インサイド

 ビクトリア・ハーバーを臨むスイートルーム　香港を象徴する高層ビル群に光が灯り始めるマジックアワー。ハーバービューのホテルの一室に、大平修蔵の姿があった。 　この日の装いは、最新の2024年春夏メンズ・プレコレクションからチョイスした、テーラード仕立てのコットンシャツ。ピクセル状に描かれた世界地図に、モノグラム・パターンが組み合わされている。大陸や文化を越えたフレンドシップにオマージュを捧げたというデザインで、グローバルに活躍の場を広げる修蔵の姿に相応しいスタイルだ。　ボディバッグのように身につけているのは、アップデートされた｢スティーマー・ウェアラブル ウォレット｣。ブリーチ加工したデニムから着想を得たという、炎のようなパターンがインパクトを放つ。　旅の相棒は、伝統とモダンが融合するスーツケース「ホライゾン 55｣と、アイコニックなバッグ「キーポル・バンドリエール 50」。鮮やかな7色のバリエーションで登場した｢ルイ・ヴィトン カラーマニア｣のシリーズで、ブルーのトリミングがアクセントとなっている。 　日が沈み、街が賑わいに包まれる頃、ホテルを後にしてハーバーフロントを目指し歩みを進める。羽織ったシアリングのフード付きブルゾンはリバーシブル仕様。裏返せばレザーのソリッドなデザインを楽しめる、変化に富んだアイテムは旅に最適だ。アベニュー・オブ・スターズが絶景のランウェイに　6月にパリで発表されたファレル・ウィリアムスによるデビューコレクションは、「太陽」がテーマとなり夕暮れ時にショーが行われたが、今回のテーマは「月」。ショー会場の「アベニュー・オブ・スターズ」に差し掛かると、目の前に夜空と海、そして大パノラマの夜景が広がる。ヤシの木、白い砂、そして地面に敷かれたLEDには打ち寄せる波が映し出され、まるで南国の夜の浜辺を歩いているかのよう。　アジアをはじめ世界各地からセレブリティらが集い、会場は華やかな社交場のムードに。大ファンだというラッパーのスウェイ・リー（Swae Lee）と挨拶を交わした修蔵。スウェイは、今回のショーのサウンドトラックを担当したことを明かしてくれた。 ハワイから香港へ　航海と旅を描いたコレクション　夜8時過ぎ、440メートルにおよぶ歩道に50人のウクレレ奏者がずらりと並び、生演奏がショーの幕開けを祝福。心地よい潮風が吹く中、爽やかなマリンテイストのファーストルックが登場した。　ルイ・ヴィトン 2024年プレフォール メンズ・コレクションが表現するのは、航海を通じた旅のエネルギー。ファレル・ウィリアムスが提案するダンディなシルエットのテーラリングを軸としながら、船乗りのワードローブを再解釈するなど、海のエスプリが盛り込まれた。　セーラーカラーのバーシティジャケット、アロハシャツ柄のテーラードスーツなど、既存の垣根を超えるジャンルレスなスタイルはファレルならでは。ウクレレ、サーフボード、カニ型のチャームといった、遊び心を感じさせるデザインも視線を集めた。　修蔵がルイ・ヴィトンのショーを体験するのは5回目。そのうち1回は、2020年に東京で開催されたショーでモデルに抜擢され、ランウェイを歩いている。　ファレルによる新たなルイ・ヴィトンについて「ストリートに馴染むスタイルの中に、ダブルのジャケットやワイドパンツなどシックなスーツルックも多く、今の時代にマッチしているなと感じます」と修蔵。今回の新作コレクションで気になったのは、クラフトワークを感じさせるレザーアイテム。「最近レザーにハマっていて。ジャケットやセットアップが輝いて見えました」と振り返る。そして、それらを引き立てたショーミュージックも深く印象に残ったという。夜空をジャックした圧巻のドローンショー　フィナーレを演出したのは、壮大な規模のドローンショー。香港の夜空をジャックし、ラストはキーメッセージ「LVERS（"LOUIS VUITTON"と"LOVERS＝恋人たち"の造語）」が浮かび上がった。色鮮やかな香港の街と、エネルギッシュなファッションショー。まさに恋をするような高揚感に満ちた一夜となった。SHUZO's Hong Kong Diary

LOUIS VUITTON

Fashion

2024年プレフォール メンズ・コレクション

「ルイ・ヴィトン」メンズ 香港ショーに密着　大平修蔵が体験した色鮮やかな一夜

王宮の中庭で初のショー　景福宮は14世紀に建設された王宮で、重要な儀式が執り行われていた中庭でファッションショーが開催されるのは今回が初めて。石造りの中庭を光の演出で幻想的な空間に変え、「パラサイト 半地下の家族」や「イカゲーム」の音楽監督でもある作曲家 チョン・ジェイル（Jung Jae-il）による楽曲が鳴り響いた。　なおグッチは新たなクリエイティブ・ディレクターとしてサバト・デ・サルノ（Sabato De Sarno）を任命しているが、デビューショーは9月を予定しているため、今回はデザインチームによるコレクションとなっている。韓国の伝統と文化が鍵に　コレクションの鍵となったのは開催地である韓国の文化やスタイル。胸元に施されたシルクのリボンはチマチョゴリのオッコルン（胸の紐）から着想。チマ（スカート）を思わせる彫刻的なロングスカートなど、伝統衣装のエッセンスを取り入れている。スケートボードやサーフボードを持ったモデルたち　また、漢江でウィンドサーフィンやジェットスキーを楽しむ人々のスタイルに着目し、ウェットスーツなどのスポーツウェアをストリートウェアと融合。フォーマルウェアのマテリアルやテクニックをカジュアルウエアに用いて、新たなラグジュアリースタイルを提案した。　スケートボーダーのようなボリューム感あるドレスコードは、韓国のハイブリッドなストリートファッションを反映したという。実際にスケートボードやサーフボードを持ったモデルも登場した。取り外し可能なスリーブなど、デザインの脱構築もポイントに。 　ピンクのゼリーや猫の手のグラフィックは、ソウルを拠点に活躍するアーティスト ラムハン（Ram Han）の作品。どこかシュールでノスタルジアを感じさせるアートワークが、ドレスやシャツを鮮やかに彩った。 90年代後半のシルエット　1990年代後半のグッチを彷彿とさせるシルエットや、ブランドのシグネチャーもコレクションを構成する要素の一つ。ホースビット付きのレザーチェーンバッグは様々なバリエーションで展開され、アーカイヴから引用されたミニマルなバッグは、カラフルなスキューバダイビングのマテリアルで再解釈している。　台形のフォルムにホースビットをあしらったチェーンバッグはシャイニーカラーやプレシャスレザーで登場し、煌めきをプラス。ダブルGのモノグラムやウェブ ストライプなど、アイコニックなデザインコードがモダンに昇華した。　アクセサリーとして注目を集めたのは、巨大なチェーンやパールのモチーフ。チェーンはネックレスやベルト、イヤリングとして登場し、パールは何重にも重ねたネックレスやブローチとして存在感を示した。  志尊淳など各国のセレブリティが集結　会場には約570人のゲストが集結。日本からはグローバル・ブランドアンバサダーの志尊淳をはじめ、三吉彩花、高橋文哉らが来場した。New Jeansのハニ（HANNI）やシンガーのIU（アイユー）、俳優のシン・ミナ（Shin Min-a）やイ・ジョンジェ（Lee Jung-jae）といった韓国のセレブリティが多く訪れ、また世界中からも特別なゲストがショーを体験。またアフターパーティーでは、ジェイ・パーク（Jay Park）やエイサップ・ロッキー（ASAP Rocky）らがライブパフォーマンスを繰り広げた。

GUCCI

伝統と文化のハイブリッド 「グッチ」が韓国ソウルで壮大なショー開催

ゴンドリー兄弟が手掛けた映像とのリンク　今回、プロローグとして上映されたショートフィルムとショーデザインは、ミシェル＆オリビエ・ゴンドリー（Michel Gondry and Olivier Gondry）監督が担当。ケミカル・ブラザーズのミュージックビデオ「Star Guitar」や映画「エターナル・サンシャイン」で知られるゴンドリー兄弟らしい、遊び心あふれるクリエーションとなった。　コレクションの根幹にあるのは、成長のストーリー。ショートフィルムでは分娩室で生まれた赤ん坊がやがて少年、青年へと成長する様が描かれ、その時々の宝物をルイ・ヴィトンのバッグに詰め込む場面が繰り返される。そして、部屋に貼られたスペインの歌手・ロザリア（Rosalía）のピンナップが映し出されると、ステージ上にロザリア本人が登場し、ショーがスタート。ランウェイには複数の部屋で構成された子供部屋のセットが組まれ、映像とランウェイがリンクした刺激的な演出となった。ぼんやりとした未来のビジョン　前シーズンに引き続き、スタイリングを手掛けたのは「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー（OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™）」のアート＆イメージディレクターを務めるイブラヒム・カマラ（Ibrahim Kamara）。ルイ・ヴィトンの前クリエイティブ・ディレクターである故ヴァージル・アブロー（Virgil Abloh）が提唱したストリートラグジュアリーのスタイルを踏襲している。　前半に登場したのは「早く成長したい」という思春期の感情を反映したテーラリングジャケット。ボクシーなシルエットやチェック柄を取り入れたスタイルが目を引いた。　また、デジタルネイティブ世代の感覚を反映し、ぼやけたりんご（Apple TVのメタファー）やピクセル画風に拡大された目のモチーフも登場。胸元には「FANTASTIC IMAGINATION?」といった文字が躍り、若者たちの抱く「輝かしい未来へのぼんやりしたビジョン」を投影したという。モデルたちはダーツに興じたり、壁に落書きしたり、チェスで遊んだりと自由に動き回り、永遠の“少年性”を体現している。 メタリックに輝くアクセサリー　メタリックなアクセサリーの今回の鍵に。シルバーのグラデーションを取り入れたボストンバッグ「キーポル」のほか、グローブやスニーカーもメタリック仕様。また、テンプルがなく、頭の上から被るようなデザインのサングラスもフューチャリスティックな雰囲気を醸し出す。「パレイドリア」の迷彩フェイス　そして「キッドスーパー」でも取り入れられるカモフラージュ柄のデザインもフィーチャー。これは「パレイドリア」と呼ばれる、視覚刺激や聴覚刺激を自分のよく知っているパターンで認識しようとする心理現象を表現したもの。男性の顔を模ったパッチワークがモノグラムのレイヤーと組み合わさり、ジャケットやスーツケースなどにダイナミックにあしらわれた。　また、カラフルなアートワークも魅力的。こちらもコルムが手掛けた作品で、人物や動物がルイ・ヴィトンのダミエ柄と共に描かれている。そのほか、クロワッサンやりんごをプリントしたバッグや、複数のミニバッグを貼り付けたようなデザインのトートバッグなど、遊び心あふれるアクセサリーが豊作。まさに少年のおもちゃ箱をひっくり返したようなムードのアイテムが揃う。世界中の言葉で描かれた手紙　ファンタジックなクリエーションの中でも特に注目を集めたのは、白い便箋や封筒をあしらったルック。これは多国籍なスタジオのメンバーがそれぞれの母国語で書いた手紙をスキャンしたものだそう。リアルな筆跡が布やレザーにステッチされ、スーツやバッグにその断片が取り入れられた。こららは、様々なクリエイターが集結した今回のショーを象徴するようなルックとなっており、あらためてメゾンの創造性やクラフツマンシップ、ショーマンシップを強く印象付けた。 岩田剛典ら、セレブリティが来場　会場には、ルイ・ヴィトンのアンバサダーでEXILE／三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典をはじめ、GENERATIONSの佐野玲於、BTSのメンバーであるJ-HOPE、アッシャー（Usher）など豪華ゲストが来場。また、K-POPグループ ガットセブン（GOT7）のメンバーで、ソロアーティストとしても活動するジャクソン・ワン（Jackson Wang）は新たなブランドアンバサダーに就任したことが発表された。

子供部屋から発信するファンタジー「ルイ・ヴィトン」2023年秋冬メンズ

■「ルイ・ヴィトン×草間彌生」第1弾：2023年1月1日（日･祝）第2弾：2023年3月31日（金）ルイ・ヴィトンの各店舗で販売開始予定ラインナップ：プレタポルテ／バッグ／シューズ／アクセサリー／ラゲージ & トランク／フレグランス新宿駅東口：草間彌生が画面から飛び出る3D動画　JR新宿駅・東口駅前広場前の交差点頭上に注目です。湾曲した最新の4Kディスプレイには、カボチャを被った"アバター草間彌生"が登場。横断歩道の行き交う人々を覗き込んでいるかのようなシュールな3D動画が流れています。まるでディスプレイから飛び出てくるような臨場感のある1分弱の映像は、信号待ちの人や行き交う人々も思わず見入ってしまうほどのインパクト。■新宿駅東口 3D動画広告期間：〜2022年12月7日（水）上映時間: 7:00〜25:00渋谷スクランブル交差点：ダイナミックな広告ジャック　世界的にも知られる渋谷のランドマーク、スクランブル交差点では、左から右までマルチヴィジョンをジャック。アバター草間彌生の頭上にモデルが乗っかり、ひょこっと顔を出している一連の動画が8面に映し出されています。シンプルな白背景に赤毛のおかっぱ頭と、街の喧噪に相反するような静寂さが流れるBGMが印象的。さまざまなネオンが混在する渋谷の風景の一部として、ダイナミックに展開されています。■渋谷スクランブル交差点期間：〜2022年12月5日（月）上映時間：9:00〜24:00東京駅前行幸通り：丸の内で体験したい3スポットインスタレーション　東京駅丸の内中央口から皇居前の和田倉門交差点をつなぐ行幸通りには3つのスポットが展開。一つ目はガラス張りのボックスインスタレーションです。こちらは、スマートフォンでQRコードを読み込んでインスタレーションをタップすると、ユニークなAR（拡張）フィルターが作動するという仕組み。撮影した静止画や動画はダウンロードしてSNSなどにも投稿ができます。いくつかのスポットで設置されたARフィルターは各ロケーションに応じて異なるバージョンで登場するので、ぜひ全部制覇してみて。セルフィーで撮るとまた違ったエフェクトが現れるかも...？■東京駅前行幸通りインスタレーション期間：〜2022年12月25日（日）時間：11:00〜22:00＊ARありスケートリンク　ホリデーシーズンの風物詩、スケートリンクもコラボ仕様に。行幸通りに今年初めて設営された期間限定のスケートリンクは、縦9メートル×横26メートルの広さ。表面が氷でなく、樹脂でできたエコ仕様のリンクなんだとか。LV フィッシュ・カフェ　寒空の中スケートを楽しんだあとには、温かいドリンクなんていかがでしょう？ スケートリンク横にオープンした「LV フィッシュ・カフェ」ではクランベリージンジャーティーなどのメニューを"フィッシュカー"で提供しています。■東京駅前行幸通りスケートリンク＋LV フィッシュ・カフェ（＊ARあり）期間：〜2022年12月25日（金）時間：11:00〜20:00※スケートリンクの利用は要予約プリンス芝公園／東京タワー：街のシンボルもドット仕様に　東京タワーのお膝元、芝公園エリア周辺に近づくやいなや、ドットカラーの特別仕様に点灯された東京のシンボル、東京タワーが目に飛び込んできます。12月は16日〜18日、23〜25日に再びスペシャルライトアップの東京タワーを見ることができるので要チェックです。　カラフルな東京タワーを背に写真に収めたいのは、プリンス芝公園に展示された草間彌生の代表的な作品の一つでもあるカボチャの浮遊するオブジェやメタルドットで形作られたLVロゴのインスタレーション。こちらもARフィルターでの撮影が楽しめるフォトスポットです。■プリンス芝公園インスタレーション期間: 〜2022年12月29日（木）時間：8:00〜22:00（ライトアップ 16:00〜20:00）※最終日12月29日のみ20:00まで■東京タワー期間：2022年12月16日（金）〜18日（日）、23日（金）〜25日（日）*追加時間：17:00〜24:00＊どちらもARあり増上寺：東京の名所も水玉一色　増上寺では「ペインティッド ドット」を施したインスタレーションが登場。ARを通して映し出されるポップなドットは荘厳な大殿と、アーティスティックに融合。背景の東京タワーと一枚の写真に収めると、まるで一つの作品のように見えます。■増上寺 期間：〜2022年12月5日（月）時間：8:00〜22:00 ＊ARあり※12月5日のみ8:00〜18:00（ライトアップ16:00〜20:00）※参道のペインティッド ドットは撮影日のみの演出　東京の街全体をキャンバスに、ルイ・ヴィトンと草間彌生のビジョンが描き出されたスペシャルインスタレーション。街中で展開されるインスタレーションは、草間彌生の作風でもある"ハプニング"にも通ずる表現方法で、見るものを作品の中へと引き込みます。1月のコラボコレクション発売を前に「ルイ・ヴィトン×草間彌生」の世界観をあなたも体験してみては？※実施内容や日時は変更になる場合があります。※ 最新情報はルイ･ヴィトンの公式ホームページでご覧ください。

東京の街が水玉でジャック！「ルイ・ヴィトン×草間彌生」スペシャルインスタレーション徹底ガイド

■サムライ、日本刀、武道　コレクションフィルムで目を引いたのは和の要素。侍を連想させる日本刀と袴の装い、「四風」と書かれた空手道場、そして剣道の試合場に掲げられた「第七回国際発表大会」という幕は、ヴァージル・アブロー（Virgil Abloh）が手掛けて7シーズン目となる今回のコレクション発表と掛けている。しかし日本文化に傾倒しているのではなく、ヒップホップに尺八の音を合わせるように、さまざまな文化や異なる要素をマッシュアップしているのが特徴だ。■伝承されるアーメン・ブレイク　タイトルの「アーメン・ブレイク（AMEN BREAK）」とは、ドラマーGregory C. Colemanによって1969年に演奏され、史上最もサンプリングされている6秒のドラム・ブレイク（ドラムソロ）のこと。録音からおよそ20年後にヒップホップ・プロデューサーやパイオニアらが注目しサンプリングされるようになり、あらゆるジャンルの音楽に影響を与えてきた。今回の映像の音楽にも、アーメン・ブレイクがサンプリングされている。　サンプリングと再サンプリングを繰り返すことで、変革しながら伝承されていく――。アブローは、アーメン・ブレイクを現代における創造性に置き換え、誰もが知っているような典型やサブカルチャーにズームインしたりズームアウトすることで、文化的な文脈と再文脈化を同時に強調したという。■スーツVSトラックスーツ　コレクションで象徴的なのはテーラードスーツとトラックスーツ。フォーマルとストリートという対比的な無意識のバイアスを活性化したり、または中和したりといったアプローチで、先入観を脱構築し新たなコード化を試みている。　スカートやキルト、ワンピースなど、あらゆるシルエットを強調しながらジェンダーや文化のコードを曖昧にする提案。さらに、チェッカー柄やレイブカルチャーの影響によるレインボーカラー、エアブラシ風の鮮やかなカラーリングが、境界線を超越するアプローチを引き立たせている。　特に目を引くプリントは、1990年代のレイブパーティーのフライヤーがモチーフ。また、ジム・ジョー（Jim Joe）とのコラボレーションによるアートワークを取り入れた。 ■カラフルな鯉のぼりバッグ　バッグにも音楽の要素を取り入れ、ギターバッグや、レコードレーベルMetalheadzとのコラボレーションによるLP、CD、USBケースがセットになったバッグが登場。ランドスケープ・バッグはリサイクル糸のジャカード素材で作られている。　スケートボードキャリア、果物型のポーチを組み合わせるDIYバッグ、そして日本人には馴染み深い鯉のぼりを模したマルチカラーのバッグも登場した。 ■注目のコラボスニーカー「エアフォース1」 　シューズの注目は「ナイキ（NIKE）」とのコラボレーションによる「Air Force 1」。2022年で誕生から40周年を迎える。アブローは、ヒップホップデュオのRob BaseとDJ EZ Rockによる1988年のアルバム「It Takes Two」のカバーに写るモノグラム柄スウッシュのAir Force 1からインスピレーションを得たという。ハイファッションとスポーツウェアを融合させるというヒップホップ・コミュニティの初期の手法に着目し、ヒップホップ・カルチャーへのオマージュを込めた。

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