インサイド

伝統的なスーツスタイルをハイブリッド化　会場となったのはパリ5区のソルボンヌ大学。近代的なビルが建つ中庭全体がランウェイとなり、初夏の日差しが降り注ぐ中でショーが行われた。　ファーストルックはまるでワークウェアのような肩の落ちたサイズ感と、ステッチが施されたダブルのピンストライプスーツ。ノースリーブジャケットの裾はペプラムデザインでボリューミーなシルエットに仕立てられている。ピンストライプのスーツ地の裏はデニム素材で、襟の折り返しやプリーツのひだ、ベルトなどからデニムのブルーがのぞく。スーツ地とデニムを表裏でドッキングした「インサイド・アウト」の手法を用いながら、トラディショナルなスーツをハイブリッドに表現した。これらはデザイナーの阿部千登勢が制服を人と違った見せ方をするためにアレンジした学生時代の記憶からインスピレーションを得たという。2シーズン目の「カーハート」コラボ　前シーズンに続く「カーハート」との協業アイテムも多数登場。コレクションと連動し、ジャケットスタイルの裏地はカーハートの代名詞でもあるダック生地を採用。ポケットやスナップボタンのディテールで、エレガントでフォーマルなジャケットスタイルにワークウェアのエッセンスを取り込んだ。また2枚のジャケットを組み合わせたデザインや、オーバーオールとプリーツドレスのドッキングが目を引いた。表裏をひっくり返したようなインサイド・アウトのジャンプスーツやジャケット、エプロンスカートなども登場し、サカイらしい表現で相対する素材を掛け合わせることで、服に新たな視点を与えている。　大胆なフラワーモチーフは、カッティングされたモールスキン素材を縫い付けた切り絵のようなパッチワークで表現され、会場の熱気も伴い陽気なサマームードを加速。Tシャツにプリントされた「KNOW FUTURE」は、「NO FUTURE」という悲観的なワードをポジティブな未来を見据えるために置き換えた阿部のステイトメントを込めた言葉遊びだ。プリーツから生み出される新たなシルエット　サカイに欠かせないプリーツは、細かな直線的なものではなく、少し捻って曲線的なニュアンスを伴いスカルプチュアルなシルエットを生み出したり、ノースリーブのトレンチコートやジャケットの首元からAラインに広がるシルエットを作る。ペプラムスカートやバルーン気味のショートパンツなどを合わせ、"ボリュームの実験"というプレイフルな概念で新しいシェイプを構築した。スタイリングを完成させるシューズ　スタイリングの仕上げは、プラットフォームシューズで足元にボリュームをプラスするのがサカイ流。メンズはドレスシューズに、ウィメンズはパファーブーツやスライドサンダルにヴィブラム（Vibram）ソールをドッキングし、タフなアクセントを添えた。

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