インサイド

　1987年生まれのルカ・マリアーノはイタリアの自由主義運動と階級闘争の象徴でもあるボローニャで育ち、ジャーナリストで建築家のバルバラ・ネロッツィ（Barbara Nerozzi）に師事、という特異な経歴を持つ。その後20歳で自身のレーベルをスタートし、2016年にマリアーノを立ち上げた。2018年にブランド初となるショーをピッティで開催。今回、5年ぶりにピッティにカムバックし、満を持しての登場となった。　取材に対し、ルカ・マリアーノは「ボディエクスチェンジ」というキーワードを挙げ、クラシックという概念を独自の方法で探求したという2024年秋冬コレクションは、コンテンポラリーな身体とクラシックな服のユニゾンを目指した。世界最高峰のスーツブランド「キートン（Kiton）」とコラボレーション製作したスーツを、おじさん風の野暮ったさを残したパンツに象徴されるマリアーノの得意の解釈で編集し、着崩すことで「ださい」と「イケてる」を紙一重で綱渡りする。「相反する概念の一体化」という彼の言葉は、男性と女性、クラシックとモダン、ラグジュアリーとヴァルガ（下品）といった対象にまで及び、レズビアン詩人のパトリツィア・カヴァッリ（Patrizia Cavalli）が着用していたセーターから着想を得たり、ビニール袋と色褪せたブルゾンの組み合わせた浮浪者のようなスタイル、体のラインを美しくみせるようウエストを絞ったジャケットと裾がたっぷりと余ったスラックスなど、対の概念の中間をとるわけでもないスタイリングの妙によりテイストをジャン＝ジャック・ルソーの「一般意志」のような上位概念として昇華させている。言葉の一新には、名前のないこのテイストも含まれるのだろう。　メンズブランドとしての見え方が強かったマリアーノだが、「女性にテーラーを着て欲しい」という同氏の言葉にあるように提案するのはユニセックスで、さらに今回はフェミニン要素の拡張に挑んだという。コンテンポラリーな身体という言葉は一見難解だが、恐らくは男らしさや女らしさという押し付けがましい固定観念の彼岸にある、二元論に収斂させないフラットなアイデンティティのこと。アンドレイ・タルコフスキー監督作品「ノスタルジア」からインスピレーションを得て、最も多様な個性を持つ人々が出会うことのできる、苦悩に満ちた雰囲気を創り出すために、モデルはゆっくりと歩き、階段を降りるという演出を取り入れたのにも、そうした背景があったからだろう。実際アイテムには、「ノスタルジア」の物語の鍵となる蝋燭のモチーフも採用された。　また、キートンのほか、継続展開しているイタリアの安全服ブランド「ユーパワー（U-Power）」とのシューズ、「ボルサリーノ（Borsalino）」との三角帽、「アグ（UGG®）」とのスリッパなど、コラボアイテムを多数発表した。

MAGLIANO

Fashion

ファッションの言葉を一新したい、イタリアが期待する才能「マリアーノ」が起こす市民革命

アウター　「レッド ヴァレンティノ（RED VALENTINO）」のピーコートは、紺ブレのようなシルエットと金ボタンが特徴。コートながらもクラシカルなダブルジャケット感があり、品のあるコーデが完成。細身のシルエットなので、だぼっとすることなくスッキリと着用できます。Farfetch で購入する　コーデュロイを使用し、クリームのシアリングカラーを配した70sのムードが漂うアウターは「アー・ペー・セー（A.P.C.）」のもの。カジュアルにさっと羽織るもよし、ヴィンテージ感醸し出す品のあるルックにもぴったりな1着です。MATCHESFASHION で購入する　きれいなホワイトで洗練されたルックが叶う「ジル サンダー（JIL SANDER）」のコーデュロイジャケット。ボタンをすべて閉めるとシックに、開けて羽織るとカジュアルにも着こなせます。ホワイトのボトムスと合わせて、セットアップ風に着ても◎。Farfetch で購入するトップス　サーモンピンクがかわいらしい「ウォン ハンドレッド（WON HUNDRED）」のコーデュロイシャツ。オーガニックコットンなので、着心地が抜群なのもグッドポイント。明るいカラーで、秋コーデを楽しく彩って。SSENSE で購入する　フェミニンで繊細なルックが特徴の「フォルテ・フォルテ（Forte Forte）」からは、リボン付きのコーデュロイブラウスがラインナップ。コーデュロイのトップスはシャツが多い中、ブラウスタイプで合わせやすい1着です。Farfetch で購入する　オフホワイトな色合いが合わせやすさ抜群「キートン（Kiton）」のコーデュロイシャツ。細身スタイルなので、ゆるっとしたボトムやフレアスカートを合わせても◎。秋コーデの差し色として取り入れてみては。Farfetch で購入するボトムス　「スリー・グレイス・ロンドン（THREE GRACES LONDON ）」のブラウンミディスカートは、ボタン留めのハイウエストを配したラップシルエット仕立て。深みのあるブラウンカラーで、秋ルックを楽しんで。MATCHESFASHION で購入する　1970年代に着想を得たブーツカットレッグのコーデュロイパンツは「ベラ・フロイド（Bella Freud）」のもの。ブーツカットの美しいシルエットが特徴、ネイビーなのでどんなトップスにも合わせやすい点もおすすめポイントです。MATCHESFASHION で購入する　上質なコットンコーデュロイを用いた「レッド・ヴァレンティノ（RED VALENTINO）」のネイビースカート。ゆるやかに広がるミニ丈シルエットが特徴的で、カジュアルにもシックにも着こなせます。秋コーデに欠かせないブーツとの相性も抜群。MATCHESFASHION で購入する　秋先におすすめ「イロ（IRO）」のショートパンツ。ゆるっと着れるシルエットが特徴で、オフホワイトの色味がどんなトップスとも相性抜群です。似たようなカラーのコーデュロイシャツも多いので、あえてセットアップ風に合わせるのもおすすめ。Farfetch で購入する　洗練されたホワイトカラーが美しい「イーアールエル（ERL）」のコーデュロイパンツ。ストレッチコットンなので履きやすさも抜群、カジュアルにゆるっと履けるパンツをお探しの方におすすめです。SSENSE で購入するキャップ・ハット　差し色として取り入れたいピンクカラーのハットは「マックキュー（McQ）」のもの。オールピンクと思いきや、サイドにブルーのテキストスタイルのロゴパッチがあるため、かわいくなりすぎない点がワンポイントです。SSENSE で購入する　「ブレイン デッド（BRAIN DEAD）」のコーデュロイキャップは、ブラックとレッドの染色模様が特徴。前面にはワンポイントとしてホワイトのロゴ刺繍があり、100%コットンなので長時間かぶっていても快適。商品は色合いにばらつきがあるとして、1つひとつに個性があります。SSENSE で購入する　ブルーのロゴ刺繍とネイビーのハットは「エスジェイワイピー（SJYP）」のアイテム。黒に近いネイビーなのでどんなコーデにも合わせやすく、モードにもストリートにもぴったりです。SSENSE で購入する　「セイントウッズ（SAINTWOODS）」のコーデュロイキャップは、今季流行りをみせているグリーンカラー。ストリートブランドらしいキャップのシルエットは、フーディーやトレーナーにぴったり。ちょっとお出かけする時にもかぶれる、シンプルなデザインがグッドポイントです。SSENSE で購入する

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