ハルタ ブランドヴィジュアル
Image by: ハルタ
日本の風土や日本人の足に合う良質な革靴の提供と普及を目的に活動するNPO団体「日本靴工業会」。同団体に参画する企業を歴史や注目のトピックス、定番アイテムから紐解いていきます。
今回はローファーのパイオニアとして知られる「ハルタ(HARUTA)」編。使用済みペットボトルで作るリサイクルポリエステル「ECOPET®」を使った商品や、ブランドのシグネチャー「スポックシューズ」を紹介します。
ハルタの歴史
ハルタは、1917年に春田製靴店として開業し、製造販売業をスタート。1948年にハルタ製靴を創立して子ども靴の生産を開始しました。1955年にハルタスポックシューズ、1956年に婦人靴のコインローファー、1957年に男子靴のセメント式製法を日本で最初に取り入れた紳士ローファーを発表。1964年には輸出用スケート靴の生産に着手し、一般靴と合わせて16万5千足を販売。日本の輸出実績で1位を獲得したそうです。2011年には横浜赤レンガ倉庫に直営1号店をオープン。同年9月に中国 蘇州の泉屋百貨に中国直営1号店を出店しました。
1956年に誕生した日本で初のローファーシューズとなる婦人コインローファー。当時の社長である春田余咲氏がアメリカ靴産業を視察した際に、玄関で靴を脱ぎ履きする日本の文化とマッチしていると感じたことから開発に至ったそうです。その後ローファーは学生靴として広く浸透。ルーズソックスに対応した「ワイドローファー」、制服ファッションと相性の良い「おでこローファー」、スタイルアップが可能な「ヒールローファー」など幅広く展開されています。ハルタは現在国内のみならず韓国や中国、台湾、香港など東アジアを中心にローファーを展開しています。
注目のトピックス
そんなハルタの注目トピックスを紹介。使用済みペットボトルで作るリサイクルポリエステル「ECOPET®」を使った商品開発や、同ブランドのシューズに採用されている超軽量素材「XL EXTRALIGHT®」について解説していきます。
ペットボトルから作る人工皮革「ECOPET®」を採用
ハルタは、使用済みペットボトルで作るリサイクルポリエステル「ECOPET®」を使った商品を展開。ECOPET®は、国内のリサイクル繊維の中で長い歴史を持ち、スポーツウェアやランドセル、電車のシートなどでも活用されています。本革に近い質感で、軽量で水に強く手入れも簡単なことが特徴で、定番のコインローファーをはじめ、タッセルローファーやミュール、レースアップシューズなど幅広い種類のアイテムに採用されています。
ソールに超軽量素材を使用し、柔軟性と衝撃吸収性を追求
ハルタは、イタリアのFinproject®社が独自で開発した超軽量素材「XL EXTRALIGHT®」をソールに採用した商品開発にも力を入れています。スリッポンやレースアップシューズ、ローファーなど様々なアイテムに用いられているXL EXTRALIGHT®は、高い柔軟性と衝撃吸収性が特徴。歩行時にソールが曲がりやすい事で地面との接地面積を大きくなり安定した歩行を実現し、高い衝撃吸収性によって足の疲労感を軽減してくれます。
XL EXTRALIGHT®を使用したアイテムのヴィジュアル
Image by: ハルタ
定番を知る:元々は医師や僧侶の履き物「スポックシューズ」
スポックシューズは、1955年に開発され約70年の歴史を持つハルタのシグネチャーシューズ。元々はドクターシューズとして医師や僧侶の履き物として展開していましたが、現在は、履き口の特徴的なV字のカッティングやミニマルなデザインからカジュアルシューズとして人気を博しています。カラーはブラックとローターの2色を展開し、サイズは24cm〜27.5cmを用意。価格は税込9680円です。
ハルタの定番シューズ「スポックシューズ」
Image by: ハルタ
ハルタが参画する「日本靴工業会」とは?
日本靴工業会は1950年に設立。1992年に名称を「日本靴工業会」に変更し、2006年にNPO法人「特定非営利活動法人 日本靴工業会」に改組しました。日本の風土や日本人の足に合う良質な革靴の提供と普及を目的に、革靴の品質や使用に関する情報提供や相談事業をはじめ、革靴の規格(JIS)の制定や消費者相談に関する活動、海外での製靴業に関する調査、製造工程において生じる環境問題への対応など幅広い活動を行っています。現在は大塚製靴、東立製靴、ハルタ、マドラス、ムーンスター、リーガルコーポレーションなど全10社が参画しています。
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