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世界に注目される日本の伝統技術。中でも、ものづくりの伝統が色濃い革靴の世界には、歴史の深いブランドが多く存在しています。この連載では、そんな日本が誇る革靴文化を推進する団体・日本靴工業会に参画する革靴ブランドに着目。髙島涼さんが各ブランドの店舗を訪問し、サービスを体験しながら、ブランドの魅力を紐解きます。第4回は、学生靴ブランドとして名高い「ハルタ(HARUTA)」。ブランドの魅力を探るべく、観光地のど真ん中に位置する横浜赤レンガ倉庫店にお邪魔しました。
■日本靴工業会とは?
日本の風土や日本人の足に合う良質な革靴の提供と普及を目的とするNPO法人。革靴の仕様や品質に関する情報提供や日本の革靴規格(JIS)の策定、革靴の製造過程で生じる環境問題への対応など、幅広い活動に取り組んでいます。今後は、激しさを増す国際競争の中で日本の革靴を更に発展させていくことを目標に掲げています。
参画企業:岩手製靴、大塚製靴、共和工業、チヨダシューズ、東立製靴、ハルタ、マドラス、宮城ハルタシューズ、ムーンスター、リーガルコーポレーション(五十音順)
目次
ハルタとは?
ハルタは、1917年に春田製靴店として開業。製造販売業からスタートし、1948年、子ども靴の生産を中心としたハルタ製靴を創立しました。1956年には、日本初のローファーシューズとして婦人コインローファーを発表。当時の社長である春田余咲氏がアメリカ靴産業を視察した際、玄関で靴を脱ぎ履きする日本の文化とマッチしていると感じたことから開発。その後ローファーは学生靴として広く浸透し、現在も世代を超えて愛されています。その種類は、ルーズソックスに対応した「ワイドローファー」や、制服ファッションと相性の良い「おでこローファー」、スタイルアップが可能な「ヒールローファー」などさまざま。現在では国内のみならず、韓国や中国、台湾、香港などアジア各国で人気を集めています。
ハルタのコンセプトは、「生活の中にさりげなく溶け込める、暮らしの一部として選んでもらう靴のお届け」。私立校を中心に、制服に合わせる指定靴としてローファーが採用され、ブランドの名が広く認知されるようになりました。その後、「学校を卒業してもハルタの靴を履いてもらいたい」という思いから、国内生産の技術を取り入れた大人用の革靴の販売もスタート。2011年に初の直営店を横浜赤レンガ倉庫店にオープンしました。
ハルタ横浜赤レンガ倉庫店に訪問!
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ハルタの直営1号店であり、国内最大級の品揃えを誇る横浜赤レンガ倉庫店を訪問!定番のデートコースや観光地として常に賑わいを見せる赤レンガ倉庫なので、客層も幅広く、国内外からさまざまな顧客が訪れるんだそうです。昨年には館の大規模設備工事に伴い、ナチュラルな雰囲気からモダンでスタイリッシュな内装にアップデート。ファッションアイテム=「大人ハルタ」へのイメージ強化を図っています。今回は、同店で10年にわたって店長を務める触沢幸子さんに話を聞きました。
全店舗で実施!リペアサービス
ハルタでは、全店舗で靴のリペアサービスを実施。お店に持ち込んで依頼をすることで、2〜3週間ほどで完了し受け取ることができます。価格は、オールソール修理の場合には婦人、子供靴が2790円〜で、紳士靴が3800円〜。
修理は店頭で行っているんですか?
髙島さん
触沢さん
店頭ではなく、国内の自社工場で純正部品を使用し、心を込めて修理します。お見積もりだけでも可能なので、ぜひ気軽にご相談ください。
全国どこでも無料、配送サービス
ハルタの全店では、購入商品をそのまま自宅に配送してくれるサービスも実施。特に、横浜赤レンガ倉庫店では観光時に荷物のストレスなく購入できるのが嬉しいですよね。配送料は、税込1万1000円以上の購入で無料となります。(※税込1万1000円以下の場合には、一律880円で配送可能)
全国どの地域への発送でも配送料は無料なんですか?
髙島さん
触沢さん
配送料は、全国どこにお届けしても無料です。そのため、遠方の方でも荷物が増える心配なくお買い物をしていただけます。
スタッフが選ぶ一押しシューズは?人気モデル2選
学生靴から大人用のレザーシューズまで、幅広く展開するハルタ。その中でも普段使いしやすく、万能に使えるシューズ2足を厳選して紹介してもらいました。
触沢さん
「ハルタといえば学生靴」という人も多いと思いますが、本格的な革靴もたくさん揃っています。今日はその中でも、特に一押しの定番シューズを2足紹介します。
ウィングチップポストマンタイプシューズ(メンズ)
まず紹介するのが、ウィングチップポストマンタイプシューズ。ヴィブラム(vibram)ソールを使用したことで、耐滑・耐油性を備えながら、軽量さとクッション性を叶えたモデルです。
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触沢さん
ヴィブラムソールを使用しているので、修理の際にはソールごと交換ができるのもポイントです。
ウィングチップシューズ(ウィメンズ)
続いて紹介してもらったのが、ハルタの定番シューズとして知られるウィングチップレースアップシューズ。カジュアルからトラッドスタイルまで、幅広いスタイリングに合わせることができる万能モデルです。
触沢さん
履き心地や歩きやすさを考慮し、ソフトなソールを採用したモデルです。トラッドファッションをはじめ、デニムやチノパンなどのカジュアルなファッションとも相性抜群です。
【番外編】シンプルな革靴のアクセントに使えるカスタム用キルト/タッセル
左:ウィングチップシューズ「379KS」1万4300円、カスタム用キルト「KT379」990円/右:カジュアルローファー「920」1万8480円、ビックタッセル「HT003」1760円(いずれも税込)
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ハルタでは、靴の他にアクセサリーとしてカスタム用キルト「HaruTag」を展開。通常の革靴のアッパーに取り入れることで、一気に雰囲気を変えることができます。
■Haru Tagとは?
「HARUTAの靴をもっと楽しく、よりじぶんらしく履いてもらえるように」という思いのもと、手持ちの靴につけるだけで違ったスタイルを楽しむことができるアクセサリーパーツを揃えています。
触沢さん
素材は革靴の製作過程で余った革の端材を再利用したものなので、サステナブルでありながら、簡単におしゃれを楽しんでいただけるアクセサリーパーツに仕上げています。レースアップシューズにキルトを付けるだけで、華やかな印象になります。靴のカラーとはあえて別のカラーのキルトを付けるのもおすすめです。
最後に
観光地のど真ん中に位置する横浜赤レンガ倉庫店。直営1号店として営業を続ける店内では、ブランドが歩んできた歴史が感じられました。
今日はありがとうございました。温かみのある店内で、観光ついでに立ち寄りたくなる雰囲気で居心地が良かったです。
髙島さん
触沢さん
当店は、土地柄20代〜50代と幅広い年齢層のお客様にご来店いただくので、常にさまざまなお客様の目線に立ってご案内するようにしています。年に数回は赤レンガ倉庫店限定のアイテムを販売することもあったり、他店とは毛色の違った雰囲気をお楽しみいただけると思います。
■ハルタ 横浜赤レンガ倉庫店
所在地:神奈川県横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫2号館 2階
営業時間:11:00~20:00
店舗面積:約50平方メートル
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