
デザイナー小松千佳さん
Image by: FASHIONSNAP
ファッション関連で活躍する企業や若手クリエイターたちが入居する施設"台東デザイナーズビレッジ(=デザビレ)"。台東区の産業活性化、ひいては日本のファッション産業の成長など崇高な目的のために設けられたデザビレには、厳しい審査(なんと3回も審査がある!)をクリアし高い倍率をくぐり抜けた19組が入居しています。ここでは、施設内の新進クリエイターたちが一体どんな活動を行っているのかを連載でちらっとご紹介。第14回目はデザビレ201号室に入居するファッションブランド「riyaham(リヤハム)」さんです。
「riyaham(リヤハム)」というブランド名は、アイヌ語で「エゾユズリハ」という植物を意味する言葉。デザイナー小松 千佳(こまつ ちか)さんは北海道札幌市出身で、ユズリハが命を継いでいく子孫繁栄の植物とされていることから名付けたのだそうです。生命の存在を意識しているという小松さんが目指しているのは、その人が着ることで完成する服。「riyaham」は形やシルエットに定評がありますが、ひとつひとつの服には小松さんのこれまでの経験と服づくりへの思いが詰まっています。
襟元のデザインが特徴的な「riyaham」。
小松さんがファッションデザイナーを目指そうと思ったのは、大学生の時。高校卒業後に北海道から上京し、日本女子大学の教育学科で先生を目指していたそうですが、当時はバブル崩壊後の就職氷河期。そこで「手に職をつけよう」と決心したのがファッションの道に進むきっかけだそうです。大学生活と並行して文化服装学院の夜間部で服飾を学び、オンワードなどアパレルメーカー数社でレディースパタンナーを経験。次第に「もっとデザインを勉強したい」と思うようになり、 2008年3月に会社を辞めて文化ファッション大学院大学に入学しました。2010年3月に大学院を修了した小松さんは、そこで企業に戻るか独立するか迷い、悩んだそうです。
人気のブラウス。タグデザインは「エゾユズリハ」をイメージ
「もっと人とつながりを持てることを始めたい」と考えた小松さんは、独立を決意。2010年4月に自身のブランド「riyaham」を立ち上げました。小松さんが考えるデザイナーの仕事は、これまでパタンナーの経験から創り上げてきた「形」に「世界観」を結び付けること。形やシルエットによって様々な個々人での着こなしができ、角度によって違う一面を見せるフォルムなど、1着でも多面性を表現するスタイルが「riyaham」の特徴です。
ブラックカラーのシャツは人気アイテム。
デザインに活かされているのは、これまで培ってきた技術と経験の全て。ちなみに小松さんは、都内の女子大の被服学科で講師としてパターンの講義を受け持っています。学生の頃に目指していたという「先生」の職業にもなれたんですね。
小松さんがデザインする「riyaham」は、甘すぎず、辛すぎない "中庸"な服がベース。人気のアイテムは「付け襟」と「ブラウス」で、「着る人に楽しんでもらえるように」という思いから、アレンジが自由に楽しめるように作っているのだそうです。実際に購入している女性の年齢層は、なんと20代から70代まで! エイジレスな服は「riyaham」ならではですね。
アトリエの様子
トワルが沢山並んでいます
そんな「riyaham」は、新たにオーダー制のブライダルラインを始めるのだそうです。テーマは「式後にも大切にできるドレス」。レース糸の柔らかさとカーブの美しさが際立つように工夫されたドレスが、1月25日から27日に開催される合同展示会「JFW-IFF」で初お披露目となる予定です。今年の計画としては、「ネットショップを展開したい」と話してくれた小松さん。花嫁からおばあちゃんまで、これからますます幅広い女性に愛される「riyaham」になりそうです。
■riyaham:公式サイト
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