Image by: KENZO PARFUMS, NONFICTION, Yohji Yamamoto
フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。
第12回は、5月1日から6日まで阪急うめだ本店で初開催されたフレグランスフェスティバルをレポート。
ADVERTISING
意外なことに阪急うめだ本店では初となる香りの祭典「HANKYU BEAUTY フレグランスフェスティバル 2024」がゴールデンウィーク中に開催された。人気のハイエンドからニューフェイスまで、全18ブランドが限定品や先行品を携えて集結。トークショーや音楽ライブなどのスペシャルコンテンツも多彩に揃え、さらにメンズ館でもマニア心をそそる10ブランドがワークショップやコンサルテーションなどを開催。エンタメ感満載の体感型イベントは大盛況のうちに終了し、早くも第2回が検討されているという。
実は今回のイベントの招待を受け、「マリ・クレール」編集長の田居克人氏、「ラニュイ パルファン」コンダクターの海老原光宏氏とともに、初日のオープニングトークショーに出席。終了後に会場を巡りながら気になったブランドを、ここでピックアップしてみたい。
ラニュイ(La Nuit)
編集者・ライターである海老原光宏が、趣味であるクラシック音楽の裾野を広げるべく2023年9月に立ち上げたブランド。そのこだわりが凝縮されているのがディスカバリーセットで、楽曲3曲をイメージしたオードパルファン3本セットに、楽曲を収録したCD、ピアニストや専門家たちによる読み応えあるブックレット付き。
フレグランスフェスでは、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールの結成20周年を記念したコラボフレグランス「甘い混乱」を先行リリース。それに合わせてスペシャルライブやサイン会を実施した。「香りと音楽の相性がとてもよかった」と阪急うめだも評したとおり、香りに普段なじみのない人たちを惹きつけ、大盛況に。
ケンゾーパルファム(KENZO PARFUMS)
まさに“花やか”なブースが目を引いたケンゾー パルファムからはケンゾー メモリー コレクションが限定登場。姫路の花街に育った高田賢三の繊細で花やかな幼少期の記憶を着想源とした香りは「プードル マッチャ」「ソレイユ テ」「レーヴ ロータス」「シエル マグノリア」「セダー シークレット」「ニュイ タタミ」「クール アズキ」「アンサン ルミエール」の8種からなるオードパルファムコレクションだ。
ほかでは入手できないということで特に人気を呼んだ限定品だが、朗報が到着。@cosme TOKYOで7月3日から7月30日まで限定発売が決定。要チェック!
オドゥール ヨウジヤマモト(L’odeur Yohji Yamamoto)
山本耀司が手掛けるオドゥール ヨウジヤマモトは、極めてユニークなラインナップに非売品のバスソルトやオリジナルTシャツなどを用意して参加。“香水嫌い”といわれるデザイナーらしく、繊細で透明感のある5種類の香りが、リネンスプレーやスパークリングシャンプー、サボン、ディフューザーなどアイテムに合わせてセレクトされた香りで展開している。
会場ではトークショーに出演したLDH所属10人組ダンス&ボーカルグループ「THE JET BOY BANGERZ」の宇原雄飛がこの香りについてコメントした影響で、トークショー後にファンがブースに殺到する状況に。
ノンフィクション(NONFICTION)
目を見張る韓国人気は、フレグランスでも揺るぎなし。“リアルライフの自分と向き合うための香り”をコンセプトとしたノンフィクションは、セレクトショップやEC販売を主としているため、遠方からも含めて多くのファンが来場。
フェスでも人気だった「ネロリドリーム」はジュリエット・カラグーゾグー(Juliette Karaguezoglou)、先行発売となった「センテッドキャンドル」はドミティル・ミシャロン=ベルティエ(Domitille Michalon Bertier)と、実はヒット作を手がける名調香師たちをぜいたくに起用。ヴェネチア・ビエンナーレで発表された新作「ODORAMA CITIES」(日本未発売)は、名調香師ドミニク・ロピオン(Dominique Ropion)によるスモーキーな香り。日本上陸が待ち遠しい。
アールボウ(RboW)
2月に上陸したばかりのアールボウは、アートディレクターとして10年以上活躍する女性が手掛けた、アートをプラットフォームにデザインされた韓国フレグランスブランド。今回が関西初上陸にも関わらず、オブジェのようなキャンドルやディフューザーを先行発売し、韓国コスメ好きやファッショニスタを誘引。“持ち歩くアート”“香るインテリア”として注目のジェンダーレスブランドだ。
ビューティ・ジャーナリスト
大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。
■問い合わせ先
ラ ニュイ:公式サイト
ケンゾー パルファム[LVMHフレグランスブランズ]:tel. 03-3264-3941
オドゥール ヨウジヤマモト:公式サイト
ノンフィクション:公式サイト
アールボウ(インテルコスメシ):tel.03-6625-4293
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【人に教えたくなるフレグランスの話】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境