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「子どもの頃はデニムを着させてもらえなかった」――25周年を迎えたDSQUARED2、世界的兄弟デザイナーを紐解く10の質問

デビュー当時のディーン・ケイティン(Dean Caten)とダン・ケイティン(Dan Caten)

Image by: DSQUARED2

デビュー当時のディーン・ケイティン(Dean Caten)とダン・ケイティン(Dan Caten)

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「子どもの頃はデニムを着させてもらえなかった」――25周年を迎えたDSQUARED2、世界的兄弟デザイナーを紐解く10の質問

デビュー当時のディーン・ケイティン(Dean Caten)とダン・ケイティン(Dan Caten)

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 デニムを筆頭に世界中から人気を集め、今年で25周年を迎えたブランド「ディースクエアード(DSQUARED2)」。デザイナーのディーン・ケイティン(Dean Caten)とダン・ケイティン(Dan Caten)、2人の兄弟が今なお持ち続けているファッションへの熱意とは?25年の歩みと、デザインへの向き合い方、"ステイホーム"期間中に考えたこと――10の質問から探る世界的デュオデザイナーの根幹。

デビューから間もない頃、ショーのバックステージにて

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1. ブランド25周年を迎えた率直な感想を教えて下さい。

 私たちは25周年を達成したことに、誇りと感謝を込めて、2020年を「シルバージュビリー」と名付けました。これはブランドを設立してから、創造的なヴィジョンの中で進化し続けた今日までを表す特別な意味を持っています。私たちはこれからも「ディースクエアード」に対して、誇りと感謝を持ちながら、皆さんとのつながりとブランドとしての革新性を維持するために、私たちの最大限を尽くしていくつもりです。

2. ブランドの25年間を通して、一番印象的な出来事は?

 印象的なことは1つには絞れません。例えばまだあまり知られていない頃の私たちにとって、マドンナ(Madonna)は不可欠な存在でした。最初は彼女のミュージックビデオ「Don't Tell me」の衣装用にほんの数本のジーンズをデザインするだけだと思っていたんです。そうしたら次は150ピースものツアー衣装を担当することになって。これは、まさにブランドと私たちにとっての転換期と言えるでしょうね。

 そしてもう1つ特に印象的だった出来事は、ミラノに最初の店舗をオープンしたことです。私たちにとって初めてのブランドストアであり、ブランドにとって最初の大きな投資でした。それまでは、いわゆるセレクトショップや百貨店内での販売だったので。この2つ以外にも、この25年間にはたくさんの記憶に残る瞬間がありました。それらはどれも非常に大切で、私たち自身の一部であり、ブランドヒストリーとなっています。

今年1月に行われた2020年秋冬コレクションのファッションショー

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3. 25年間でなにか変化したことはありましたか?

 ファッションシステムは、流行と同様に常に変化し続けていますが、私たちはその中で進化を試みてきました。流行、つまりお客様は、いつでも特別で実用的な、またユニークな衣服を求めています。彼らのニーズを理解するということが、私たちにとって非常に重要なタスクなんです。私たちは服を季節のトレンドだけで追うのではありません。オリジナリティや価値観といったもので、お客様のニーズとつながっていく。そういう意味では、この25年間も、根底の部分において特に大きい変化はないかもしれませんね。

4. クリエイティブやデザインする上で一番重視していることは?

 間違いなくデニムですね。最初の「ディースクエアード」のメンズウェアは、実験的なデニムアイテムの代名詞でした。ファブリックとインスピレーション、そして大胆なアウターウェアをミックスさせる新しい方法を見出したアイテムだったんです。それは今でも継続してデザインに取り入れています。2003年に最初のウィメンズコレクションを発表した時は、デニムを構築し、生地、色、形で遊ぶためのアイデアをさらに拡げました。デニムはブランドの出発点であると同時にずっと主軸にあるもので、私たちは本当にデニムを愛しているし、感謝すらしています。子どもの頃、デニムを着ると貧しく見えるからと言って(そういう時代でした)父親が着ることを許してくれなかった時のことを思い出し、私たちを出発点に立ち返らせてくれるんです。

今年1月に行われた2020年秋冬コレクションのファッションショー

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5. 「DSQUARED2」は日本でも人気がありますが、日本のファッションカルチャーについてどんなイメージがありますか?

 日本のファッション文化は、非常に魅力的だと思います。日本とその近代性、そして独自の解釈で新しいトレンドを捉える能力はとても興味深いですね。私たちはデザイナーとして、ファッションだけではなくライフスタイル全般において、常にアンテナを張って新しいものを発見しなければならず、私たちを取り巻くあらゆるものからインスピレーションを得ています。そういう意味でも日本の独自性が強い文化は面白いですね。

6. 25周年記念のカプセルコレクションでは”多様性”が表現されているとのことですが、改めてコレクションに込めた想いを教えて下さい。

 この25年間、私たちは常に自分たちのルーツにリンクしたメッセージを、コレクションやプロジェクトなどを通じて伝えてきました。私たちにとってこの25周年は重要な節目の年なので、数値ロゴを打ち出して、ブランドの今を想起させるカプセルコレクションに仕上げ、この年を祝いたかったんです。このコレクションは、レディトゥウェア、アクセサリー、アンダーウェア、ビーチウェアのコレクションで構成され、女性、男性、子ども向けのアイテムを展開しています。色とエネルギー、そして私たちの心の数字である「D25」と「95:20」で、多様性を表現しました。Dと25はDsquared2の頭文字と25周年、95はブランド創設の年と20は現在の年を組み合わせています。今回のコレクションは、アイテムラインナップやディテールで、ブランドの精神そのものを表したものでもあるんです。

「DSQUARED2」25周年カプセルコレクション

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【あわせて読みたい】ディースクエアードから25周年コレクションが登場、東京と大阪にポップアップ出店

7. ブランドを25年間にわたり続けてこられた理由はなんだと思いますか?

 すべてのアイテムをデザインするとき、私たちは自分たちに「ディースクエアードスタイルと認識できるかどうか」と問いかけます。たとえ正確なスタイルがなかったとしても、おそらく数シーズンは成功するでしょう。しかしファッションシステムの中で生き残るのは非常に難しい。だから私たちは常に、原点に立ち返り、独自の価値を維持し続けようと努力しています。25年間お客様と繋がってこられたのは、その主軸がブレなかったからではないでしょうか。

8. 新型コロナウイルスによりブランドにはどんな影響がありましたか?また、お二人にとって変化したことはありますか?

 新型コロナウイルスによる困難な状況は、世界中の全ての人に影響を与えましたね。私たちはこの有り余る時間で、一気に一息つくことができ作業に集中できました。それと同時に作業途中で、また全てを再評価し、新しいタイプのインスピレーションを得ることも多かったですね。私たち自身は実はこの期間もアクティブに過ごしていました。音楽や本、フィットネスアクティヴィティ…面白い瞬間を2人で共有していたので退屈ではなかったですね。

 ファッションについては、特にコロナだからといった嗜好の偏りはないかと思います。ただ皆心の鬱憤を晴らすような快適な服を着たいであろうという想いから、そこを解釈して2021年春夏のプレコレクションに入れ込みました。

>>DSQUARED2の2021年春夏プレコレクションを見る【Men's】【Women's

今年1月に行われた2020年秋冬コレクションのファッションショー

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9. これからお2人が目指していきたいことは?

 私たちは成長を続け、常に時代に遅れずに付いていくことを目指しています。そのためには、革新と探究、そして経験とともに、その夢に対する献身が必要です。また、今日から25年経ってブランドが皆様の目に留まる時、より成長した姿でありたいですね。

10. 最後にお二人にとってファッションとはなんでしょう?

 ファッションは自由で楽しいものであり、自分を表現し、私たちのクリエイティビティを発揮させる手段です。そして私たちの人生を表しています。子ども時代に姉妹の服を使って遊んでいたあの頃から、ずっとファッションを愛してきました。あの時の情熱を今でもまだ私たちは持っていて、これからも持ち続けていくでしょう。

幼い頃の2人

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