インサイド

　シャネルは、アール デコ黄金期である1920年代のパリから着想したホリデーを展開します。ガブリエル・シャネルはカンボン通りにあるアトリエで、スパンコールが散りばめられたイブニングドレスをデザインして人生を祝福しました。彼女のアバンギャルドの精神と自由な発想、大胆なスピリットを称え、「狂騒の20年代」と呼ばれた華麗なる時代を象徴するエクスクルーシブなカラーアイテムが揃います。特別なパッケージにドレスアップした人気フレグランス、「シャネル N°5」や「ココ マドモアゼル」のコフレも必見です。シャネル 2023年クリスマスコフレ 発売情報＜ホリデー 2023 コレクション＞発売日：2023年10月27日（金） ＜N°5 ホリデー　第1弾＞発売日：2023年10月27日（金）＜N°5 ホリデー　第2弾＞発売日：2023年12月1日（金）取り扱い店舗：直営店、百貨店、公式オンラインショップなどホリデー 2023 コレクション　第1弾に登場するのは、ホリデーシーズンに向けたきらめくアイ ルックを作り出してくれるアイシャドウや、華やかさを演出してくれるリップスティックなど。時代の熱狂が最高潮に達していた1920年代のパリのように、屈託のない華やかで魅力的なカラーアイテムがお目見えします。アイシャドウ パレット　プレシャスな目元を作ってくれる限定アイシャドウパレット「ルミエール グラフィック」。ドレスに刺しゅうされたような、繊細なスパンコールの連なりが型押しされています。パレットに配されたシェードは、プラチナ ベージュ、ブロンズ、シマリング ブラック、ピンク ゴールド、ダイヤモンド ホワイトの5色です。まばゆい光が互いに組み合わさり、グラフィカルで存在感のある目元を演出してくれます。■ルミエール グラフィック（限定品、税込1万1220円）フェイスパウダー　1920年代の豪華絢爛さを閉じ込めたように輝くフェイスパウダーです。ホログラフィックなピグメントを配合したピンクシャンパンとクリスタル ホワイトのシェードは、肌にのせた瞬間にエレガンスを凝縮したような輝きを放ってくれます。頬骨の上や鼻筋にのせると、魅惑的なきらめきが顔色を明るく引き立ててくれます。■デュオ プードゥル ルミエール（限定品、税込1万450円）リップスティック　リフィル可能なパッケージのリップスティック「ルージュ アリュール レクストレ」は、ゴールドのアウトラインが施された限定デザインでお目見え。既存2色のほか、限定色の魅惑的なメタリック レッド「857 ミッドナイト レッド」と、虹色にきらめく深みのあるパーリー コッパー「867 ローリング パープル」がラインナップ。華やかさとゴージャスさを演出してくれるカラーレンジです。■ルージュ アリュール レクストレ ホリデー（限定パッケージ4品 うち限定2色、各税込8580円）・857 ミッドナイト レッド（限定色）・867 ローリング パープル（限定色）・812 ベージュ ブリュット・854 ルージュ ピュイサンリキッド リップ　鮮やかな発色でツヤとうるおいが長時間持続するリキッドリップ「ルージュ アリュール ラック」には、2シェードが登場します。微細なゴールド パールが閉じ込められたコーラルの「90 ゴールデン ベージュ」と、ひと塗りで華やかなメタリック プラムに唇を染めてくれる「91 ファンシー ブリュンヌ」の、洗練されたシェードです。■ルージュ アリュール ラック（限定2色、各税込5500円）・90 ゴールデン ベージュ・91 ファンシー ブリュンヌネイル カラー　大胆で気高く、それでいて甘美なカラーのネイル エナメル「ヴェルニ」が揃います。ピュアな印象を持つシアーなシルキー ホワイトの「167 ホワイト シルク」、まばゆい光で魅了するゴールデン ブロンズの「169 タキシード」、鮮やかでスタイリッシュなグリッタリー ブラックの「171 シークィン」。アール デコ スタイルで指先を彩ってくれます。■ヴェルニ（限定3色、各税込4620円）・167 ホワイト シルク・169 タキシード・171 シークィンN°5 ホリデー　第1弾　シャネルの人気フレグランス「シャネル N°5」は、ガブエリエル・シャネルの「女性の香りのする、女性のための香り」という願いを、初代の専属調香師であったエルネスト・ボーが叶えた香水。フローラル アルデヒドの香調で、ローズ ドゥ メとジャスミンを中心とするフローラルノートが特徴の香りです。第1弾にはボディオイルと、特別パッケージにドレスアップした限定アイテムが登場します。ボディ オイル　ぜいたくなテクスチャーとシャネル N°5の香りで肌を包み込んでくれるボディ オイルです。ジャスミンやローズが織りなすセンシュアルな香りの余韻を残しながら、なめらかなサテンのような肌に導いてくれます。■シャネル N°5 ザ ボディ オイル（限定品、250mL 税込1万8150円）フレグランス　シャネルを代表するアイコニックなフレグランスが、ホリデーだけの特別なパッケージで登場します。「シャネル N°5 オードゥ パルファム」、「ココ マドモアゼル オードゥ パルファム」、「ブルー ドゥ シャネル パルファム」の3種が、きらびやかなパッケージをまとっています。■シャネル N°5 オードゥ パルファム（限定品、100mL 税込2万5630円）■ココ マドモアゼル オードゥ パルファム（限定品、100mL 税込2万5630円）■ブルー ドゥ シャネル パルファム（限定品、100mL 税込2万5630円）N°5 ホリデー　第2弾　N°5 ホリデーの第2弾にお目見えするのは、フレグランスとボディアイテムがセットになったデュオ コフレ。人気フレグランスのミニサイズも登場します。　50mLサイズのオードゥ パルファムと、100mLサイズの「ザ ボディ オイル」のデュオ コフレです。「シャネル N°5」の香りと、「ココ マドモアゼル」の2種がラインナップ。■シャネル N°5 デュオ コフレ（一部店舗限定品、税込3万250円）・ オードゥ パルファム 50mL・ザ ボディ オイル 100mL■ココ マドモアゼル デュオ コフレ（一部店舗限定品、税込3万250円）・ オードゥ パルファム 50mL・ザ ボディ オイル 100mLフレグランス　限定サイズのフレグランスも登場。「シャネル N°5 オードゥ パルファム」と、ナチュラルでフレッシュな「シャネル N°5 ロー オードゥ トワレット」が、35mLのミニボトルに詰め込まれました。フレグランスのお試しやギフトにもおすすめです。■シャネル N°5 オードゥ パルファム（限定品、35mL 税込1万1000円）■シャネル N°5 ロー オードゥ トワレット（限定品、35mL 税込1万1000円）【2023年クリスマスコフレ特集】vol.1「YSL」vol.2「オサジ」vol.3「メルヴィータ」vol.4「イッセイ ミヤケ パルファム」vol.5「ルナソル」vol.6「カバーマーク」vol.7「アディクション」vol.8「ゲラン」vol.9「クレ・ド・ポー ボーテ」vol.10「ナルシソ ロドリゲス」vol.11「ジバンシイ」vol.12「RMK」vol.13「イプサ」vol.14「グッチ」vol.15「バーバリー」vol.16「カネボウ」vol.17「セルヴォーク」vol.18「THREE」vol.19「ランコム」vol.20「ジョンマスターオーガニック」vol.21「ニールズヤード レメディーズ」vol.22「コスメデコルテ」vol.23「ヴェレダ」vol.24「ディセンシア」vol.25「NARS」vol.26「エスト」vol.27「キンズ」vol.28「エトヴォス」vol.29「ベアミネラル」vol.30「SK-II」vol.31「ポール ＆ ジョー ボーテ」vol.32「ローラ メルシエ」vol.33「メゾン マルジェラ レプリカ フレグランス」vol.34「クリスチャン ルブタン ビューティ」vol.35「ヴァレンティノ ビューティ」vol.36「ジョー マローン ロンドン」vol.37「シュウ ウエムラ」vol.38「ジルスチュアート ビューティ」vol.39「ディオール バックステージ」vol.40「ディオール」vol.41「SUQQU」vol.42「トム フォード ビューティ」vol.43「タッチャ」vol.44「キールズ」vol.45「ドランク エレファント」vol.46「ラ·メール」vol.47「ラッシュ」vol.48「ウカ」vol.49「アルマーニ ビューティ」vol.50「ディプティック」vol.51「アユーラ」vol.52「クラランス」vol.53「フローラノーティス ジルスチュアート」vol.54「ファミュ」vol.55「センサイ」vol.56「SHIRO」vol.57「ロクシタン」vol.58「メゾン フランシス クルジャン」vol.59「アナ スイ」vol.60「グタール」vol.61「シャネル」vol.62「アヴェダ」vol.63「ペンハリガン」vol.64「ハーリップトゥ ビューティ」vol.65「バウム」

Beauty

【2023年クリスマスコフレ】シャネル：1920年代パリから着想を得たきらびやかなカラーアイテム　人気フレグランスの限定コフレも

■ジャン-ミッシェル・デュリエ：フレグランスの専門学校「ISIP」（現在のISIPCA）で教育を受けた後、1997年にジャン・パトゥの調香師となる。その後、ロシャスの調香師としても活躍。また、ドルチェ&ガッバーナ、エスカーダ、ラコステ、ヨウジヤマモト等、様々なブランドの香水も担当し、2016年12月、自身の名前を冠したブランド「Jean-Michel Duriez Paris」をスタート。現在はサノマをはじめ、複数のブランドの調香を手がけている。幼い頃の夢は調香師か料理人ーフランスはフレグランスの総本山ですが、デュリエさんも幼い頃からフレグランスに興味を持っていましたか？　もちろん、文化的な背景は今の私に大きく影響していると思います。両親や親戚はみんなフレグランスをつけていましたし、香りは習慣として生活に根付いていましたから、幼少期から自分の中では香りに対して興味を持っていました。それともうひとつ、香りと関係して、「味」にも関心があったんです。将来の夢はいつも料理人か調香師でした。ー最終的に、調香師の道を選んだんですね。　調香師を選んだのはいくつか理由がありますが、ひとつ挙げるなら、ボトルの美しさに惹かれたからです。フレグランスにとって香りは最も重要なポイントですが、ボトルも同じくらい創造性に富んでいると思います。ー印象的な香りのエピソードはありますか？　家族が海沿いにバカンス用の別荘を持っていて、滞在している間は近くのコートでテニスをするんです。そこの近くの住宅に、イボタノキの花（別名：カワネズミモチ）の垣根があって、花の香りを嗅ぐのがとても幸せな時間でした。自転車でテニスコートと行き来する時は、花の香りを嗅ぎたくていつも遠回りしていたくらいです。実は、1998年にジャン・パトゥで作ったフレグランス「アンアムール ドゥ パトゥ」は、当時の記憶からインスピレーションを得ています。ーアンアムール ドゥ パトゥはイボタノキの花に金木犀の香りを組み合わせたグリーンでフレッシュな香りが特徴的ですね。金木犀は先代調香師ジャン・ケルレオ氏ともなじみが深いものでしたよね？　ケルレオさんが1970年代に手がけた「ミル」は、フレグランスの世界で初めて金木犀のエッセンシャルオイルを取り入れた香りです。ふと、そのレガシーと私自身が大切にしていた香りを組み合わせてみようと思ったんです。私の思い出とジャン・パトゥの歴史の融合で生まれたのがアンアムール ドゥ パトゥでした。「フレグランスを作っているのではなく、思い出を作っている」ーデュリエさんのクリエイションに影響を与えたフレグランスはあるでしょうか。　フレグランスと人の生活の密接な関係の美しさを実感したものとしては、「エルメス（HERMÈS）」の「カレーシュ」ですね。メゾン初の女性のためのフレグランスで、私が生まれた同じ年に誕生したものです。私が高校生の時に母にプレゼントしたのですが、実は母は私が生まれたばかりのころに愛用していたそうなんです。私はそうとは知らず、母に似合うと思って選んだので、記憶と香りの神秘的な結びつきを感じたのを覚えています。　それから、私が調香師になるきっかけになったのは「ゲラン（GUERLAIN）」の歴史的なフレグランスたちです。「ジッキー」や「ミツコ」「シャリマー」「夜間飛行」など今でも根強いファンが多い香りですね。香りの豊かさやそれを実現するテクニック、香料のクオリティのどれをとっても素晴らしいと思います。調香師の学校に入って勉強するうちにより魅了されていきました。ーでは、デュリエさん自身が愛用しているフレグランスは何ですか？　調香師はフレグランスを作るのが仕事で、制作時はその香りに集中しないといけませんから日常的にフレグランスをつけるかと言われるとそうでもないんです。ただ、プライベートで愛用しているのは、「ディオール（DIOR）」の「オー ソバージュ」と、エルメスの「オードランジュ ヴェルト」。2つには共通する部分があって、トップノートのシトラス系のフレッシュな部分が際立ち、中心にリッチなウッディーシプレ調が香ります。シンプルですがバランスの取れたコントラストが美しいんですよ。ーデュリエさんにとって、調香師の面白さとは何でしょうか。　香りを通じたクリエイティブへの興味関心があるのが大前提ですが、フレグランスを作ることでエモーションを具現化することにやりがいを感じます。エモーションの根源は思い出や記憶です。この2つは深くつながっていて、思い出から香りを生み出し、香りは記憶をかき立ててくれます。ですから、私はフレグランスを作っているのではなく、思い出を作っていると考えているんです。そして、私が作ったフレグランスを将来誰かが手にとり、その人の生活が過ぎ去りまた過去になりますよね。「サノマ」ファウンダーの渡辺氏の第一印象は”オリジナリティに欠ける”ー30年以上のキャリアの中で、デュリエさんは日本とも関わりがあると聞きました。　そうですね。花王のフランスのラボで仕事をしたことがありますし、ヨウジヤマモトのフレグランスを担当させてもらったこともあるので、日本に対しては親しみを持っています。ヨウジでは主にスタッフの皆さんと試作を重ねましたが、山本さん（デザイナー 山本耀司氏）がOKするものを作るのはチャレンジでした。今ではいい思い出のひとつですね。ーサノマの渡辺さんの第一印象はどうでしたか？　（サノマの渡辺）裕太とは、彼が私のブランド（「ジャン-ミッシェル・デュリエ パリ」）のインターンに応募してくれて、面接で初めて会いました。当時彼はフレグランス業界に携わりたいと言っていましたが、大学院でMBAを取得していたのでファイナンス寄りの子だと思ったんです。面接にもスーツで来たので、ちょっとオリジナリティに欠けると感じたんです。ブランドのファイナンス部門を担当していたギオンと一緒に働くにはいいかもしれないけれど......という感じで。振り返ってみると、第一印象はあまり良くなかったですね（笑）。ー実際に、渡辺さんの業務はファイナンス関連からのスタートだったそうですね。（渡辺裕太氏のインタビューより）　そこに関しては最初からポテンシャルを感じましたから。ファイナンス関連の業務から派生して、徐々に参考資料の作成やベンチマークの選定など、ブランドのクリエイションに関わることも手伝ってくれました。アトリエで一緒に働くようになってから、裕太が私服で来るようになり、そこでようやくファッションが好きなことや、内に秘めた面白さに気づくことができました。良い香水に対する感性も似ていましたし、良き友人としてブランドを支えてくれました。インターンから友人、クライアントと調香師の関係へーインターンのスタートから友人になった渡辺さんから「サノマ」の調香師として誘われた時の率直な感想は？　驚きましたが、フレグランスに関わりたい気持ちは以前から聞いていたので、嬉しかったですね。その反面、私としては調香師としてブランドに携わる責任が伴うと冷静に考えていたところもありました。ただ、コンセプトも素敵だと思ったし、私と裕太の仕事がはっきりしていたこともあって、良いコラボレーションができると可能性も感じ、引き受けることにしました。ーインターンから友人へと変わった2人の関係性が今度はクライアントと調香師に変わりましたが、意識的な変化もありましたか？　日本のマーケットについては裕太が熟知しているし、私は自分の精力を注いでリクエストに応えるものを作るという分業的な関係で、一層お互いへのリスペクトが高まったと感じますね。ー渡辺さんからのリクエストで難しかったことはありますか？　全くないですね。というのも、私自身もブランドを持っていましたから、クリエイティブと合理的な判断のどちらも理解でき、裕太が目指すところが何か解釈しやすかったんです。今思えば、裕太のインターン時代にフレグランスについて議論を深められたのも良い方向に働いたんじゃないかなと。ーサノマのフレグランスで、調香のテクニカルな部分で意識したことは？　サノマに限らず、私がひとつのフレグランスを作る時に最も考えているのは、香料の配合や香りの流れなどすべてがいかにまとまっているかです。簡単に言うとバランスですね。調香はある程度「この香料とこの香料を組み合わせるとこんな香りになる」と言うレシピがありますが、バランスを追求するとなると、時計を組み立てるような、無数のパーツを寸分狂わず配置していくような作業になるんです。サノマでは自分のクリエイションの根底にあるこのバランスと、裕太が考えるコンセプトをどう具現化するかが肝ですね。ー素人からすると、コンセプトやイメージを香りで具現化する作業はブラックボックスに見えるのですが......。　抽象的なコンセプトやイメージを具現化することこそが調香師の仕事ですからね。方法は調香師によって色々だと思います。私の場合はイメージを頭の中でヴィジュアル化して、その中の要素をピックアップしてつなぎ合わせ、香料を組み合わせてからハーモニーを整えていくことが多いですね。　ひとつ例をあげると、私が長年温めている「キュイール（仏：革）ボックス」というアコードがあります。これは私の幼少期の記憶のひとつで、馬小屋の情景がインスピレーションになっています。動物の汗や尿、フン、小屋に使われている木材、土、干し草の香りなどをピックアップして試作が出来たらそこからフレグランスを念頭において修正していきました。こんな風にイメージ、ヴィジュアル、香りを結びつけていくんです。裕太も香りに対して似たようなプロセスを踏むのでお互いに理解しやすいですね。フレグランス業界の最新トレンド、そして自身の今後は？ーご自身のブランドは現在休止中ですが、現在の主な仕事はサノマでの調香ですか？　コロナ禍でブランドを休止してから、最初のクライアントが裕太でした。今はそのほか複数のクライアントがいて、いくつかのフレグランスを同時進行で作っています。ーひとつのフレグランスを仕上げるだけでも鋭い感覚が必要だと思うのですが、同時進行で複数作っていると言うのは驚きです。　私からすると、驚かれることが新鮮です（笑）。調香師業界では常に同時進行が当たり前なんですよ。画家は同じ作品を何ヶ月、何年もかけて完成させると思いますが、調香師はどんなプロフェッショナルでもひとつの香りを永遠に作っていると感覚がブレてきてしまう。だから複数のプロジェクトを進める方が、嗅覚が研ぎ澄まされてクリエイションの豊かさにつながるんです。ーなるほど、それは知りませんでした。同時進行で複数の香りを手がけるのは調香師であれば皆さん身につけているスキルなんでしょうか。　まさに調香師の学校で一番最初に習うことなんです。いろんな香り嗅いでいって、また最初に戻るのを繰り返す練習で「ジャンカールメソッド」というのがありますが、これは基本中の基本なんですよ。ーデュリエさんは長年調香師としてフレグランス業界の第一線にいますが、最近の香りのトレンドについてはどうでしょうか？　フレグランス業界では、グローバルで力を持つようなトレンドは存在しないと感じます。地域やもっと細かいローカルマーケットで人気は散らばっている印象です。さらにここ十数年でニッチフレグランスが台頭していて、彼らの独創的な提案も数多あるので、ひとつの香りがトレンドになるのは難しいと思いますね。元々フレグランス業界はファッション業界などと比べてトレンドのサイクルがとても緩やかというのもあります。あえて最近のを挙げるとするなら、「フローラルフルーティグルマン」でしょうか。ーフローラルフルーティグルマンは具体的にどんなフレグランスが当てはまりますか？　「シャネル（CHANEL）」の「ココ マドモアゼル」や「ディオール（DIOR）」の「ミス ディオール」、「ランコム（LANCÔME）」の「ラヴィエベル」などですね。ーなるほど。日本でも人気のフレグランスですね。　確かにそうですね。グローバルの大まかなトレンド（本当のトレンドではないものの）だと、それ以前はフローラルでフレッシュなマリンノートが人気で、さらにその前はグルマンノートが一気に売れた時代がありましたが、それ以前はマリンノートが強い時代があったんです。私の感覚からすると、最近のトレンドはグルマンとフレッシュマリンの間をゆっくりと進んでいる印象です。ーデュリエさん自身はさまざまな大手メゾンを経験されてきましたが、ニッチフレグランスの勢いをどう見ていますか？　ポジティブに見ていますよ。多様な提案は豊かなマーケットにつながりますし、最終的に消費者の選択の幅が広がりますから。ただ、一方で大手のブランドと比較するとニッチフレグランスはブランド自体の存続時間が短いので、マーケットとしての難しさは間違いなくあると思います。ー調香師目線で、最近面白いと感じたものはありますか？　お世辞抜きにサノマはコンセプトが面白いと思いました。名前や世界観もそうですし、香りのイメージも新鮮に感じました。調香師としてはテクニカルな部分を見るのですが、「メゾン フランシス クルジャン（Maison Francis Kurkdjian）」の「バカラ ルージュ 540」は素晴らしいですね。歴史のあるメゾンの香水は良い香料を複雑に絡ませて、オーケストラのように組み立てて香りを作っていきます。でもバカラ ルージュ 540は真反対なアプローチで全く新しい。キャラクターの強い3つの香料を主役にバランスよく調香していて、クルジャン氏の才能を感じました。ーご自身の今後についてはいかがでしょうか。　クリエイティブな仕事なので常に良いものを作り、学ぶことも継続していきたいです。それから自分のブランドもどこかのタイミングでもう一度出したいと考えています。調香師として全く新しいことをしたいので、ジャン-ミッシェル・デュリエ パリのとは名前もアプローチも違うものにしたいですね。ものすごくニッチな提案ではないにせよ、大きなくくりではニッチフレグランスになると思います。ぜひ楽しみにしていてください。（企画・編集 平原麻菜実）

Yohji Yamamoto

HERMÈS

ROCHAS

DIOR

CHANEL

その道30年以上の調香師 ジャン-ミッシェル・デュリエが思う、フレグランスづくりの面白さとは？

　今年のホリデーメイクアップコレクションのテーマは、ブランドを代表するフレグランス「N°5」と月の物語。月の輝く表情と、N°5を思わせるゴールドやアンバー、コッパーなどのカラーパレットで、輝きと豊かな色彩を引き立てます。パウダー表面にN°5のモチーフを刻印した繊細なアイテムも登場。フェイスパウダー　大容量でフェイスだけではなくボディにも使えるパウダー「エクラ ルネール」が登場。スキントーンに自然になじみ、繊細な輝きを与える「オー ローズ」のカラーがお目見え。■エクラ ルネール（限定、税込1万560円）・オー ローズアイシャドウ　4色入りのアイシャドウパレット「レ キャトル オンブル」は、N°5を彷彿とさせるゴールドやコッパーなどが揃う限定カラー「937 オンブル ドゥ リュンヌ」を発売します。■レ キャトル オンブル（限定、同8800円）・937 オンブル ドゥ リュンヌマルチカラー　ラメ入りのジェルカラー2色が入った「デュオ ルミエール」は光を操るマルチなアイテム。アイシャドウにツヤと輝きをプラスしたり、アイブロウ、アイラッシュにも使える優れもの。■デュオ ルミエール（限定、同7700円）リップ今年誕生したプレミアム リップスティック「ルージュ アリュール レクストレ」は、限定2色をラインナップ。視線を独占するレッド系の華やかなカラーが登場します。■ルージュ アリュール レクストレ（限定2色、同7590円）・817 ルージュ セレーヌ・827 ブリュン ルネール　艶やかなサテン仕上げでうるおいが長時間持続する「ルージュ アリュール ラック」は、シックなレッドに輝きを詰め込んだ限定2色を発売。唇と一体化した膜が動きや、摩擦、水分に負けず色とつやをキープしてくれます。■ルージュ アリュール ラック（限定2色、同5500円）・88 ローズ ミステール・89 ルージュ オンブルネイルカラー　ひと塗りで高発色なネイルカラー「ヴェルニ ロング トゥニュ」。ホリデームードを指先までまとう、レッド「963 スーパー リュンヌ」と、ディープな輝きの「965 クレール ドゥ リュンヌ」が揃います。■ヴェルニ ロング トゥニュ（限定2色、同3960円）・963 スーパー リュンヌ・965 クレール ドゥ リュンヌ　「ル トップ コート」は、単色でも重ね塗りにも使えるトップコートカラー。N°5のようなゴールドのラメのニュアンスをプラス。■ル トップ コート（限定、同3960円）ボディ オイル　「シャネル N°5 ザ ゴールド ボディ オイル」は、シャネル N°5の香りに包まれながら、ゴールドが肌に輝きを添えます。■シャネル N°5 ザ ゴールド ボディ オイル（250mL 限定、同1万4300円）ボディ ジェル　ココ マドモアゼルの香りが肌に寄り添い、繊細なパールが美しいきらめきを演出するボディジェル「ココ マドモアゼル パーリー ボディ ジェル」が登場。■ココ マドモアゼル パーリー ボディ ジェル（250mL 限定、同1万4300円）シャネル ホリデーコレクション概要 発売日：2022年10月28日（金）取扱店舗：百貨店、公式サイト、シャネル ビューティ ハウス

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