ディオール 2021-22年秋冬オートクチュールコレクション
Image by: DIOR
「ディオール(DIOR)」が、フィジカルで発表したクルーズ、メンズに続き、2021-22年秋冬オートクチュールコレクションのランウェイショーをパリのロダン美術館で開催した。観客を招いたクチュールショーは、2020年2月以来。壁が総刺繍のインスタレーション「Chambre de soie(シルクの部屋)」を会場に、テキスタイルと手仕事を賛美するコレクションとなった。
■ランウェイの壁は40メートルの刺繍
ADVERTISING
ロダン美術館の敷地内に設置されたショー会場内のインスタレーションは、アーティストのエヴァ・ジョスパンが制作。描き下ろしたドローイングをベースに、インドにあるチャーナキヤ工房とチャーナキヤ工芸学校の職人による手刺繍が、全長40メートルの壁一面に施された。およそ350平方メートルにおよぶという刺繍のモチーフは、森、蔓植物、岩、想像上の建築物など。「シルクの部屋」というタイトルは、ローマのコロンナ宮殿にあるインド風「刺繍の間」と、ヴァージニア・ウルフのフェミニズム宣言となった著書「自分だけの部屋(A Room of One's Own)」にちなんでつけられた。
インド・ムンバイで制作された舞台装飾のサヴォワールフェール ©Sophie Carre / Chanakya / Chanakya School of craft
■ツイードを多様なスタイルに
マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が手掛ける2021-22年秋冬オートクチュールコレクションは、ブークレツイードにはじまり、チェックツイード、フランネル、ダブルフェイスといった織物が、セットアップからドレスまで多様なスタイルで提案された。また、デニム生地のアップサイクルとして、解いた織り糸に真珠のシードビーズを通し、再び織り直した特殊なテキスタイルなども用いられている。
Image by DIOR
■ハンドワークが光るドレス
ドレスの制作には、メッシュやプリーツ、手織りといった手法をふんだんに取り入れている。ラストルックのグリーンのドレスはフェザー刺繍を全体に施し、草花のベールをまとっているかのような幻想的なピースに仕上げた。「存在していること/出会うこと」への回帰を背景に、刺繍などの手仕事は単なる装飾ではなく、手に触れて感じられる実体性に目を向けることを意味しているという。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【注目コレクション】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境