ヴェロニク・ニシャニアン(Véronique Nichanian)が手掛ける「エルメス(HERMÈS)」が、パリで2024年春夏メンズコレクションを発表した。会場のイエナ宮(Palais d’Iéna)には、古い石柱とコントラストを成すモダンなスクリーンが設置された。半透明なスクリーンからモデルたちが登場すると、「光と透明感」をキーワードにショーがスタートした。
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涼しげなトーンと素材感
今回の主役はシアーな素材。「トレーシングペーパー」と呼ばれる生地でシャツやジャケットが仕立てられ、軽やかなレイヤードを演出。また、シャツやブルゾンなどに施された透かし模様は、メゾンの本店があるフォーブル24番地のモザイクを反映したもので「身体がまとう建築物」を表現しているという。
Image by: Image by Filippo Fior
ショートパンツを主役に
カラーは砂漠や蒸気、氷、セージをイメージした爽やかなミネラルカラー。清涼感のある色合いがエフォートレスなスタイルを彩る。ショートパンツにレザーサンダルを合わせたスタイルなどは、まるでウィメンズウェアのよう。メンズでは膝丈でゆとりのあるシルエットのショートパンツが一般的だが、今シーズンは太ももを露出する股下丈の短さが特徴で、新たなバランスを提案した。
カーフスキンのショートパンツとニットの組み合わせも多用され、日差しの強い日中から気温の下がる夜間までの装いをカバー。バカンスにぴったりなストライプのテクニカル素材のシャツやジャケットも登場し、モダンかつジェンダーレスなサマールックを作り上げている。さらに、プレイフルなイラストレーションが躍るトートバッグが遊び心をプラス。
日焼けしたバッグのディテール
20世紀の初めにデザインされたエルメス初のバッグ「オータクロア」にも、夏らしい仕掛けが。あたかも日に焼けたようなネームタグとパドロックの跡がトロンプルイユで描かれている。ほかにダブルストラップのベルトやサンダル、スクエアのクロスボディバッグ、ネットバッグ、レザーとシルバーのコンビブレスといったアクセサリーにもエルメスらしいこだわりとクラフトマンシップが感じられた。
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