビジネスプランを持っている。まず作ってから振り返って考える僕らとは対局だったが、一方で、ものづくりの重要性を再認識することができました」。

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 それは、他には真似できないものづくりの強度とクオリティを追求するということだ。「表層だけなら誰でもコピーできる時代だからこそ、デザインの背景が重要です。例えば、コッキのアメリカンキルトはインドの職人が刺繍していますが、そもそもインドにはアメリカンキルトを刺繍する文化はないので、職人とともに時間をかけて技術を培っていく必要があります。地道に取り組まなければクオリティも上がらず、職人との関係も築けません。コミュニケーションが難しいこともありますが、それを乗り越えることで、他では不可能なプロダクトの強さが生まれるのです」。

 そんな唯一無二のプロダクトは世界のマーケットでも際立ち、コッキのものづくりは海を越えて高く評価されている。LVMHプライズの選出は、「ドーバー ストリート マーケット パリ(DOVER STREET MARKET PARIS)」のバイイングにも繋がった。そんなコッキの躍進について、さまざまな立場の人の意見を聞いてみたい。ブランドにゆかりのある小木“Poggy”基史、Seiya Nakamura 2.24の中村聖哉、PROLETA RE ART デザイナーPROT、Vogue Runwayのジャーナリストであるアシュリー・オガワ・クラークの4人に、コッキの魅力を語ってもらった。

小木“Poggy”基史
ファッションキュレーター


 前回の東京でのショーは、本当に衝撃的でした。会場には使い古された木箱が敷き詰められ、天井はドレープ感のあるシーチングで覆われており、シンプルでありながら明らかに異彩を放っていました。東京のデザイナーの強みとも言える歴史やアーカイヴを再解釈して丁寧に作られた服に、ヘッドピースや凝ったアクセサリーがモダンさを加えていました。ひとつひとつのルックからオーラが感じられ、人々の感覚を研ぎ澄まし、魂に訴えかけるような素晴らしいショーでした。

 その後、コッキは展示会ベースで発表を続けていましたが、自分としてはやはりショーで見たいブランドです。それほどまでに、彼らのランウェイには他にはない強さと魅力があります。次のショーが待ち遠しいです。

中村聖哉
Seiya Nakamura 2.24 ファウンダー


 僕はコッキの海外セールスを担当しています。このブランドは、いろいろな意味でのバランス感覚、素材感やディテール、空気感が際立っています。今の日本のブランドの中でも、海外でも通用するアイデンティティがあり、グローバルレベルで理解してもらえるような洋服や空間の作り方、ヴィジュアルコミュニケーションなどが絶妙です。

 また、非常に理解力があり野心的で、僕が1を言うと10理解してくれるほどの知性が、服にも現れている。ポップだけどミステリアスという、ポップになりすぎないようなバランス感覚や、さまざまなものを理解し、すべてを見ているからこそ生まれる抜け感もいい。既に世界有数の店舗に取り扱われ始め、2025年秋冬シーズンはこちら側が取扱先を絞る程に引き合いもあるので、これから更に世界に認知されていくでしょう。

PROT
PROLETA RE ART デザイナー、代表 


 コッキとは、4年ほど前からの付き合いです。得意な分野でお互いをサポートをしあい、持ちつ持たれつの関係で仲良くさせてもらっています。アンティークキルトの素材使いやインドの手刺繍など、絶妙なクラフト感や温かみが魅力的ですが、特にボトムスのシルエットの美しさや履き心地への配慮がとても気に入っています。歴史あるメゾンで経験を積まれたパタンナーの方々の技が光っています。以前のコレクションに登場したキルティングのサイドラインが入ったトラウザーは、素材、着心地、シルエットが最高で、全色購入して冬の間ずっと履いていました。アイテム一つ一つの良さはもちろんですが、チームの皆さんがとても親切で、人柄が良いこともコッキの大きな魅力の一つだと思います。

Ashley Ogawa Clarke(アシュリー・オガワ・クラーク)
Vogue Runwayのジャーナリスト、批評家


 コッキを知ったのは、2023年3月に東京ファッションウィークでランウェイショーを見たのがきっかけでした。デザイナー自身の素性を公表せず、「服そのもの」で評価されたいと考えていると聞いたとき、その謙虚さにとても興味を惹かれました。ファッション界では珍しい姿勢ですから。それ以来、注目して追い続けています。

 チーム内での連携や、どこか子どものような創造力溢れるアプローチは、卓越したデザインスキルと融合しており、私の意見では、この10年で日本から登場した最も興味深く魅力的なブランドのひとつです。特に気に入っているのは、すべてのアイテムにどこかファンタジーをまとわせながらも、着やすさをしっかり保っていること。それがコッキの魔法だと思います。

エディター / ライター / プロデューサー

上岡 巧

KO UEOKA

1993年生まれ、東京出身。早稲田大学社会科学部卒業。メンズファッション誌『Them magazine』編集部を経て、2022年に独立。ロンドン生活の後、現在はパリに拠点を移し、フリーランスとして活動する。

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