インサイド

デビューから2年間の着実な成長　高橋は2020年2月に株式会社CFCLを設立し、同年9月にブランドの立ち上げとVOL.1コレクションを発表。ブランド名が意味する「Clothing For Contemporary Life（現代生活のための衣服）」の通り、あらゆるオケージョンに対応しながらも、着やすくイージーケアが可能なコンピュータープログラミングニットを展開している。コンセプトは、生活を豊かにする器（＝ware）としての「Knit-ware」。ウィメンズとメンズのウェアに加え、キッズウェアやバッグなどの雑貨にも商品展開を拡大している。　ファッション産業の抱える問題に向き合い透明性と責任を伴うクリエイションを目指し、今年7月には日本のアパレルブランドでは初となる「B Corp（Benefit Corporation）」の認証を取得。環境や社会に配慮した公益性が高いと認められる企業に対し厳しい審査を経て与えられる認証で、「素材や生産背景を見える化することで、信用を得ることにつながっている」という。　パンデミックの最中にスタートしたCFCLだが、グローバル展開と直営店の出店については早い段階から考えていたという。その両方が動き出したのも今年だった。　6月に初めてパリでショールームを開いてセールスを行い、9月にパリのファッションウィーク公式スケジュールでプレゼンテーションを開催。最新のVOL.5コレクション（2023年春夏）は、卸先のドア数が国内外合わせて210以上、そのうち半分以上が海外卸と広がりを見せている。そして待望だった直営店の計画が進み、10月に表参道、来年3月に八重洲と、一度に2店舗の出店を発表。旗艦店の位置付けとなるのが、1号店の「CFCL OMOTESANDO」だ。感性を引き出す「CFCL OMOTESANDO」　「CFCL OMOTESANDO」は、毎月シーズナルなアイテムを面で見せながら、什器や壁面のヴィジュアルが変化していく実験的なコンセプトストア。建築家の工藤桃子率いるMMA Inc.がデザインを手掛け、ブランドを象徴するブルーグレーのコンクリートを削り出したようなミニマルな空間に、「USMハラー」の什器が整然と並ぶ。USMは50年以上の歴史を持つモジュラーシステム家具で、レイアウトを自由に変えることができる。　直営店について高橋は「ECではできない世界観を打ち出す場所」と捉え、都会のあらゆるオケージョンにフィットする装いにニットのみで対応できる魅力を伝える。また、卸先でのプロパー消化率が平均80％以上で人気シリーズは売り切れるのが早く、サイズに関する問い合わせも多いという現状から「いつ来ても多くの商品を試すことができる店舗は、お客様との大切なコミュニケーションの場として大きな役割を果たす」と考える。また、立地の良さから外国からの客を迎え入れる場所としても機能させていきたいという。　店舗でしかできない体験を提供するとともに、着る人の感性を引き出す工夫として、店内にオリジナルの香りを漂わせる。これはECで購入した際の箱に仕込んでいる香りと同様のもので、「直感に訴えかけるような感性を大事にしたい」というクリエイションへの考えを反映している。なお、将来的に香水の商品化も視野に入れているという。　オープンを記念して、レッドカラーの店舗限定商品を用意。アイコンシリーズの「POTTERY」からドレスと、5種類のバッグを販売する。八重洲の2号店とその後　2号店となる「CFCL YAESU」は「東京ミッドタウン八重洲」の1階に、3月10日にオープンする予定。よりインバウンドを意識し、アイコニックなアイテムを揃えて国内外の人を迎え入れる店舗となる。　その後の出店については、自社ECと卸とのバランスをとりながら慎重に計画していく意向だが、将来的には海外出店も視野に入れているという。「収益が目的ではなく、CFCLが考える現代の衣服を多くの人に届けることが大事」と高橋。デザインと責任が両立したクリエイションを、常に進化しながら世界に広げていく考えだ。

CFCL

Fashion

表参道GYREに「CFCL」の全てがそろう直営店オープン　3年目で待望の初出店

　「ラ・メゾン」は、ブシュロンの伝統とクリエイティビティに焦点を当てたイベント。時代を越えて受け継がれるアーカイブピースからハイジュエリー、新作コレクションまで揃う4つのテーマの没入空間を、中条あやみとともに巡る。スタイル：私だけの「運命のジュエリー」を見つけて　ゆったりとくつろげる空間が広がる「スタイル」のエリアでは、インタラクティブなジュエリー診断が楽しめる。タッチパネルを使っていくつかの質問に答えていくと、自分にぴったりのジュエリーが提案される仕組みだ。QRコードをスマートフォンで読み込めば、おすすめジュエリーのデータが送られてくる。　「占いみたいでわくわくします。ジュエリーを選ぶときは、つい守りに入ってしまいがちだけど、この診断結果をもとに新たなイメージに挑戦してみるのもいいですね」イノベーション：最新デジタル技術が描く、夢の世界　メゾンのクリエイティビティと革新性に迫るエリア「イノベーション」へ。デジタル技術によって、花の美しさを永遠の姿にとどめたハイジュエリーコレクション「フルール エターナル」が展示されている。実際に花びらを3Dスキャンして作られたというジュエリーは、どれも貴重な一点ものだ。　「まるで本物のお花みたい。大胆さと繊細さを感じます」。LEDパネルには花々が降り注ぐようなイメージが投写され、ファンタジックなムードを盛り上げる。ヘリテージ：メゾンの伝統が女性たちを輝かせる　「ヘリテージ」のコーナーには、ブランドに受け継がれる代表的なハイジュエリー作品である「クエスチョンマークネックレス」を展示。このジュエリーは、創業者フレデリック・ブシュロン（Frédéric Boucheron）が19世紀に考案したクラスプ（留め具）のないネックレス。バネ開閉式のデザインは、ネックレスを身に着ける際に手助けを必要としていた時代の女性たちに自由を与えた。　また、ブランドの歴史を紐解く19世紀以降のアーカイブピースも共に展示。160年以上に亘るメゾンの真髄に迫ることができる。　「誰かに着けてもらうものだったジュエリーを自分の手で着けるって、すごく素敵なコンセプト。自立した女性のイメージもかっこいいですね」フレンチ アール ドゥ ヴィーヴル：フランス流の優雅なひととき　最後のコーナーは、グリーンに囲まれたカフェ"ジャルダン・ディヴェール"。パリ・ヴァンドーム広場にあるブシュロンのブティックからインスピレーションを得たこのカフェは、まるでフランス貴族の邸宅のよう。店舗を訪れる顧客を友人のように迎え入れていたという、創業者のフィロソフィーが反映されている。　今回のイベントでは、創業者の愛猫ウラジミールを模したシグネチャースイーツも登場。ここだけで楽しめる特別なティータイムとなった。「本当にパリにいるみたいな気分。ウラジミールのデザートはかわいくて、食べるのがもったいないくらい」　また、自然や動物からインスピレーションを得たナチュール&アニマルコレクションが鳥カゴを模したショーケースにディスプレイされ、カフェ空間を華やかに彩った。　4つのフロアを通してブシュロンの新たな魅力を知ったという中条あやみがこの日、身に着けていたのはアイコンコレクションである「キャトル（QUATRE）」。　「キャトルは、ドレッシーな服はもちろん、Tシャツとデニムのようなシンプルな服に合わせてもかっこいい。いつか全部揃えたい！と思うくらい」と話すほどお気に入り。自由で自分らしいスタイルを叶えてくれるのも、ブシュロンのジュエリーならでは。その奥深い世界を堪能する特別なイベントとなった。

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