
H&Mジャパン代表取締役社長のクリスティン・エドマン
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―ブランド価値を保つために必要なことは?
スタッフ1人ひとりが「H&M」の"バリュー"を深く理解することが重要です。社員が会社の理念を深く理解していなければ、すべての作業が他のブランドと同じになってしまいます。「H&M」では様々なオペレーションをマニュアル化しているわけではないので、自分で判断し、指示の前に自ら行動する姿勢が求められておりそれがブランド価値を向上させていると考えています。

「Maison Martin Margiela(メゾン マルタン マルジェラ)」とのコラボに引き続き、2013年のデザイナーコレクション「Isabel Marant pour H&M」も発売日にほぼ完売に
―マニュアルのない"バリュー"の共有は可能か?
入社して最初に言われるのは「バリューを学びなさい」ということ。様々なバリューがありますが、そのひとつは「Have fun」という考え方です。簡単に聞こえますが、意識しなければ難しいです。特に日本のスタッフは、勤勉なため「ちょっと余裕持って楽しもうよ、100%でなくても大丈夫」と教えるのが実は、一番大変なんです。「H&M」では ワークライフバランスを非常に重要視しているので、会社ではよく「eighty twenty(=80%でいいの、100%を目指さなくてもいい)」とよく伝えています。
それと、「We believe in new」という考え方も重要ですね。チャンスを与えて教育をする、自信をつけさせながら育てることを目的にしています。もしかしたら外部から見るとマネージャーのクオリティに達していないように見えるスタッフをマネージャーのポジションに付けるなどです。産後3ヶ月で香港のオープンに携わり、その翌年には日本の代表に就いていた私も一例ですね。そういった社風から一人一人が「H&M」のバリューを学び、身に付けていきます。
―今後の目標は?
ジャパン社として大切にしているフラットな関係性やファミリーフィーリング、率直なコミュニケーションは、これから店舗が拡大してもこのまま保っていきたいですね。また、同時に女性が働きやすい環境をつくるというのも課題です。ストアスタッフを合わせて約2300人が働いていますが、今はまだ年齢が若い彼女達がワーキングマザーとして安心して働ける環境をつくりたい。そして、日本人が持つ気配りや完璧を目指す姿勢、カスタマーサービスをどんどん海外に提供していきたいし、海外にチャレンジできるような環境を整えたいですね。
―ジャパン社から他国にキャリアアップした人も多いと聞いているが?
日本はカスタマーサービスにしてもスタッフの姿勢にしても初めから能力が高いんです。これは本当にすごいことだと思います。銀座オープンはグローバルでも成功例として位置づけられていますし、この5年で銀座の立ち上げに関わったスタッフがスウェーデン本社や他国で働いています。

―H&Mとしての課題は?
まだまだ日本には「H&M」を知らない方々、買い物をしたこともない方が多いと思います。出店地を広げてブランドの認知度を上げていくことが課題ですね。多くの人にH&Mを知ってもらい、より多くの人にサプライズを届けていきたいです。
CHRISTINE EDMAN(クリスティン・エドマン) - H&M Hennes & Mauritz Japan K.K., Tokyo, Japan代表取締役社長
1975年12月23日生まれ。国籍はスウェーデン。1997年にMattel Inc.,でアシスタントブランドマネージャーとしてキャリアをスタートさせる。2004年にStockholm School of EconomicsでMBA取得。2007年にH&M Hennes & Mauritz Hong Kongの香港エリアマネージャーに就任。2008年3月からH&M Hennes & Mauritz Japan K.K., Tokyo, Japan 代表取締役社長を務める。現在二児の母。
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