ADVERTISING

「ルイーズ・ブルジョワ展」に協賛するゲランとアートの関係とは? ゲランの文化事業に携わるパラザン氏に聞く

ルイーズ・ブルジョワと《短刀の女》(1969-70)、シャリマーの香水瓶、母の鏡、1980年 Photo: Mark Setteducati, ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

ルイーズ・ブルジョワと《短刀の女》(1969-70)、シャリマーの香水瓶、母の鏡、1980年 Photo: Mark Setteducati, ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

「ルイーズ・ブルジョワ展」に協賛するゲランとアートの関係とは? ゲランの文化事業に携わるパラザン氏に聞く

ルイーズ・ブルジョワと《短刀の女》(1969-70)、シャリマーの香水瓶、母の鏡、1980年 Photo: Mark Setteducati, ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

 長年に渡り、モダンアートを⽀援し、創造的な現代アーティストとの共⽣関係を結んできた「ゲラン(GUERLAIN)」が、森美術館で開催されている「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ ⾔っとくけど、素晴らしかったわ」(2025年1月19日まで)に協賛し、アートとゲランの⾹りや⾹⽔の魅⼒を発信している。このアート展をきっかけに日本でのゲラン独自のDNAを伝えるため、ゲラン ヘッド オブ アート・カルチャー・アンド・ヘリテージのアン・キャロライン パラザン氏が来日。パラザン氏が語る、ゲランを代表するフレグランスの1つ「シャリマー」とブルジョワとの関係、そしてゲランとアートとの関係とは⎯⎯。


Image by: GUERLAIN

ADVERTISING

◾️アン・キャロライン パラザン:ヘッド オブ アート・カルチャー・アンド・ヘリテージ
INSEEC School of Business and Economicsで国際マーケティングとファイナンスに加え美術史を学ぶ。ファイナンスの分野でキャリアをスタート。1990〜2000年、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の⾹⽔部⾨のマーケティングやオペレーション開発リードのほか、さまざまな役職を経験。2000年にメゾン ゲランに⼊社。フレグランスグループのヘッドを経て、2005年にメゾン ゲランのマーケティング ディレクターに就任し、シャンゼリゼ通りにある同社のブティックのリニューアルオープンを指揮した。その後、ゲラン唯⼀のオート パフューマリー フレグランスを開発。「ラ プティット ローブ ノワール」や「ラール エ ラ マティエール コレクション」などが生まれる。2011年、インターナショナル フレグランス マーケティング ディレクターに、2015年にシャンゼリゼ通りのブティックのアーティスティック ディレクターに就任。2021年から現職。

 今回の協賛は、20世紀を代表するアーティストの1⼈であるルイーズ・ブルジョワの作品「蜘蛛」に、シャリマーが⽤いられていることが起点。ゲランとアーティストが、互いにさまざまなインスピレーションを受けてきた(また今後も受け続ける)、深い影響力と親和性を理解してもらうことを目的としている。パラザン氏は、ゲラン唯一のオート パフュマリー フレグランスなど多くのフレグランスを開発、さらには200年近くにおよぶゲランの歴史とヘリテージの発信、さらに創業からこれまでの2万5000点ものアーカイブを管理する、ゲランのキーマンだ。

 パラザン氏は、シャリマーを解説する前に、ゲランというブランドについて語った。「1828年、創業者のピエール フランソワ・パスカル・ゲランは、当時エレガンスといったイメージのなかったパリを『世界のエレガンスの中心にしたい』と宣言し、ショップをオープンしたのです」。そこからゲランは始まったという。創業からスキンケアやメイクアップ、フレグランスを取り扱い、クリエイターとしても優れていたピエール フランソワ・パスカル・ゲランは、“中身と同じぐらい、ボトルなどのデザインも大切である”との考えの下、さまざまなアーティストとコラボレーションし、美しいパッケージを作り上げてきた。

 ゲランは、当時の“常識”とはかけ離れていた、革新的なアイデアを落とし込み作品を制作。たとえば世界で初めて歯ブラシを作り、また化粧品では1870年に繰り出し式リップスティックを初めて世に送り出した。フレグランスでいえば、1853年に皇帝ナポレオン3世と皇后ユージェニーの結婚を祝福するため、フレグランス「オーインペリアル」を創作したことからピエール フランソワ・パスカル・ゲランが皇室御用達調香師となり、そこから世界のパフューマリーへと名を馳せた。そして三代目のジャック・ゲランが、今回の展覧会の主人公、ルイーズ・ブルジョワの作品「蜘蛛」に登場する、世界初のアンバーフレグランス、シャリマーを1925年に作り出した。「ジャックは『世界一の香水を作るために、美しいものに囲まれていたい』という言葉を残しています」とパラザン氏。ゲランには脈々とアートへの思いが受け継がれている。

ゲランを代表するフレグランスの1つ「シャリマー」

 シャリマーは2025年に誕生から100年を迎える。「フランス女性の誰にとっても特別な香りだと思います。強さと自信を呼び起こしてくれます。私自身、重要なミーティングやプレゼンテーションがある時は、“自分の香り”としてシャリマーをつけます。最近では20代からも注目の香りとして名前が上がる香りです。背景にある物語や精神が、多くの人に響く、タイムレスなフレグランスなのではないでしょうか」と語る。

 ルイーズ・ブルジョワについても「彼女はまさに『ゲラン ウーマン』。フェミニストのシンボルでもありとても強い女性で、同時に弱さも持ち合わせていた。クリエイティブで想像力豊かな女性でありながら、少しだけクレイジーでダークサイドもある。でもそこがたまらなく素敵なのだと思います。彼女は家族について、また家族から受け継いできたものについて多く語っています。これはゲランとの共通点であり、それゆえ湧き上がるエモーションを感じます」。

「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ ⾔っとくけど、素晴らしかったわ」は2025年1月19日まで開催

左から片岡真実(森美術館 館長)、 アン・キャロライン パラザン(ゲラン ヘッド オブ アート・カルチャー・アンド・ヘリテージ)、ルイーズ・ブルジョワ《蜘蛛》 (1997)と共に。撮影: 菅野恒平 ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York

 今回のこの展覧会の協賛をきっかけに、新しい写真との出合いがあったという。「ニューヨークのイーストン財団にあった写真は、長くゲランでこの仕事をしていながら、今まで見たことがないものでした。とても素晴らしい出合いでした。アーカイヴの1つに加え、今後200年残っていくことになるでしょう」と、ゲランの歴史にまた新たな1ページが刻み込まれた。

 「今回の協賛は、もちろんシャリマーのボトルを使った作品があるというのもありますが、大切なのは、ゲランがアーティストの近くにいて、そして後ろから見守り支えていくということです。ゲランのロゴを前面に出したり、何かを強く主張したりすることはしたくありません。アーティストを心からリスペクトし支援したい。これはゲランが200年続けてきたことであり、今後も続いていくことだと思います」と語り、ゲランのアーティストへの揺るぎない“愛”が、これからの100年、さらには200年と続いていくと語られた。

⎯⎯TOPICS

パラザン氏に4つの質問

⎯⎯20年以上のゲランの活動の中で、一番思い出深い出来事は?
 私はゲランというブランドが、パリジェンヌの象徴であると思っています。そのため、もっと若い女性にゲランを知ってもらうことがミッションの1つでもありました。どうすればと考えた時にふと、10代の女の子が大人の女性への転換期を迎えた時に、必ず身につけるようになるリトル ブラックドレス(仏語:ラ プティット ローブ ノワール)。これを名前にしたフレグランスを作ろうと思いついたのです。「ルール ブルー」が好きだったことから、その形を採用し、リトル ブラックドレスをボトルに描きました。香りはローズ エッセンスとハチミツのような香りのローズ アプソリュを合わせた香りをシグネチャーに、アーモンド、レッドベリー、ベルベットとともにブラックベリーが洗練された甘さとフルーティなアクセントが加わります。誕生したフレグランス「ラ プティット ローブ ノワール」が世に放たれた時、本当に嬉しかったのを覚えています。

「ラ プティット ローブ ノワール オーデトワレ」

2024年8月に「ラ プティット ローブ ノワール」からリフィル可能な携帯用ボトルが登場

⎯⎯パラザンさんの、お気に入りのゲランの香水は?
 ずっと使い続けているのは「ルール ブルー」です。3番目の娘を出産して産休から戻った時、CEOを含むゲランチームとの最初のミーティングの際に「ルール ブルーが帰ってきた!」って言われたぐらいですから(笑)。ゲランの香水はすべて私の“赤ちゃん”のような存在ですが、中でもルール ブルーは私の“セカンドスキン”とも言えますね。

「ルール ブルー」

⎯⎯子どもたちにはいつから香水を教えていますか?
 もちろん生まれた時からです。1番下の娘は調香師になりたいと夢を語っていますが、とても誇りに思います。
⎯⎯子どもたちは、ゲラン以外の香水をつけたことはあるのでしょうか?
 ありません。1番の娘は、「ゲラン エリクシール シャルネル」を使っていましたが、廃盤になりずっと泣いていました。今は「ラール エ ラ マティエール」を使っています。2番目の娘はラ プティット ローブ ノワール、1番下の娘はラール エ ラ マティエールやシャリマーを使っているようです。もちろん夫もゲラン愛用者です。わが家はゲランの香りでいっぱいです。

ADVERTISING

PAST ARTICLES

【インタビュー・対談】の過去記事

JOB OPPOTUNITIES

最新の求人情報(求人一覧

求人

E-com Senior Manager

A Balloon Consulting

E-com Senior Manager

年収

〜 1200万

詳細を見る

ジャーナル

ラグジュアリーブランドのマネージャーが教える、グローバルキャリア成功のカギ Vol.1

ラグジュアリーブランドのマネージャーが教える、グローバルキャリア成功のカギ Vol.1

記事を読む

求人

リテール マーケティング スペシャリスト

A Balloon Consulting

リテール マーケティング スペシャリスト

年収

〜 750万

詳細を見る

ジャーナル

【連載Vol.5】プロがわかりやすく解説!採用ブランディングの進め方 <採用マーケティング戦略...

【連載Vol.5】プロがわかりやすく解説!採用ブランディングの進め方 <採用マーケティング戦略...

記事を読む

ジャーナル

デジタル時代も、接客力は店頭で磨く!「STAFF OF THE YEAR 2024」グランプリ...

デジタル時代も、接客力は店頭で磨く!「STAFF OF THE YEAR 2024」グランプリ...

記事を読む

ジャーナル

世界への扉を開いたのは、厚さ1ミリの桐製ロックグラスだった。創業100年の桐家具店が生き残りを...

世界への扉を開いたのは、厚さ1ミリの桐製ロックグラスだった。創業100年の桐家具店が生き残りを...

記事を読む

コラボパートナーの募集情報
コラボ募集一覧

コラボ

【いろはグランホテル松本駅前】コラボパートナーになってホテル...

IROHA GRAND HOTEL 【いろはグランホテル松本駅前】コラボパートナーになってホテル...

詳細を見る

コラボ

”水辺の宿場町”をデザインコンセプトとするアートホテル「東京ベイ潮見...

東京ベイ潮見プリンスホテル ”水辺の宿場町”をデザインコンセプトとするアートホテル「東京ベイ潮見...

詳細を見る

コラボ

ドイツ腕時計ブランドの"ZEPPELIN"とのコラボレーションウォッチパートナ...

ZEPPELIN ドイツ腕時計ブランドの"ZEPPELIN"とのコラボレーションウォッチパートナ...

詳細を見る

コラボ

自治体の枠にとらわれない幅広いコラボ実績をもつ「サガプライズ!」とのコラボレーシ...

サガプライズ! 自治体の枠にとらわれない幅広いコラボ実績をもつ「サガプライズ!」とのコラボレーシ...

詳細を見る

Powered by

ルイーズ・ブルジョワと《短刀の女》(1969-70)、シャリマーの香水瓶、母の鏡、1980年 Photo: Mark Setteducati, ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント