フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。

　第18回は、京都の5つ星ホテル「HOTEL THE MITSUI KYOTO」が香りをテーマに開催するフェスティブプロモーションを紹介。

　2024年もまもなく終了。最繁忙期となるフェスティブシーズンに向けて、ホテルではそれぞれに趣向を凝らしたプロモーションを準備中だ。

　京都が誇る世界遺産 二条城前に位置する5つ星ホテル、HOTEL THE MITSUI KYOTOも、クリスマスに向けて巨大な松のクリスマスツリーを設置し装飾を進めているが、同ホテルのプロモーションのテーマは「香り」。実は今回、ホテルのシグネチャーアロマを開発。それも含めた全館あげてのスペシャルな香りのプロモーションを12月1日から2025年1月14日まで実施する。

　オリジナルアロマを開発したのは、アロマ調香デザイナーとして幅広く活躍するTOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO代表、齋藤智子氏。ホテルのブランドコンセプト「日本の美しさと」をテーマにデザインしている。

　「風情のある庭園、そこに表れる四季の美しさ、そしてオーセンティックな佇まい。それらを表現するうえで、庭園に植えられている数種類の松に着目し、黒松や唐松、黒文字やヒノキ、柚子をはじめとする和の精油を軸に設計しました。といっても威厳のあるドンッと重たい感じではなく、京都らしいしなやかな趣。木の香りはどこかで嗅いだことのある安心感や懐かしさを感じさせるので、そこにシトラスなどをブレンドし、ほっとする優しさが漂う香りに仕上げています」

　さらに齋藤氏は、スパトリートメントで使用する3種のアロマ「月」、「花」、「風」も開発。

　「シグネチャーは17種類の精油を使っていますが、スパ用では肌につけることを前提に8種類くらいに絞ってシンプルに設計しています。『月』は沖縄の月桃やフランキンセンスなどを用いてエナジャイジングを、『花』は芳樟（ホウショウ）や黒文字などを用いてカームダウンを、『風』は直七やヒノキなどを用いてリフレッシュをもたらします」

　まずは目を閉じてこれら3種のアロマを嗅ぎ、好きな香りを選ぶところからトリートメントは始まる。精油は米ぬかオイルなどをベースにブレンドしたマッサージオイルとして顔にも体にも使用。プロモーション期間限定の「アロマティック・グロー・セラピー」（ボディ 110分 3万8000円、ボディ＆フェイシャル 140分 4万8000円）では、アロマを染み込ませて温かく蒸したハーブボールによる全身マッサージも加わる。当初から技術力の高さで知られるオールハンドの施術だが、それに加えて心地よい精油の香りを鼻と肌から取り込み、全身が浄化される感覚を味わえる。

　トリートメント終了後のおもてなしも絶品。みかんのジュレに白キクラゲのコンポートと生姜のジャムに菊の花びらを添えたスイーツ、京丹後の古代米を使ったお煎餅、そして柿の葉茶。マシンの類いが一切置かれていない、木の温もりあふれるトリートメントルームで坪庭を眺めながら、癒やしと活力に満たされるひとときを過ごせることは間違いない。ハーブボールの使用は来年1月14日までのプロモーション期間限定手技なので、この機会にぜひトライを。

　さらに、人気のアフタヌーンティーやランチ、ディナーにも「香り」をテーマにした限定メニューを用意。

　アフタヌーンティーではセイボリー、スイーツ、ショートブレッドとコンディメンツを構成する一品一品に、アクセントとなる香り高い食材を採用。例えばセイボリーなら「鶏肉のインボルティーニ トリュフと牛蒡」、スイーツなら「黒文字とレモンのヴェリーヌ」、ショートブレッドなら「ハマナス」に「みかんと生姜のジャム」といった具合。一緒に「ラベンダーのミルクティー」などモクテル2種も提供される。

　ホテル内の2つのレストラン、フレンチの「都季（TOKI）」とイタリアンの「フォルニ（FORNI）」でも黒トリュフやキャビア、オマール海老、サフランなど、香り高い食材をぜいたくに使用したクリスマススペシャルコースが期間限定で登場。

　京都の5つ星ホテルならではの上質なプレゼンテーションに五感を委ねてみるチャンス、年末年始に訪れてみては。

◾️HOTEL THE MITSUI KYOTO
“香る”フェスティブプロモーション
期間：2024年12月1日（日）〜2025年1月14日（火）
所在地：京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町 284 
電話番号：075-468-3100（ホテル代表）
公式サイト